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黒部ダムは、なぜ多くの犠牲者を出してまで造られたのか?



黒部ダムは、日本で一番高いダムです。でも、なぜそんなに高いダムが必要だったのでしょうか?
どんな目的で作られたのでしょうか?
今回は、黒部ダムの歴史と目的について、説明してみたいと思います。

黒部ダムの歴史

黒部ダムは、富山県の立山連峰と後立山連峰に挟まれた黒部渓谷にあります。
この渓谷は、昔から水量が多くて水力発電に適した場所だと知られていました。
しかし、自然が厳しくて人が行くのも大変な場所だったので、なかなか開発することができませんでした。

戦後、日本は電力不足に悩まされていました。特に関西地方は、復興のために電力が必要でした。
そこで、関西電力は、黒部渓谷で水力発電をすることを決めました。

しかし、それは簡単なことではありませんでした。黒部渓谷は国立公園に指定されていて、景観保護のためにダム建設に反対する人もいました。また、工事現場への道路や鉄道もなく、資材や人員を運ぶのも大変でした。

関西電力は、1956年から1963年までの7年間で、黒部ダムを完成させました。その間に、171人もの人が事故で亡くなりました。黒部ダムは、高さ186メートル、幅492メートルの巨大なアーチ式コンクリートダムです。

アーチ式コンクリートダムとは、アーチの形をしたコンクリートで作られたダムのことです。アーチの形をしていると、水圧に強くなります。黒部ダムは、日本でもっとも堤高の高いダムで、富山県で最も高い建造物でもあります。

黒部ダムの目的

黒部ダムの主な目的は、水力発電です。水力発電とは、水の流れや落差を利用して発電することです。水力発電は、石油や石炭などの化石燃料を使わずにクリーンエネルギーを作ることができます。

黒部ダムでは、貯水池と発電所があります。貯水池とは、ダムでせき止めた水を貯める場所です。貯水池に貯められた水は、ダムの右岸にある取水口から山中に掘られた導水路(専用トンネル)を通って下流の地下にある発電所へ送られます。

発電所とは、水力発電をする場所です。発電所では、貯水池から送られた水がタービンという回転する機械を回して発電します。タービンから出た水は再び川に戻されます。

黒部ダムから送られる水は、545.5メートルも落ちることになります。これだけ高い落差があると、水はとても速くなります。速くなった水は、タービンを強く回します。タービンを回す力が強いほど、発電できる電力も多くなります。

黒部ダムの発電所では、最大で33万5,000キロワットの電力を発生することができます。これは、約10万世帯の家庭の電気をまかなうことができるぐらいです。

黒部ダムで発生した電力は、関西地方に送られます。関西地方は、工場や家庭でたくさんの電力を使います。黒部ダムは、関西地方の電力不足を解消するために大きな役割を果たしています。

まとめ

黒部ダムは、日本で一番高いダムです。黒部ダムは、水力発電のために作られました。水力発電は、水の流れや落差を利用して発電することです。水力発電は、化石燃料を使わずにクリーンエネルギーを作ることができます。

黒部ダムでは、貯水池に貯められた水を下流の発電所へ送って発電します。黒部ダムで発生した電力は、関西地方に送られます。黒部ダムは、関西地方の電力不足を解消するために大きな役割を果たしています。

黒部ダムは、日本の歴史や科学に興味がある人にとって魅力的な場所です。黒部ダムに行くと、ダムの大きさや形や仕組みを見ることができます。

また、立山黒部アルペンルートという観光ルートを通って行くこともできます。立山黒部アルペンルートでは、立山連峰や後立山連峰の美しい自然や景色を楽しむことができます。

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