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Ryu-hyoGlass/流氷硝子館

12/11付「しんぶん赤旗」掲載記事
Ryu-hyoGlass/流氷硝子館

北海道のオホーツク海に面する網走市。海沿いにある「流氷硝子館では、「エコピリカ」(廃棄された蛍光灯をリサイクルしたもの)を原料にガラス作品を生み出しています。

再生硝子特有の気泡を生かし、流氷や雪を表現しています。

「近年、冬の風物詩である流氷の量が減り、あまり見られない年もあります。地球温暖化の影響です。流氷を守りたいー。」

館内にはグラスをはじめ、花瓶やアクセサリーのほか、漁師が海で使用するガラスの浮き玉も〜。

 工房長の軍司昇さんは、当時12歳だったセヴァン・カリスさんが「地球サミット」で語った〝伝説のスピーチ〟に「自分より若い人がこんなにも地球環境を憂い声を上げ行動している」と強い衝撃を受けたと言います。

工房長の軍司さん

 学生の頃にガラスの魅力に惹き込まれ大学を休学し、専門学校へ。そこで、美しいガラスを作る際に多くの燃料が必要になることを知り、ガラス作品を作れなくなるほど苦悩。

地球環境に負荷のかからない窯や原料の研究に没頭。卒業後は、沖縄のガラス工房で琉球ガラス(ビンなどを再利用)の技術を学びました。

 地元近隣の北見市瑠辺蘂(るべしべ)町に、国内唯一の水銀リサイクル処理技術を持つ事業所があることを知り、蛍光灯に含まれる水銀を無効化処理することで、ガラスを生まれ変わらせることができることに着目。

地元で調達できるリサイクル原料で、通常よりも低い温度でのガラス加工が可能となり、地球環境への負荷を抑えたガラス作品を生み出すことに成功しました。冬季に必要となる煖房もガラス製作で発生する熱エネルギーを無駄なく再利用しています。

 環境問題に関心のある人など、国内外でファンやリピーターが増え、持続可能な循環型社会に取り組む飲食店で証明器具が使用されるなど理解と共感が広がっています。 

併設している「シーニック・カフェ帽子岩」では、様々なタイプの流氷硝子のグラスが並べられ、好きな物をお冷グラスとして利用できます。

選べるお冷グラス
オホーツク海を眺めながら頂いた
コーヒーゼリー

「日常生活でも、環境に配慮した製品を使うことを選択肢の1つにしてほしい」と呼びかけます。

大学生時代の作品
(当時の顔型)と一緒に「welcome」

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