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【競馬】G1のウラで勝利への気迫が激突、期待通りの熱戦/小倉大賞典振り返り

フェブラリーSを差し置いてめちゃくちゃ楽しみにしていた小倉大賞典は、期待通りの激戦となった。トーラスジェミニがハイペースで飛ばす、いかにもローカルG3らしい展開。3角過ぎから後続馬群もスパートし、直線はまさに勝利への気迫が激突。番手から抜け出しを図るディアンドルをめがけて追走するのはテリトーリアルとボッケリーニ。遅れてカデナとアールスターも差を詰め、さらに内から突っ込んできたのはデンコウアンジュ蛯名ァ!

最後の最後までスリリングな攻防が続いたが、ボッケリーニとの叩き合いをハナ差だけ制したテリトーリアルに軍配が上がった。

「見どころ」記事ではすっかり触れるのを忘れていたが、今月いっぱいで解散する西浦勝一厩舎の管理馬。有終の美と言うと早いと怒られるだろうが、引退間近でうれしい重賞勝ちとなった。テリトーリアル自身も7歳にして初めてのタイトル。ついに惜敗続きに終止符を打つことができた。

ハナ差に泣いたのは復権を期すダービージョッキー浜中俊とボッケリーニ。冬の小倉で唯一の重賞を有力馬で制し、存在感をアピールしたかっただけに悔やまれる2着となった。この一鞍に対する想いは直線の追いっぷりからも伝わってきたし、それだけに余計に報われてほしかった。

そして「JRA全10場重賞制覇」がかかった蛯名正義のデンコウアンジュも見せ場たっぷりの5着。ポッカリと空いた内から末脚を伸ばしてきた瞬間は「えっ、勝っちゃうの!?」と喜びを驚きが同時に襲いかかってきた。荒れたインを通ったせいか最後は伸びあぐねたが、距離ロスを最小限に留める勝負に出てのもの。偉業達成はならなかったものの、ベテラン人馬の奮闘は際立っていた。

思わぬ頑張りといっては失礼だが、単勝12番人気のディアンドルで3着に健闘した団野大成の好騎乗も見逃せない。逃げの手もちらつかせながらトーラスジェミニを先にやっての2番手追走。3~4角は馬場のいいところを選びながらクリアし、早め先頭から粘り込みを図る積極策が光った。土曜の京都牝馬Sでも伏兵ブランノワールで3着に入り、同じシルクの勝負服の良血リアンティサージュも勝利に導くなど、完全にノーザンFの軍勢に仲間入りを果たしそうな印象。ローカルで信頼を積み重ねまくって、一気に有力馬を任されG1制覇..そんなシナリオだって見えてきそうだ。



ハンデ戦のG3は地味な戦いかもしれないが、各馬の勝利に対する執念はG1にも負けないものがほとばしっていたように思う。だからこそ見る者の心にも伝わってくるものがあった。

このナイスショットが全てを物語っている。

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