NestléのパーパスとCSVイノベーション
※タイトル写真はNestléグローバルサイト“OUR STORIES”より引用
写真が可愛かったのでおもわずいきなり引用してしまいました。
勝手に考察シリーズ!? ここではCSV先進企業 “ Nestlé ” を考察。
J-naradewa編集部員の吉岡くんが紹介してくれた、企業の存在意義を
再定義する“パーパス”。
ここでもNestléのパーパスが紹介されていますが、
そのパーパスから事業へのつながり、
そして日本ネスレにおいてのCSV活用について掘り下げます。
①Nestléのパーパス
ネスレは、生活の質を高め、さらに健康な未来づくりに貢献します
Nestléのパーパスはこのように明文化していて、
生活の質と健康な未来に対して価値を作っていくと宣言しています。
そのパーパスから、目標、CSVの方向性(注力分野)、そしてそれが
SDGsにつながっていることをブレイクダウンさせながら示しています。
※報告書 “ Nestlé in society 2016 ” より引用
個人と家族のため、コミュニティのため、地球のためと整理した上で、
それぞれの注力分野を定めています。
CSVの3つのレバー、製品のイノベーション、バリューチェーンの再構築、
ビジネス環境の構築にも合致しているように見えます。
コカコーラの、Me・We・Worldとも同じです。
②Nestléの基本戦略“栄養・健康・ウェルネス”
※Nestléホームページ“基本戦略”より引用
上は、個人と家族、栄養・健康・ウェルネスから、基本戦略ときて、
“Nestléの強み”を表現している図です。
成長の原動力として製品や事業の方向性があり、
それが強みに変わり、その強みが基本戦略へと繋がって、
イノベーションを起こし、成長の原動力である具体的な製品や事業に
返ってくる。そんな好循環も示している図だと、勝手に解釈しました。
パーパスがどのようにブレイクダウンされ、
具体的な事業に落とし込まれていくのかが体系立ててわかります。
パーパスによるCSV経営の推進です。
③日本ネスレのCSVイノベーション
ネスレ日本の高岡浩三CEOは、Nestléのパーパスについて、日本においても
違和感はないと、もともとDNAに深く刻み込まれていたものだと、
おっしゃっています。その上で日本の社会課題は下記に捉え、独自の展開を
して、業績を伸ばしています。
●社会的孤独・孤立
●核家族化
●離れて暮らす家族が心配
●地域コミュニティの減少
●職場のコミュニケーションの希薄化
さらに“ニューリアリティ”という言葉を大切にし、追求しているそうです。
今の本当の課題=“ニューリアリティ”。
社会課題と一口に言ってしまうと少子高齢化と漠然としてしまうのものを
深堀することで、より明確化して解決策を導きやすくするのだと思います。
日本ネスレではパーパスブランディングへの理解を深めながら、
社員全員がCSVに取り組む仕組みを導入しています。
①顧客はだれ?
②ニューリアリティは何か
③顧客が抱える問題は何か
④解決策は何か?
これをどんな社員であれ全員考え、目標設定・評価にも活用し、
アワード化して盛り上げています。
日本ネスレはこうしたCSVをフックとした工夫を随所に起こすことで
頭打ちと言われている先進国の中でも業績を伸ばし、
グローバルの中でも一目置かれる存在になっているそうです。
④パーパスでつながるコラボレーション
Nestlé Wellness アンバサダーは、ドルチェグストを中心とした
健康管理サービス。ネスレ日本とFANCLとアクサ生命との
コラボレーションによってできています。
同じ“健康な未来”を目指す、パーパスでつながるコラボレーション。
パーパスはある意味、旗のような役割にもなり、その掲げた旗のもとに
共鳴する企業や人が集まって、行動を共にすることができる。
仲間が増えていきます。
⑤CSVの考察
●パーパス設定
●注力分野への落とし込み
●事業へのブレイクダウン、好循環の回し方。
●コラボレーション・オープンイノベーションへの活用
CSV先進企業ネスレは先進的なケーススタディでありながら、同時に
地に足ついたどんな企業でも活用できる基礎的なことを行っていると思う
目の前の顧客とともに社会の課題を一緒になって解決する。
非常に参考になるケーススタディだと思う。
最後まで読んでくださりありがとうございます。