「結局、人間とは何か」 冨田勝教授の最終講義
昨年末から、ChatGPTなどアメリカ発のAIを用いた新サービスのニュースが賑やかだ。そんな中、日本の人工知能研究の先駆者である冨田勝氏が、今年度をもって慶應SFCを退職された。去る1月31日に最終講義が行われ、聴講する機会に恵まれた。
冨田氏を知らない方でも、もしかしたら、中高年なら「1990年ごろアサヒスーパードライのCMに出ていた人」、若者なら「クモの糸から繊維をつくるスパイバーの関山和秀社長の師匠」といえば伝わるかもしれない。
今回は「結局、人間とは何か」というテーマで90分。
人間とAIの違い
人間の感性の根源
コンピューターが理解できないこと
人間が理解できないこと
人間のDNAにプログラムされている3つの本能
学生と卒業生へのメッセージ
項目の取り方が間違っているかもしれないが、おおよそ上のような感じで、最終講義を締めくくるにふさわしい哲学的な内容だった。
今回の講義からネタバレは良くないので、昨夏に別の場所で行われた、やや近しい内容の講義について書かれたレポートから下に引用したい。冨田教授の主張のポイントは次のようなところにあると私は理解した。
AIの発達があまりに目覚ましく、人間にしかできないことは何なのか?と、私は久々にモヤモヤと考えていたところだった。つまるところ、「科学技術がどれだけ進歩しようとも、人間の本能や感情は変わらない。世のため人のためになることをすることが、人間にとって究極の満足であり役割なんだろう」という自身の考えについて、あらためて確認する機会にもなった。非常に良いタイミングでお話を聴けたことに感謝したい。
<付録>
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