PUNK!THE REVOLUTION OF EVERYDAY LIFE SAPPRO 最終日
〜セーフティスペースとしてのライブハウス〜
(バンド:Discharming man)
3・11を前後して社会的なことに目を向けるようになり、生活困窮者支援にも携わっている蛯名啓太さん。
※ずっと取材してみたいと思っていた「夜のパン屋さん」や夜のパトロールの話も!!!
1年前に多くの人の反対の声を押し切り強行成立した入管法について言及。来月施行目前であること…「いやな世の中だ」との思いを込めて「私の朝♪」。ナックルヘッド(主催者の戸沢さんのバンド)の曲をカバーした「お前に関係ねぇ♪」を含む数曲を披露しました。
(バンド:forsibyl・past honey merci)
自己紹介するノドカさん。
女としての生きづらさを感じながら女友達と愚痴り合いつつ…消化できない気持ちを抱えている中、医学部の不正入試事件の発覚に周りの女友達も一斉に怒ったタイミングだったと告白。
「女の子にも教育を」という進学系の学校で、のびのび自分の進路に向けて勉強する機会を与えられている中、「ウチらって女ってだけで点引かれていたの?」とそれはそれは衝撃を受けたと。
それでも当時は大学生で若い女だし何もできないけど「『クソだよな』って言い合って。でも生きていくしかない…」と自分を納得させようとしていた時に「怒っていいんだ」と、「社会の方を変えてっていいんだ」と知り、自覚的に曲作りをするようにー。
「自分が大好きな音楽でやれることがあるとしたらこんなに幸福なことはない」と語りました。
セイファースペース(ZINE:冊子)
差別や抑圧、ハラスメント、暴力といった問題を可能な限り最小化するためのアイデアの1つ。
より安全な空間を作り続けるためにみんなで話し合い模索し続けていくプロセスのことー。
全体から隔離された『ここだけ安全なスペース』という避難所のようなニュアンスではなく、全ての場所をより安全にするにはどうすればいいか?自分たちが過ごすこの場所をどうしたらみんなにとっていい場所になるのか?ということを考え合うプロセス。
トラブルや問題となる言動があった時に、『一発アウト』にするのではなく、みんなで話し合い、反省的により良い場所をみんなで作っていこうという取り組み」
引用して、概念を紹介しました。
世の中全体がやはり男性優位社会で、男性が参加しやすい環境、社会や仕組みがあると指摘する蛯名さん。
子どもがいる母親がライブに行くと「家(留守にして)大丈夫なの?」と聞かれるけど男性は言われることがほとんどない〜などの例をあげました。
防音の関係からライブハウスは地下が多く、バリアフリーにもなっていないことなど「来る選択肢がない人が多い」とも。「みんなが来れる空間作りを目指したい」との心境を語り、不足してるところとかなどあれば言ってほしいと呼びかけました。
①ライブ中のモッシュ・ダイブ事故についてー
②ライブハウスでの性加害についてー
被害者に寄り添い、店が策定するルール作りにも携わった長島結さん。東京から来場されていてその場で依頼すると発言してくれました。
ディスカッションをする際に、手を挙げる人を待つとどうしても偏りフラットな場にならないと指摘。指名するなどより工夫が必要との助言も。
被害者が声を上げ、何度も不毛なやり取りや二次被害を体験する中でやっとの思いで作り上げられたルールであることなどが語られました。
ディスカッション/フロアーからの発言
(※ほんの一部)
①「『痴漢を見かけたら必ず第3者が止めてください』というメッセージをあらゆる公共機関に掲示してほしい」ーどこかの国で掲示してあると知り、あらゆる場にあるとかなり安心すると。また北欧のリベラルなジャーナリストの言葉を紹介し、「性暴力・性犯罪は『性差別を基にした犯罪』であり、加害者と被害者の立場性が全く違うため2者の話にしてはいけない」と必ず第三者を引き込むことや第三者の意識が育つ必要性を語りました。
②性被害を受け示談になった事例を示し、受けた被害がなかった事になるわけではないと、被害者の言葉を紹介。
「あいつ(加害者)が表を歩けないような社会にしてやるんです‼︎」
社会がそういうことを許さない空気が強くなることが最終的に被害者の救済つながっていくのではー。
③ 「海外の大好きなバンドのライブを見た時に男性ばかりで、女性は家にいて拳を上げれないのかな?と思った」と。後に女性グループがいるのを知り「いるじゃん‼︎と思って感動した」と話す人もー。
音楽は詳しくなくてパンクに「怖い」というイメージがあったけど、権力に抵抗したりする集団の力があるのだと知り、そこで発生する問題に対して実際はこうして自分たちの空間で起きた問題に向き合い、どうしたら改善できるか、もっとみんなが安心できる空間になるかということを考えながら前に進んでいるという事が分かった。小さくてもいろんなコミュニティにとっての安心できる場所が社会にどんどん増えていけばいいなと思う」
※後半、女性の発言が相次ぎました。中には「勇気が出て私も発言することができた」という人も。色々な場面で男性の参加者は多く、発言も男性がメインとなる機会は多い日本社会の中で、途中から「女性が安心して発言できる場」となった空気の変化を見たように感じました。
テーマに関心が集まったのか?女性の来場客も多かったように思います。
パンクには「怖い」や「マッチョな男性の世界」というイメージや概念がある中、社会や自分達を虐げる理不尽に対して抗い声を上げ、自分達で変えていこうという女性も増えている昨今。女性や困難を抱えている人も、一緒に拳を振り上げられる場にしていこうという模索を垣間見た気がしました。(※私個人の感想です)
嫌な思いをした自身の体験を告白…脅威となるような高圧的な態度の人がいた時、本人がそのことに気づいていない時、ある事柄に対して自分も抗いたいのにその土俵に立たせてもらえないような場面に遭遇した時など、周りで「それって変じゃない」と言ってくれる存在の安心感を語り、自分も誰かのそういう存在になりたいとー。
※第3者の存在の必要性と通じる話に感じました。
※かなり時間を要してしまいましたが、最終日イベントのまとめ。私が個人的に感じた事も多く、不足も多々ありますが特に印象に強く残った部分や記録として残しておきたいと感じた部分を記しておきます。