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SNSで絵にいいねが増えない?発表する場所そこで合ってる?
X(Twitter)運用法で消耗した絵描きの実例
最初に言っておくけど、私はまっっったくSNSの運用が上手ではない。Xのフォロワー数は200ちょっとで、増やそうかと思った時期もあったが、現在は停滞している。
どういう感じで運用下手かを説明してみる。多分同じような方、結構多そうだと思ったので私のアカウントの特徴を挙げてみる。
フォロー数がどう頑張ってもフォロワー数より上回る
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Xのアルゴリズムに、「フォロー数がフォロワー数に対し×0.6の割合だとフィードに上がりやすくなる」というものがあるらしい。多くの人の目に触れるよう運用するといいねをもらえる確率も上がる。
「だから、フォローする人は厳選しよう☆フォロワーさんが多い人、拡散力が大きい神絵師を優先してフォロー!弱小アカウントをフォローするのはよく考えてから!」
けど……けどさぁ!
フォローしてくれたらフォロー返したいじゃん!
神絵師ばっかりフォローしても、自分がゴミに見えて落ち込みやすくなっちゃうじゃん!レスも返してくれる可能性低くなるし……。同じくらいの実力のお絵描き仲間が、地道に頑張ってるの見て励ましたり励まされたりしたいじゃん!
あと趣味が多いせいか、気になる人が多すぎる。みんな多才なんだもん。ほぁ〜すご〜いって思ったらフォローしたくなる。でしょ……。
仲良くしたくなる人が日常雑多垢なことが多い=メディア欄が絵以外でゴチャつく
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多くの人の目に自分の絵を触れさせたいなら、自分のアカウントをイラストや絵に特化しているとXのアルゴリズムに認識させることが重要だ。
そのためにXのアルゴリズム=「いいねをつけたり、ポストした内容と同じ属性がどんどん自分のアカウントに付いて濃くなっていくこと」を利用する。
つまり、「絵に関すること以外はなるべくいいねしない」「ポストしない」という運用が必要になる。
むり。
だって猫好きだし。鳥も犬もラッコも鯨も蛇もカエルも馬も好きだし。(好きな生き物が多すぎる)。ガーデニングも趣味だし。くだらない話したいし。第一、絵ばっかりポストしてるアカウントって中の人が何考えてるかわからなくて仲良くしたいと思えない。
かくして私のフィードは絵も描いてるけど趣味の話もする人、とか、猫飼ってる小説家さん、とか、子育て主婦でイラストや漫画小説好きな人、お料理上手や食いしんぼうの雑多な呟きで埋もれていく。(それが楽しい)。
そして、自分の日常ポストも猫やら花やら子育てPTA食べ物が混ざる。
これじゃいつまで経っても「絵に特化したアカウント」にはならない……。
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じゃあ複数アカウント運用しなよ→できない
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できない!複垢運用。やってみたことはある。
けど仲良くしてるフォロワーさんにも描いた絵を見てほしいじゃん!
漫画を楽しみにしてくれてる人もいるし、イラストに惹かれてフォローしてくれた人もいる。みんなが複垢もフォローできるわけじゃないし……。
そして、複数アカウント運用について言えば、そういう事をすればするほどリソースが削られていく感じがするのだ。
こっちのアカウントではこうして……、この内容は日常アカウントの方で……、って計算しながらやるのに疲弊する。
正直そんなことに時間や気持ちを費やすなら、絵を描いたりポートフォリオ作ったりしたいのだ。
Xでいいね万バズを狙う運用法ができない理由
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一番の理由は「絵だけじゃ勝負になってない」から
あくまで私の場合は、の話だけれど、「絵に特化」のアカウント運用ができない理由は、結論としては絵の実力が足りていないせいだ。
絵一枚で誰かを感心させたり、好きと言ってもらったりしてもらえる気がしない。だから日常や、趣味や、好きなことを混ぜ込まずにいられない。
絵だけで語れるほどの説得力を持っていたら、絵のみをあげているアカウントでも誰かがレスポンス、リポストしてくれたりして、やりがいも楽しみも感じるんだろう。
絵だけじゃ反応をそこまでもらえないから、SNSをやっていてもつまらなくなる。
色々な趣味や日常、共通点を持っている人とのコミュニケーションをせずにいられなくて、雑多な垢になっていく。
それをやってる限り、「底辺」と言われる位置からは脱せないのにもかかわらず、そこから抜け出せなくなってしまうのだ。
実力がないなら実力に合ったステージで戦えばいいじゃない
そこで自分なりに考えた。
私の実力が足りないのは確かに事実として、じゃあここからどうするか。
Xの運用法を「絵描き特化」に変えられるのか?
絵だけで語れる実力がつくまで、荒野を独り延々彷徨う根性が私にあるのか?
……正直、やだなあ……と思った。いつつくか分からない実力がつくまで壁打ちのようにXで投稿し続ける、という不毛な行為に嫌気がさしたから。
そして改めて考えた。どうしてXというプラットフォームでなければいけないのか?を。
「拡散力やユーザー数で言えばXがダントツだから、絵で稼ぎたいならXで伸ばすのが正道!」
……みたいな説を成功したイラストレーターさんは軒並み主張する。それは確かにその通りなんだけれど、掲げているハードルが高すぎるのに気づかないといけない。
まだ絵が発展途上、自分の画風が確立していない、無名で活動始めたて……、そんな絵師までこういった「いきなりトップをねらえ!」的理論を信じて真似るのはナンセンスだ。
その辺の野球少年をいきなり大リーグの試合に送り込んで、ボールがバットに当たるまで本塁に立ち続けろ!と言っているようなものだ。生き残れば強打者だろうが、その1人が残るまで死屍累々の大惨事になる。それを万人に当てはめようとしている。無茶でしょう。
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XはSNSで言うなら大リーグ、強打者や名投手がウヨウヨいる場所だ。ポストが流れるのも早い。そんな中で実力を発揮できたり、絵だけでいいねやレスポンスをもらえるのは、ある程度画力が身について自分の画風ができ、自分の絵の魅力を伝えられる状態になった人だ。
大リーグじゃなくてせめて市内大会くらいの規模のSNSで自信と実力をつけて、運用慣れして、そこで十分反応をもらえるようになってからステージを変えるのもありじゃないか。
「成功する方法」は成功者の経験則で語られることが多いけれど、自分がそれをして疲弊しないか?きちんと真っ直ぐ創作を続けられるのか?その視点が欠けると、「挫折する方法」を実行するのと同じになってしまう。
「拡散力・ユーザー数が多い」は諸刃の剣だ。強者が集うから、ユーザーが「実力がある」と感じるレベルも上がる。
これだけたくさんのSNSがあるんだから、自分の実力に合った規模のSNSを見つければいいんだ。
ひとの意見や、好きポイントを教えてもらうこともとても大事だから、SNSをやる意義はある。試行錯誤しても、まだまだ練習の絵でもいいねをもらえる環境を見つけ、みんなの反応を見ることで自分の強みや得意を知れれば、それはいずれ大リーグに行った時の武器になる。
SNSジプシーはダメ?→むしろ必要
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Xシャドバンで知った他のSNS
私がXの運用法に煩悶していた同じタイミングで、私のXアカウントがシャドウバンになった。
原因はお肌の露出が多すぎたから。センシティブ設定はつけていたし、もっと過激なアカウントだって他にあるのにとフォロワーさんにも言っていただいたけれど、まあとにかく20日くらいシャドウバンが解けなかった。
このタイミングにいい機会だと思い、Xの代替として開発された他のアプリやアート系SNSを国内外問わず色々試してみた。そこで上記の、「実力に見合ったSNS」の存在に気がついたのだ。
フォロワー数に捉われないSNSを探す
意外なことに、Xの外に出て「Xより弱小規模」なSNSに絵をあげてみると、実績や相互フォロー、フォロワー数に関係なく、投稿したものをユーザーが自分の感性でファボってくれる場が結構あった。
Xだと、相互フォローじゃない人に対してのいいねやリポストは「お付き合いしてないのにいきなり失礼かも」みたいな遠慮があって、1000以上フォロワーがいるアカウントでないと来ないことが多い。
となると、始めてしばらくは一生懸命リプやフォロー、フォロバでとにかく仲良い人を増やさなくてはいけない。弱小アカウントが伸びない原因は、そこを怠っている、苦手な人だからな場合も多い。
それを理解して粛々とフォロワー獲得に臨めばいいだけなのかもしれないが……。
いっぽXの外に出れば、練習絵でも、wip(進捗報告のような描き途中を見せる絵のこと)でも、「楽しんで創作している」ことにハートが来るSNSはある。
「こっちの方が正しく創作に向いたSNSじゃないかな」と思わされた。
発表の場は自分の実力と絵柄に合ったSNSで
SNSにも特色がある。
シンプルで分かりやすい絵柄がウケる場、重厚でコントラスト強い絵がウケる場など。
Blueskyなんかは進捗報告やラフの試行錯誤で落書きをバンバンあげる人もいるし、塗りや線画があっさり目で完成度はイマイチでも、ストーリー性のある絵が好まれて知らない人からどんどんいいねされる。
Threadsは自分の絵に自信が持てなくなって愚痴を言いたくなったりした人でも気兼ねせずポストできる雰囲気がある。
絵柄が今どきじゃなかったり、個性が強い人は海外のSNSがおすすめだ。
だからまずは一週間くらい投稿して、無名でフォロワーも少ない状態から、自分の絵柄に反応が来る場かどうか?を確認する。
フィードに上がってくる絵や投稿が好きになれないなら、その場は合ってないと判断していい。そういう所で続ける方がストレスだ。
私の場合はそれまでずっと停滞していたPixivのアカウントが、7月に入ってから方向性を変えた途端に突然跳ねたので、現在はpixivに合う作品を重点的に創作し、Xは様子見をすることに方針を決めている。ずっと仲良くしてくれている方と、雑多垢として交流するだけで十分だ。
絵描きになると決めた人にとって、何より大事なのは「発表するのを続けること」だ。
続けないと方向性が定まらない。自分が描きたいものと、得意なことと、求められるもののすり合わせもできない。自分の苦手分野や、何をどう改善するべきかも分からない。
続けるためには、なるべく楽しく、ストレスがない環境に身を置くことだ。
規模や拡散力を気にするより、よく考えたらそっちの方がどう考えても優先順位が高い。だって続けなかったら勝負の場に立てもしないのだ。
もしあなたがXの運用にストレスを感じたり、思ったように数字が伸びないと感じたり、SNSと絵描きの関係についてどう考えたらいいか分からない時は、他の場に移ることをもっと気軽に考えてみてもいいかもしれない。
腕を磨いて、自分の良さを発揮できるようになったら、その時は改めて強ボスがウヨウヨしている最大のSNSで万バズを狙って運用すればいいだけだから。
次回はpixivの停滞からどうやって抜け出したか?どういう考え方をしたか?をまとめられたらと思っている。