ザ・ロストシティ
観てきた。
事前情報はほぼなし、
テレビのCMで見かけて面白そうだった。それだけ
公式あらすじだと「ウザいモデル」って紹介だけど実際はヘタレに近い。ロレッタは彼に苦手意識を持ってたけど私はそこまで悪い人だとは感じなかった。
フェアファックスが「悪役億万長者、地位も名誉も弟に取られこの世の誰のものでもないものを自分のものにして父や弟を見返したかったが、その長い年月と多額の金をつぎ込み他人の命までもを懸けた宝探しが、財宝ではなく愛だった」とかいうすごい設定。おそらくハリポタでしこたま稼いで現在持て余すほどであろう中の人の財力のことを考えると、フェアファックスが真実を知った時の憤りは生生しかった。この手の設定の悪役にはおなじみの展開だが今回が一番しっくり来たな。
一番えっちだと思ったのは島でのダンスシーン。そっか、こんなに口元近いのか、先にキスしたくなった方が負けってこういうことか……
個人的にすごくきつかったのが洞窟の穴のシーン
元々閉所恐怖症のきらいがあったけど、前にも勧めないもと来た場所に戻るのも一苦労みたいな状況に息ができなかった。今まで色々映画観てきたけれどここまでなのは久しぶりだった。劇場で席を立とうか迷った。アランに励まされたのはロレッタだけじゃなくて私もだった。
BGMの煽りがすごい良かったと私は思う。これに関しては評価がかなり割れていた、むしろ否定的な意見の方をよく見かけた。私は映画の良し悪しではなくて「こんな映画観たよ!」という主観的な意見を表したいので映画に対しての評価ではないのでご注意を。
たびたび流れるボサノヴァにじわじわ笑いがこみあげてきてた。
アランが原付で登場するシーンとか盛り上がり方がよかったなあ。
印象に残ったセリフ(※字幕版)はアランの「自分の作品をけなしてもそれを応援してるファンのことをけなすな(意訳)」
ベスの「守るって言ったじゃない」に対するオスカーの「君は僕が守るよ」
アランのセリフに関しては創作者全員が心がけなきゃいけない自戒だと思ってる。自分の作品をけなすことは作品を応援してくれる人を否定することになる。もともと自分がやっていけるか不安だったアランが物語のヒーローになったことで人から存在を求められるようになり、この作品がどれほど人に愛されているか実感しているからこその言葉だったんだろうなと。
オスカーのセリフ、数年前の激情版クレヨンしんちゃんに通じるものがあってジーンとしてた。『映画クレヨンしんちゃん新婚旅行ハリケーン~失われたひろし~』(2019)でしんちゃんがみさえに問うセリフで「じゃあ母ちゃんは誰が守るの?」ちなみにこの映画、劇場での予告しか見ていないので実際どういう流れでこのセリフが出てどう回収されたかまではわからないけど予告でしか見ていないのにここまで印象に残っているのはすごいと思う。
「君『は』僕が守るよ」に「ベスがロレッタを守ろうとする気持ち」を肯定してくれてるのを感じるんです。
DとZ
おなじくロストシティを舞台にした映画に『ロストシティZ』という作品があるので、これを読んでくれた人に知ってもらえたらうれしい。
私はこの映画がすごく好き。
パーシーフォーセットが望んでいたのは、きっと「ザロストシティ」の光景だったんだと切なくなった。