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デザイナーとしてAIとどう付き合うか

こんにちは。GMOペパボでデザイナーをしています。845(やしこ)です。この記事はGMOペパボデザイナー Advent Calendar 2023 の記事です。

仕事、AIに奪われていますか?わたしは毎日奪われています。えーん
あまりにも色々できるのでどう扱ったらいいのか悩んでいまして、2023年末時点、今のところの自分なりの付き合い方について記します。

AIの進歩

メイン職能としてはUIデザイナーということもありAIができる領域の進出の影響が大きく、わたし自身、進化についていけない焦りを感じることがあります。日々できることが増え、新しいツールが出てくるので、追いつくのが大変です。「この業務、もう半年先には無いだろうなぁ…」なんて思いながらやっています。

何を任せるか、ではなく何を任せないか

この状況に対して、わたしはAIに「何を任せるか」より「何を任せないか」で考えるようにしました。

こちらのダブルダイヤモンド図の「もっとも絞られている部分の仕事は任せないようにする」と決めています。

任せないようにしているもの

具体的には、

左端 - StartPoint

  • ビジョン・ミッション・事業の理想像

  • 事業アイデアの着想

  • 問題、課題の一次情報

  • ユーザーの一次情報、要望

  • 直感 ※だいじ

真ん中

  • アイデアの最終着地、選別、収束

  • UXストーリープロットを仕立てる

  • ユーザージャーニーを想定する

  • 要件定義の最終決定

  • 解決策の着想

  • 完成した理想のデザインの定義

  • KPI設定

右端 - End Point

  • 最終仕上げ

  • FIXの判断

  • 動作確認

  • 効果測定の良し悪しの評価判断

このあたりはAIに任せず、自分で手掛けるようにしています。ゴールシークプロンプトなどもあり、もちろんAIはこれらの仕事をできるのですが、わたしは頼らない、任せないようにしています。

一方で、任せるのはこういうものです

任せているもの

発散するときと収束していくときに手数が出せるので、とても助かっています。

発見 - Discover

  • リサーチ

  • アイデアの複数案出し(ブレスト)

  • コピーの案出し

  • 競合調査

  • 市場のリサーチ

perplexity.aiには今までのgoogleのサーチエンジンでたどり着くことができなかった情報に1,2問でたどりつけたりと、とてもお世話になっています。

定義 - Difine 

  • 分析

  • 分類

  • 情報整理

  • 表作成

発散 - Develop

  • ワイヤーフレーム

  • アテのイラスト

  • アテの写真

  • デザインラフ

  • 仮文言

  • コーディングのヒント

  • 専門外のプログラム言語のエラーメッセージの解説

DALL.E3やAdobe FireFly,Photoshopのジェネレーティブ塗りつぶしなどグラフィックアセットの用意がかなり速くなり、デザイン作業そのものに対する見積もり時間が大幅に変わりました。

こんな感じの付き合い方をしています。業種や立場によってそれぞれ任せないポイントは変わると思いますが、一つの参考になりましたら幸いです。

イメージとしてはこんなかんじ

なんでもうまく、たくさんやってくれるので、つい使いすぎてしまうのですが、いつのまにか右端のようにならないように気をつけないとなと思っています。

勉強はもうしなくていい?

AIに多くを任せるようになってから、「もう勉強しなくてもいいんじゃないか」と考えることがあります。ですが、結論としては、勉強は続ける必要があると思います。AIの出力の良し悪しを判断し、責任を持つためには、やはり知識が必要だからです。

責任と判断のための知識

AIが出力した結果の良し悪しを判断するためには、その分野に関する十分な知識が必要です。例えば、AIによる翻訳がどれほど進化しても、文化的なニュアンスや微妙な表現の違いを理解するには人間の知識が不可欠です。コーディングも同様で、AIが生成したコードが本当に効率的で、目的に沿ったものかを評価するためには、プログラミングの基礎知識が必要です。

AIは便利なツールですが、最終的な決定を下すのはわたしたち人間です。その決定を正しく行うために、学び続ける必要があると思います。

まとめ

この1年は人間が手でものを作る意味とはなんなんだろう?と深く悩んだ1年でした。
AIとの付き合い方で、わたしたちのクリエイティブも変わっていくんだとおもいます。しかし、学び、問い続けることで、これからも、ものを作る人を支え、自分自身もものづくりを楽しんでいけるといいなと思っています。

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