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投げ釣りマニア必見! 投げカレイパーフェクトガイド 〜PartⅠ 釣れる要素〜

投げ釣りの2大ターゲットと言えば、サーフからの豪快なキャストが連想されるシロギス。そして待ち釣りスタイルで狙うカレイだろう。そんな北東北で人気のカレイ釣りの詳細を、数回に分けて紹介しよう!


大本命のマコガレイ
目次

初回はカレイの投げ釣りについて、基本的かつ一般的なことを分かりやすく説明。入門書のような感覚で読んで頂きたい。

1、カレイが釣れる3要素
2、カレイが釣れやすい時期
3、カレイが良く釣れる場所


1、カレイが釣れる3要素

これはどんな釣りにも当てはまることだ。
「その魚が釣れる時期に」
「その魚が居る場所で」
「その魚が釣れる釣り方をする」

これさえすれば、例えその釣りのビギナーであっても高い確率で狙った魚とご対面できるはずだ。

例えばカレイ狙いの場合
「真夏の時期に」
「磯場で」
「ウキフカセ釣り」
で狙っても、恐らく釣れることは殆ど稀だろう。

イシガレイは砂地が狙い目

カレイ釣りの2大魚種は、マコガレイは砂泥地、イシガレイは砂地で良く釣れ、磯釣りで掛かるケースは滅多にない。

両者とも海底に潜って身を隠し、潜望鏡のように目だけを出してエサを待ち伏せる習性がある。

だから、ウキフカセ釣りで表層〜中層を狙ったところで、カレイの視野にエサが届かず、反応する確率はかなり低いことが予想される。

カレイと似た環境に棲息するアイナメ

従ってカレイを狙うのであれば、常に仕掛けやエサが海底付近に位置する投げ釣りが最も効果的で、理に適ったタイパの良い攻め方でもある。

このように、ターゲットの魚が棲息し捕食行動を取るタナ(=水深、レンジ)に目標を絞れば、釣れる確率、ゲーム性、満足度もグンと高まってくる。

また、海底にはカレイ以外にもアイナメ、マダイを始め、数多くの魚介類が棲息しており、食べて美味しい嬉しいゲストも多種多様だ。

身が濃厚なトゲクリガニ
カナガシラもヒットする
寿司ネタでお馴染みのシャコ
特大のミズダコも掛かる

このように、釣れる時期を選んで、実績のあるポイントに釣り座を構え、投げ釣りで狙えばカレイは比較的容易に釣れてくれるターゲットであることを、まずは理解して欲しい。

2、カレイが釣れやすい時期

続いては北東北におけるカレイシーズンを見てみよう。カレイの種類は、投げ釣りの代表的なターゲット、マコガレイとイシガレイで考えたい。

どちらも繁殖期を挟んだ時期に狙うと、良い釣果に恵まれることが多い。その具体的な季節は次の通り。

【晩秋シーズン】
北東北では11月〜12月にカレイが良く釣れる。この頃の海中はまだ水温が高く、まだ夏の魚も混在しているが、近年の地球温暖化の影響もあってか、年末近くまで狙えるエリアも増えてきている。

山間部では紅葉が終わる頃かも知れない

カレイは厳寒期に産卵するため、晩秋は卵巣や精巣に栄養分を補給しようと荒食いをみせる。

そのため、このタイミングで釣れるカレイは肉厚で、メスの場合は抱卵した腹がパンパンに膨らんでいることも多い。

東北地方には子持ちのババガレイは縁起が良いとされ、正月に食べる風習がある地域もあるが、これはまさにこの時期に荒食いをしている証拠でもあろう。

東北ではナメタと呼ばれるババガレイ

この頃に釣れたオスの腹に軽く触れると、白い精液が勢い良く飛び出すこともある。

知らないうちに精液が噴出!

このように晩秋はカレイが良く釣れる時期なのは間違いない。ところが実際はそうは問屋が卸さない(笑)。

前述のように、まだ海水温が高いことが原因なのか、エサ盗りの存在がネックとなっている。

カレイがエサを発見する前に、彼らがエサを口にしてしまう。少しの間隔でも仕掛けを放置すると、針にエサが全く付いていない状態にされてしまうのだ。

エサ盗り名人にふくれっ面
カニもエサ盗りの下手人だ
ハゼ類はカレイより反応が早い

これでは幾らカレイが食欲旺盛であろうが、針掛かりする確率はかなり低くなってしまうのも頷ける。

このエサ盗り対策は、後日アップする〜カレイを釣るノウハウ〜で紹介するので期待して頂きたい。

【厳寒期】
晩秋に沢山のエサを捕食して栄養を蓄えたカレイは、1〜2月の寒い時期に浅場の砂地や砂泥地で産卵を迎えることになる。

木々も凍てつく寒い時がカレイの産卵期

産卵期間中はあまり捕食行動を見せないと言われているが、個体差があるから釣果に全く望みがない訳ではない。

雪が積もってもカレイ釣りはアツい!

筆者はこの厳寒期に何度もカレイ釣りをしているが、マコガレイの自己最高サイズは、2月11日の建国記念の日に出ている。

数こそ晩秋には敵わないが、ビッグなカレイが寒い中の投げ釣りで仕留められるのが嬉しい。

この寒い頃の特徴として、日中よりも朝夕のマズメ時や夜中の時間帯に、カレイのアタリが集中するような気がしている。

夜に備えて暖を取りながら車内でその時を待つ

また、夜ならではのゲストもかなり登場し、賑やかなナイトフィッシングになることも多い。

マアナゴはパワフルな引きで楽しい
夜中に釣れたアイナメと朝日を浴びてドヤ顔
ドンコ(エゾイソアイナメ)は夜専門!
寒さにもマケズ、マコガレイをゲット!

夜に掛かるのは食べて美味しい魚多いので、喜んでキープ!

ドンコ鍋は凍えた身体を芯から温めてくれる
イシガレイは昆布締めにすると旨味アップ!
子持ちマコガレイは定番の煮付けで!

【早春〜花見シーズン】
3月に入ると日を追って日射しの温もりを肌で実感するようになるが、それと比例するようにカレイの活性も高くなってくる。

繁殖期をクリアして、体力回復のために再び荒食いをスタートするのだ。この頃は釣れるカレイのサイズはバラバラだが、とにかく数が釣れる。

短時間でパタパタと数枚釣れることもある
25〜40cmのカレイが続々と釣れる!
青森県では花見の宴にトゲクリガニは必須

春シーズンは晩秋と違って海水温が1年で最も低い時期にあたり、エサ盗りの活性も存在もあまり気にならない。

例えば1時間海中に放置した仕掛けを回収したとしても、エサがそのままダラリと残って戻ってくることも決して珍しくない。

そのため、晩秋に比べてエサがカレイの目に映る可能性が高くなり、数釣りが可能になるという計算式が成立する。

ダブルヒットに気を良くする筆者(笑)
アイナメだけじゃないホッケも!
ナマコは間違って掛かっても即リリース!

特にソメイヨシノの開花前線の北上と同じタイミングで、カレイの爆釣も何度か経験した。

たまたま条件がマッチした可能性もあるが、半日で30 枚を越えた時には満足度でルンルン気分で帰路に就いていた(笑)。

自己最高の31枚は圧巻だった

かつての北東北では、花見シーズンはゴールデンウィーク前後だった。観光業としては最高だと思うが、カレイ釣りの帰りに渋滞に捕まって、睡魔と闘い続けた末に途中で運転をギブアップした嫌な記憶がある…。

しかしこの数年は開花時期も2週間程前にズレ込んでおり、観光客とのバッティングも薄くなった気がする。

ハタして、今年の花見カレイはどうなることやら、今から楽しみでもある。

3、カレイが良く釣れる場所

前述のように、マコガレイは砂泥地を好み、イシガレイの棲息場所は砂地がメイン。従って、どちらも港湾部が一番狙いやすいポイントであると言っても過言ではないだろう。

港湾部はサーフと違い、重い荷物を持って移動しなくても済むのが嬉しい。サーフはキス釣りで慣れているが、砂浜でカレイ釣りは殆どやったことが無い(笑)。

港湾部でカレイを狙う場合、大きく防波堤と岸壁の2つに分けられる。

【防波堤】
多くの防波堤の外海側には、読んで字のごとく波を防ぐ役割があり、消波ブロックやテトラが入っているケースが多い。

そのテトラの上に立つのは転落の危険性が高いため、あまりオススメできない。
しかし、テトラが入っていなければ、絶好のポイントになり得るため、積極的に攻めてみたい。

なぜなら、防波堤の外側は潮流がダイレクトに当たり、いわゆる潮通しの良いポイントが多くなっているからだ。

水深のある防波堤なら足元も好ポイント
外洋に面した防波堤は足場が高く要注意!

仮に防波堤に釣り座を構える場合は、足元が濡れていないか、また、乾いていても苔や海藻が生えていないかを確認しよう。

高波が押し寄せる時は絶対に釣りをしない

いずれのケースも防波堤上に波が這い上がりやすい箇所である証で、滑って転倒しやすいばかりでなく、海中に転落するリスクも高い。

一方で、防波堤の内側にも、決して侮れないポイントが存在する。

それは船舶が通過する「船道」となっている場所があり、その海底を浚渫して深く掘っている可能性が高いからだ。

その「船道」は溝の部分が凹んでカケアガリやカケサガリを形成しており、魚のエサが溜まりやすい環境となり、カレイの好ポイントを作り上げているのだ。

船が通る真下は好ポイント!

ここは是非とも狙ってみたいが、大きな課題がある。

それは道糸が船舶に触れてしまい、道糸が切られたり、三脚ごとなぎ倒されたり、切れた糸がスクリューに巻き付いて航行不能になったりと、漁業関係者との間でトラブルになる可能性があるからだ。

その対策として次のような「道糸沈め」を使用して頂きたい。

ナスオモリ+スナップのシンプルな組み合わせ
道糸にスナップを通す
道糸を海中に沈めれば船に触れにくい

この「道糸沈め」は、キャストしてオモリが着底と同時にすぐ糸フケを取り、テンションが掛かった状態でスナップを通すようにする。

その理由は、もしも糸フケがあった場合、オモリが沈み過ぎて海底の沈み根、基底部、テトラなどに根掛かりすることがあるからだ。

また、キャストする際は、船舶の姿が見えないか、もしくはエンジン音が聞こえないかをチェックしてから狙いを定めて振り抜こう。

【岸壁】
船舶を係留する岸壁は、足場も良く安全にキャストしたり、魚の取り込みもスムーズに行えたりするため、釣りに集中できるのが最大の魅力だ。

岸壁は安心して釣りができる

狙いはズバリ、カケアガリ&カケサガリとなるが、その場所や距離を把握するのが最初の課題となる。

最初は仕掛けを付けず、オモリだけで海底をズル引きし、凸凹やカケアガリの存在をキャッチする方法もあり、根掛かり対策にもなって有効と思われる。

いきなり闇雲に仕掛けを投入するよりも、キャスト毎に投げる角度を変え、飛距離も変える方法が手っ取り早く釣り場全体の状況を掌握できることになる。

飛距離を変えて広角にキャスト

その一方で、岸壁では漁業関係施設、養殖網、船舶などへの悪戯、排泄行為はもちろんのこと、係留ロープに釣り針を引っ掛けたまま放置し姿を消す釣り人が後を絶たず、そのマナーの悪さが問題となっている。

さらには、釣りの仕掛けや自分が食べた後の食品が入っていた袋、エサの空パックなどのゴミを片付けずに立ち去るという、質の悪い釣り人も少なくないようだ。

青森県の漁港ではホタテ養殖網がビッシリ並ぶ

このようなマナーの悪さが引き金となって、釣り禁止、立入禁止の措置を講じる漁港が全国各地で急増している。

各港湾は自治体が所有して、漁業などが管理していることが多く、釣り人はその港という公共の場所を借りているのに過ぎない存在だ。

我が物顔で傍若無人な態度を取るのはお門違い。迷惑さえ掛けなければ、釣り人は暗黙の了解で釣りを黙認されているに過ぎない存在なのだ。

釣りをする前に漁業関係者や港湾作業関係者がいたら、積極的に挨拶して釣りをしても良いか? 作業の邪魔にならない駐車場所はどこか? などを確認しておけば、トラブルにならず安心して釣りを楽しむことができる。

【先行者】
また、釣り場には自分よりも先に到着していて、既に竿を出している人が居ることも多い。

人気の釣り場は場所取りも激しい

そんな時は、先行者に一声掛けて挨拶し、状況を聞いたり隣で竿を出しても構わないかと質問したりすると、コミュニケーションが取れてトラブルになり難い。

反対に無言で空きスペースに割り込む形になれば、相手は嫌な気持ちになり、場合によっては言い争いや喧嘩沙汰に発展してしまうことも考えられる。

どんな釣りでも、どこの釣り場でも、先行者が優先されるのは当然だと認識して、釣りを楽しんで頂きたい。


これまでカレイ釣りの基本的な内容を書いていたが、ここから先はカレイの投げ釣りにおける大切で重要なキモとなるスキルをお伝えすることになる。

筆者が約25年の歳月を経て体験した、カレイ釣りのノウハウを読んで頂き、今後のカレイ釣りに活用して欲しいと願うばかり…。

この続きは次回アップする、〜PartⅡ カレイ釣りのノウハウ〜をお楽しみに!


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