103万円の壁引き上げ案、所得税だけではなく住民税も減税か
103万円の壁が連日話題だ。実現できるかどうかは分からないが、可能性はある。消費税率の引き下げとなると、財務省がかたくなに拒んでいて、実現の難易度が高いことから考えても、可能性があるだけでも期待が持てる。
政府は103万円の控除枠を178万円に引き上げた場合、7.6兆円の減収と試算している。裏を返せば7.6兆円の減税だ。しかも恒久的なものである。
消費税1%あたり2兆円の税収ということだから、単純計算で消費税を3.8%引き下げたのと同じともいえよう。
今回考えたいのは、103万円の控除枠を178万円に引き上げた場合の減税についてだ。所得税だけかと思っていたが、どうも住民税も減税の対象になっているようだ。まず、国民民主党の試算はこうだ。
まず、この計算はどういうモデルを想定して、どういう計算をしたのか全く分からない。答えしか書いていないので、式がわからないのだ。なので、考えてみた。
おそらく玉木代表の発言から、103万円(基礎控除48万+給与控除55万)を178万円に引き上げる内訳は基礎控除123万円+給与控除55万円と考えられる。基礎控除だけ75万円上げる構想だ。
所得税の課税所得は
所得ー社会保険料ー基礎控除48万円ーその他の控除
となり、試算ではこの基礎控除を123万円に引き上げ
年収200万円の場合
所得(200万円ー給与所得控除68万円)
132万円ー社会保険料ー基礎控除123万円ーその他の控除
との式で計算
おそらくマイナスになる。
これに税率5.105%をかけても所得税は0円だ。
住民税の課税所得は
所得-社会保険料ー基礎控除43万円ーその他の控除
住民税の基礎控除は所得税の基礎控除より5万円低い。
おそらく118万円の基礎控除で試算されたのではないかと。
計算式は
132万円ー社会保険料ー基礎控除118万円ーその他の控除
おそらくこれもマイナスになり、住民税は0円となるところだが
住民税の計算式は
課税所得×10%+住民税均等割(約5000円)
均等割は基本料金的なもので、この中には森林環境税1000円が含まれる。
つまり住民税は約5000円(地域によって額が違う)
なので、国民民主党の試算した収入200万円の控除引き上げ後の税負担は、約0.5万円となっているのではないかと。
私は専門家ではない。ちょっと調べて推測してみて計算しただけだから、間違っているかもしれない。もし、間違いがあればご指導ください。
基礎控除は所得税や住民税だけではなく、国民健康保険料の中にも43万円ある。ただ、この改正案は税金の基礎控除の引き上げに限定し、保険料には加味されていないようだ。
で、結局何が言いたいのかというと、所得税率は所得によって違うが約5%。住民税は10%。普通に考えたら住民税の方が額が大きいので、住民税にも減税が及ぶのは「良いよね」と思い、それが言いたかっただけだ。