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国民基礎年金が目減りで、厚生年金の積立金を活用?

これから国民年金は実質目減りしていきます。仕方ないとはいえ、老後不安は大きくなるばかりです。ただ、減っていくのは分かっているのだから、事前にできる対策はあるはず。粛々とやっていくだけです。

今回は、そういった個人でやる対策の話ではありません。国(厚生労働省)の対策についてです。国ももちろん目減りしてくのはわかっていますから、色々と議論しています。どういうことを話し合っているか見ていきましょう。

まず、なぜ国民年金が目減りしていくかといいますと、「マクロ経済スライド」が発動されるからです。マクロ経済スライドとは、物価や賃金の上昇率よりも年金額の伸びを抑えて、給付水準を調整することをいいます。少子高齢化対策として2004年から導入されました。

デフレ時代は問題にはなりませんでしたが、今後インフレの時代になってくると違います。物価は上がるのに年金額は増えない。つまり、実質目減りするというわけです。

先日公表された公的年金の見通しによると、「過去30年投影ケース」では給付水準は現在よりも2割ほど減少すると。特に基礎年金。基礎年金の「所得代替率」は、2024年度の36.2%から2057年度には25.5%に下落する予想されています。

令和6(2024)年財政検証結果の概要より

「過去30年投影ケース」の条件下では、マクロ経済スライドの調整期間は厚生年金が2026年度で終了する一方、基礎年金は2057年度まで続くとされています。厚生年金は資金に余裕があるのですね。

そこで厚生労働省は、厚生年金の積立金を基礎年金の方に活用するなどして、2057年度まで続くと想定されるをマクロ経済スライドを2036年度までに縮めることも考えているようです。

令和6(2024)年財政検証結果の概要

「サラリーマンが加入する厚生年金の積立金を、自営業者が加入する国民基礎年金へ流用するのはサラリーマンが損するのではないか」という意見もあるようですが、国民基礎年金は全国民共通です。サラリーマンの年金額も増えるので、損というわけではありません。

問題はそこではなく、国民基礎年金の半分は国が負担しています。ですので、その財源をどうするのかという話が大事。財務省のことです。消費税の増税を言ってくるのではないでしょうか。そのへんを含めてどうなるのか?みていきたいと思います。


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