CSVの3つのレバー
CSVには3つに分類される価値創出の方法があります。
ここでも紹介していますが、名和先生の「CSV経営戦略」は
何回読んでも面白いです。
この本の中にCSVの3つのレバーというのが登場します。
①次世代製品・サービスの創造
解釈としては自社の事業の、今までの社会的ニーズに対応という範疇で
「私たちは社会価値を創出しているんだから、それこそがCSVだ。」
としてしまうのはもったいない。自社の強みを活かして、
新たな社会課題を解決するような、次世代製品・サービスを創造することで
市場を開拓していくことが必要なのではないかと。。。
そういった考え方です。イノベーションとも言えると思います。
②バリューチェーンの生産性の向上
バリューチェーン全体に発生する社会課題を解決することで、
生産性を向上させ、競争優位につなげていくというもの。
原料の安定供給や、販売チャネルの確保、効率化によるコストダウンや
クオリティ向上なんかがあります。
昔からある言葉なんだと思いますが、最近、よく、「外部不経済性」という
言葉をよく聞きます。様々な企業は、この外部不経済性に
目を向けてきています。
【外部不経済生】
イギリスの経済学者 A.マーシャルが用いた言葉で,市場を通じて行われる経済活動の外側で発生する不利益が,個人,企業に悪い効果を与えることをいう。外部不経済の代表的な例としては公害問題がある。かりに騒音公害があったとすると,その周辺の住民はその公害がなかったときに比べ不愉快な生活を強いられることになる。住民にとって公害は,なんら市場原理に基づかない経済的不利益をこうむることになるので外部不経済となる。経済政策的には,外部不経済をできるだけなくすこと,できれば外部不経済を市場価格に基づいて内部経済化することが課題とされている。
※ブリタニカ国際大百科事典より
その逆って感じなんでしょうか?経済活動そのものがその周辺にある人や
環境にむしろ利益をもたらすことで、そもそもの活動の追い風になっていく
ということのように捉えられます。
③地域生態系の構築
私の解釈はビジネス環境の構築みたいに捉えてます。
自社の事業が優位性を持つようにビジネスの環境を作っていくことで、
新たな社会価値を創出する。例えば、認識を変えたり、
新しい方法を教育したり、そもそもの社会自体を作っていくような
そんな考え方ではないでしょうか。
広告会社の立場としては、世の中の空気作りといった観点で、この3番目の
活動にお手伝いできるのではないかと思っています。
CSVの考察
①②③は密接に関係していて、これらを1本のストーリーにして、
発信していくことがよりパワフルにCSVをスケールアップさせていく
ポイントになるのではないかと思いました。
新たな社会課題を解決する新商品やサービスは、
おそらく新しいバリューチェーンを作っていて、
そこには新たな雇用の創出や副次的に様々な社会課題を
解決しているのではないかと。
そして新しく社会に受け入れられるための、
新しい価値観が必要となるので、そこにはビジネス環境の構築、
認識の変化や新しい常識のための教育が必要になると。
そしてすべてが社会が受け入れやすくなるように
ストーリー化する必要があるのではないかと思いました。