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捩花に逢えたら〜陸奥A子の想い出 はけの森緑地2にて。
捩花は、雨上がりの散歩に出たとき、出会えたらラッキーな花の一つです。
なぜなら
毎年同じ場所に咲くとは限らない。
梅雨の間(だいたい6月25日から7月15日ぐらい)しか咲かない。
花が終わったらどこかに消えてしまう。
どこにあったのかもわからないのは、草地にこっそり生えるから。
気まぐれに現れるからふとしたときに目に入り、ばったり出逢えたように嬉しくなります。
何年も長い間見かけなかったこともあります。
住んでいた場所に無かったのか、
忙しくて散歩を楽しむ余裕が無かったのか、あるいは心のクリーニングの必要性が無かったのかもしれないけれど。
小金井に引越してからは散歩する事が増えたからか、毎年出会えています。
今年は、武蔵小金井駅の南東、連雀通りから少し入ったところにある「はけの森緑地2」の中で群生を見つけました。
この公共緑地、元は邸宅の広大なお庭だったようです。湧水の池もあります。
人知れず関東たんぽぽなどが自生する、とても素敵な開放庭園です。
花穂が螺旋状にねじれて不思議な形ですね。
Spiranthes(スピランセス)という学名は、ギリシャ語の speira(螺旋)+ anthos(花)が語源だそうです。
私が初めて捩花に出会ったのは、子どものころに大好きな漫画の中で。
陸奥A子さんの「樫の木陰でお昼寝すれば」のエピソード。
野草に詳しい男の子が
「あった。ネジバナ。はいこれ蘭科ね」と教えてくれました。
絵もお話も大好きで、何十年経っても心の中に火が灯るように残っています。
身体が弱くて自信のない主人公は、自然いっぱいの村に静養に来て友だちになったおばあちゃんの優しさと、元気な少年たちの励ましで居場所を見つけ、楽しい思い出を作って自我を書き換えていくお話。
「樫の木陰でお昼寝すれば」や、同じく陸奥さんの作品「黄色いりぼんの花束にして」は、私の散歩の原点なんです。
この花は
わたしの好きな野原に
いっぱい咲いてる花です。
とってもステキなところなのです。
今度の日曜日にまた
おにぎりこしらえて
行こうと思います。
もしよかったら
あなたも一緒に
行きませんか…
(黄色いりぼんの花束にして)