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これからの未来をどうしたいか

今までは残された時間がまだまだ沢山あると感じてきた。
誰しも明日はわからないのだけど。
高齢者という呼び名の仲間入りをすると自分の未来の砂時計の絵が頭に浮かぶものだ。
母の介護から解放されたのだが、お世話がなくなったという空虚感が焦りを誘った。
以前から望んでいたチロちゃんと家族の一員となる生活が始まった。
マンチカンという猫は小型であり寿命は15年位らしい。
ということは、自分も健康管理をしなければならない。チロちゃんのお世話を全うするという責務がある。
また、コロナウィルスも五類になり景気回復する施策方向へとなった。
転職すると、慣れる迄暫く忙しい。
今までは行けずにいた旅行に行くことにした。

トントン拍子に丹波篠山への旅行を計画した。
篠山城下町は、1609年に徳川家康の命令により築城された篠山城跡を核に武家町や消火町の町割りなど、城下町の基本的構造が残っている。
歴史的風致の町並みが美しい。
今と昔が混在したノスタルジックな観光地となっている。
山の中で懐かしい風を感じる日本の風景として評価が高い。
霊長類学の世界的権威である河合雅雄先生の「少年動物誌」をもとに映画化した「森の学校」の舞台でもある。今でも春馬くんの聖地としても知られる土浦セントラルシネマズに行くと上映している。

この映画は、昭和10年代の丹波篠山での河合雅雄先生の少年時代の大自然の生活。
生き物や植物と触れ合いながらのいきいきとした毎日の生活がある。家族や近隣の人々との近所付き合いや小さな日常の出来事を映し出しながら、実体験の家族史の人間模様が描かれる。
少年の成長期のプロセスには周囲の大人との関わり合いや愛情のある助言が大切であることも描かれてある。改めての日本の風土や環境や人間関係の変化を考えさせられる。
現代は、近隣との繋がりや家族の関係性も多様化し少子化の時代背景となっている。この映画は、当たり前の家庭の躾の厳しさや優しさほのぼのとした家族の心情を感じ、人として大切な感性を呼び覚まさせる。
歯科医を営む父とやさしい母の両親の間の子供6人兄弟の三男の雅雄役を子役の三浦春馬が演じている。
運動神経良くわんぱくに飛び回り、台詞も現実より自然に表現できる春馬くんの代表作と言える。なんとも微笑ましい。
通称マト。ガキ大将でありながら病弱だったために兄たちへの劣等感を自然が癒してくれる。
東京からの転校生の美少女は初めは孤立しているが、夏休みの雷を神社でみんな一緒に体験して抱き合い心打ちとける。
マトや仲間と一緒になり夏休みを川遊びや虫捕りで明け暮れる。
河合家はお祖母ちゃんとも同居している。
マトのことを心配してお節介な助言をする祖母をないがしろにしてしまう。謝られずにいたまま、さとは倒れてしまい亡くなってしまった。
母が優しく語り掛ける。「おばあちゃんは、雅雄の気持ちをよう分かってはる。おばあちゃんの命は、お父さんやおまえに繋がっているんやで。」と空に向かって「有り難う」と母と共に叫ぶ。
厳しい自然の中の懐かしい安堵感からあっという間に映画に惹きこまれる。
心洗われて純粋な子供心に戻ってしまい涙がこぼれる。観終わると清々しい気持ちになる。

旅の始まり
篠山城跡


城の敷地内の青山神社☆彡
河原町妻入商家群
招き猫の置物と高齢らしき猫🙀
小林家長門

もう一つの旅の目的があった。
私の母がまだ元気な時に自慢の孫である私の次男が入籍した。
親戚付き合いも少ないので、夫妻だけでニューヨークへのフォトウエディングを選択した。
その次男の嫁さんの祖母が兵庫県に住んでいらっしゃる。
年齢は亡くなった母よりお若いのだが、二人は若かりし頃に支店は離れていいるが、同じ銀行に務める職業婦人だったことが分かった。
二人共に銀行の窓口担当をしていたそうだ。窓口は銀行員の華の職種だったそうである。
お嫁さんともその話で盛り上がり、息子夫妻と皆で会食をすることになっていた。
しかし直ぐにコロナウィルスが日本にもやってきて蔓延期となる。
その企画は、結局お流れなった。

残念ながら母とはご一緒できなかったので、私だけでも一度お会いしたいと思っていた。今回実現した。
とてもお元気な方と伺っていたとおり年齢に見えない。
私の今の年齢に夫を亡くされた。
家を売却してマンションに移り一人暮らしをされている。売買も一人で行った。今のマンションは先約が居たが諦めずにいたら先約がキャンセルとなり、買うことができて住み心地が良い。
高齢者の年齢になってから始められたという卓球を週に3日は楽しむ。
別の日には、麻雀仲間がいて昼食を持ってゆきお互いの家に集う。
車の免許は今年に入り、返納されたそうだ。
「あと二年は乗れたけれど、家族が心配するから。車も駐車場代もかからないし、外出のバスの移動も楽しくなってきた。」と強気な様なのだが、そこは素直に受け入れる理知さを備えていらっしゃる。
最終日に、地下鉄三宮駅で待ち合わせをした。
ラインやお手紙でのやりとりはあるのだが、お会いするのは初めてだった。
「昼からゆっくり呑める所がある。手頃な値段で美味しいのよ。」と駅地下のお店が並ぶ一軒の居酒屋に案内された。
乾杯の後の話は尽きなかった。
海外勤務で活躍されていた長男様を病気で早くに亡くされたそうだ。毎年命日に合わせてそのお嫁さんからお招きがある。お弔いも兼ねて仲良く食事会をされるそうである。
ご苦労も多い人生を歩まれている事を感じさせない程気さくで明るい。
今の私の母が亡くなり寂しい心情や転職を決めた不安な気持を察して、「決めたことは、進むしかない。きっと良いことが待っている。」と元気をつけて下さる。
「私は自分で呆れる位にポジティブな人なのよ。そして、自分でできることは一人で決めたい。だから娘も孫にも可愛くないお祖母ちゃんと思われているかもしれない。」と仰る。
多分、毎日付けているという日記や家計簿。麻雀仲間との勝負事の集いの効果で頭脳明晰であり、歳下の男性とペアダブルスの試合もあるという卓球の影響で、運動不足には縁がない。心身共に健康な80代なのだ。
いつもの私は、元気を装い高齢者側に相談支援をする側なのであるが。
この旅の締めくくりでは、自然体の関西元気パワーを頂いた。
気がついたら5時間位も経っていた。
お酒のノリも加わり、来年は四国に現地集合で旅行の約束までした。
企画は、若い人に任せたと仰った。笑
期待を裏切らないようにポジティブに暮らし是非、実現したい。

神戸の酒、奥播磨


人は一人では生きていけない。また、出逢いは大切。
健康的な前向きな考えは、周囲の人も前向きにならせる力がある。
多分、プラスイオンが発生して幸せの感情が集まってくのだろう。
年齢は変えられないけれど、幾つになっても周囲を幸せにできる。
するのもしないのも自分次第なのでしょう。

新神戸から新幹線に乗った私は旅の満足感で心が満たされていた。


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