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北海道パレスチナ医療奉仕団/西藤陸さん
イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への執拗な攻撃が依然として続く中、「第15次パレスチナ臨時医療・子ども支援活動」に参加した青年がいます。
東京大学総合文化研究科修士課程1年の、西藤陸さん(にしむらりく)さん(22)です。
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難民問題に関心を寄せ、高校生の時に北海道パレスチナ医療奉仕団の猫塚義夫団長の講演を聞く機会がありました。「いつか自分も現地へ赴き医療・子ども支援活動へ―」と思いを募らせます。
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京都の大学へ進学し、友人らと、パレスチナ問題をはじめとした国際問題や社会問題に関わるイベントを企画・発信「知ろうとする」輪を広げることをモットーに「しろる―SIRORU」を立ち上げ運営に携わります。
パレスチナに暮らす同年代と繋がり、SNSやオンラインで友好を深め、日本に暮らすパレスチナの人たちとも連帯し、パレスチナに関する研究を深めてきました。
2023年10月7日―。その日は、翌週から初めて北海道パレスチナ医療奉仕団の一員として「医療・子ども支援活動」で現地へ向かうための決起集会に参加し、決意表明をしている最中のことでした。イスラエルによる長年の抑圧により、ハマスが奇襲をかけたことでガザ地区に対する執拗な報復攻撃が始まり、支援活動は延期を余儀なくされることとなります。
悔しさを胸にしまいこみ「日本で今できることを」と、SNSなどで繋がりのある現地の青年らの安否確認や情報収集。SIRORUでの活動や発信。大学で「即時停戦」を求める連帯キャンプを行う学生たちとも関わってきました。札幌で行われた街頭での集会にも足を運び、現地の青年らの置かれている状況や心境を伝え、アラビア語でのあいさつ「こんにちは/アッサラームアレイクム」に込められる意味を紹介。集会の場から「君たちの平和を想っている」と訴えました。
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大学院に進んだ、今年の6月。延期されていた「第15次パレスチナ医療・子ども支援活動」を臨時として行うこととなり、団長、教師、カメラマンと4人のチームで東エルサレムとヨルダン川西岸地区へ8日間の日程で向かうことが決まりました。イスラエル軍や入植者によりパレスチナの人々が500人以上殺害されるなど、国連が「もう一つの戦争」と警鐘を鳴らしている地域です。
「医療や教育などの専門性はないけれど、現地の空気を全身で感じ学んできたい」と臨みました。
破壊された地域ばかりではなく、その傍らでの生活に自分たちの暮らしと変わらない日常を垣間見ることもありました。
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ナルブスの診療所で、順番を待ちくたびれている様子の親子の姿。日本の学生よりも流暢に英語を話す子ども。方言の強いアラビア語で話しかけ、理解できずにいるとフラストレーションを示す子ども。遠い極東の国からやってきた団員に自分の町を紹介したくて車をゆっくり走らせるドライバー。
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一方で、ミント農家の畑では「ナクバの日」から何度も村や土地を奪われた経験を語ってくれた人、コンクリートの高い塀やフェンスで囲まれ、パレスチナ人が先へ進むことを許されない場所や、銃を構えたイスラエル兵がいるエルサレムの検問所では、兵士の気分や気紛れで突然パレスチナ人への取り締まりが始まる光景も目にしました。
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子どもたちとの触れ合いでは、折り紙や、日本から持って行った新聞紙を使った大型の紙飛行機など、実際に使って遊べる作品が好評で、折り方を学んで孫に作ってあげたいと聞きにくる年配者もいました。
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パレスチナで作られた専門書(出版社)が無く、東エルサレムで訪れた本屋は輸入本ばかりだったことに驚きつつ、絵本や教科書などを貴重な資料として持ち帰ることができました。
日本手話を学んでいる中で、ガザからエジプトに避難したパレスチナ手話通訳士との新しい出会いを得たことで学習や研究の幅がさらに広がりました。
8月10日には、北海道の矢臼別で行われた「平和盆おどり」に奉仕団のメンバーと参加し、パレスチナ連帯キャンプをして過ごしました。
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料理マックルーバー(提供写真)
猫塚義夫団長は、「西藤さんは、オルガナイザーとして、1歩1歩チームみんなで学び進んでいくということに長けている」と話し、「現地の空気を吸い大いに学び、これからの研究に役立ててほしい」と期待を寄せています。
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今後は、中東のクウェートへの留学を予定しています。
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