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エアブラシ塗装への道のり

僕のプラモデル塗装の遍歴と、最後エアブラシ塗装環境が出来るまでを書きました
前半はただの思い出話なので、エアブラシ塗装を始めるための情報収集で訪れた方は後半の自作塗装ブース製作辺りを見ていただくのがお勧めです


筆塗り時代

ファレホで筆塗りしたバーグラリードッグ

プラモ塗装始めたい!
コロナが始まる少し前、僕は筆塗りを始めた。
それまでは合わせ目消しやラッカーパテを使っての表面処理(今思えば真似事レベル)をして無塗装という、ぱち組よりも見栄えが悪い未完成品を量産してました。
塗装をしなかったのは上手く塗れないとやる気が削がれると思ったから。表面処理で終えればヤスリの跡、パテの数が自分の作り込みの証として誇らしく思えたからです。
塗装を始めようと思ったのは単純で、表面処理終わりでは中途半端だからでした。

筆塗りを始めるにあたって大きな選択として塗料はラッカーかアクリルのどちらを使うかでした。
どちらもメリット・デメリットがある事はネットで調べていたけど結論どっちが良いのよ?と悩んだ挙句にラッカーでの筆塗りでいくことを決めました。
35年前、小学生の時にグンゼ産業から出ていたMrカラーのガンダムカラー3本セットでBB戦士を筆塗りしたことを思い出したのがラッカーを選んだ理由でした。

方針が決まれば準備はあっという間に整いました。
まずは缶サフ吹いて今までやってきた合わせ目消しと表面処理の未熟さを痛感、、削って盛ってサフ吹いてを繰り返して最終的にはサフが厚吹きになってしまってモールド消えて、、、
そんなこんなで、とにかく下地ができたので今度はラッカーでの筆塗り。
筆跡が出るので何度も擦る、すると下地のサフまで溶けて色は濁るし筆跡は消えないし、、、
擦るから溶けるなら乗せるように沢山塗料を筆につけて、、、そんかことしてるとガンダムの顔がエレキテル連合みたいになってるし、、、
結論、”筆塗りはアクリルでやりましょう”に至るまで幾つのキットを闇に葬る事となったか、、、
35年前も同じ結果でBB戦士をいつくも駄目にしたの思い出しましたよ

試行錯誤の末にアクリル塗料に手応えを感じ、クレオスの水性ホビーカラー、タミヤアクリル、ファレホと各社のアクリル塗料を試して、最終的にファレホが自分には使いやすいとなりました(シタデルはお高いので手が出ず)
写真のバーグラリードッグはファレホで初めて塗装したキットです
それから安定した筆塗り生活をおくっていました

エアブラシ塗装はじめました

KUWAHARA KZ-03

BMX塗装をエアブラシで
コロナど真ん中、物置に放置しっぱなしだったKUWAHARA ET 20周年モデル(映画ETでエリオット少年が乗っていたBMXのレプリカ)を手入れしてサイクリングしようとタイヤ、チューブ、チェーン、ワイヤ、ブレーキパッドなど消耗品を揃えていると、車体の錆・傷が気になって全塗装する事にしました。

塗装は缶スプレー前提でとりあえず塗料剥がし、錆落とし、プライマー・サフ吹きまで完了。
ETモデルなので缶スプレーで赤と白のグラデーション塗装を試みたけど、缶スプレーだとコントロールが難しく断念。

ここでエアブラシ塗装にチャレンジする事を決意!
塗装はラッカー塗料、トップコートはウレタンクリアと決めたので圧高めのホビー用コンプレッサーを購入。もちろんチャリ塗装の後はプラモデル塗装で利用する事を前提で。

なんやかんやと試行錯誤ありまして、元のETカラーって主張が強すぎるなって気持ちが強くなり、40超えたおっさんが乗るのでフレームはブラック一色でブレーキレバーやステッカーにゴールドを差し色として、落ち着きある感じにまとめることにしました。周りからはグラデーションしないなら缶スプレーで良かったじゃんってツッコミ多く頂きましたが😝

とにかくチャリのメンテナンスでエアブラシ環境をとうとう手に入れました!

エアブラシ冬の時代

黒船 サスケハナ(制作途中)

いざプラモデル塗装!
チャリのメンテナンスも楽しみ尽くしたので、とうとうプラモデルのエアブラシ塗装に挑戦することにしました!
初めてのエアブラシ塗装に選んだのはアオシマさんの1/150 黒船です。写真だとサイズ感分からないと思いますが全長700㎜の大型モデルになります。

10月ごろから制作を開始して年内の完成を目指して、息子と二人で作る事にしました。
キット自体はかなり古い金型ですが、大きな歪みもなく組み立てることが出来ましたが、水車部分などパーツ数が多い箇所もあり作りごたえあるとても良いキットでした。

楽しみにしていたエアブラシ塗装ですが、とにかくキットが大きいので塗装場所の確保が最大の難点でした。
近くに秋葉原工作室みたいな制作スペースがあれば良いのですが、そんな都合よくもいかず、実家のガレージを間借りして塗装をする事にしました。
屋根もあるし、電源も取れるし、半分野外なので換気も問題ないので、多少の埃っぽさは気になりますが上々の環境を手に入れる事が出来ました。ある問題を除いては、、、

ガレージ塗装ブース

初めてのエアブラシ塗装、メチャメチャ楽しかったですよ。
キット指定のクレオスの塗料を揃えて、塗り分けはマスキングして、色ごとの隠蔽力の違いなんて知らなかったから思うような発色しなかったり、色々と勉強させてもらいました。

引っ張りましたが環境の問題ですが、写真の通りコンクリート打ちっぱなしの半分野外で10月から12月の冬、塗装が楽しくて何時間も作業をしていると、とにかく体が冷えるんですよ!
その時息子と思いました。室内で塗装できる環境を作ろうと。
ほんとエアブラシ冬の時代でした😝

塗装ブース選び

正月休みに息子と二人で塗装ブース購入に向けて情報収集。調べるうちに自作って選択肢もある事を知りました。
結論、僕と息子は黒船作成からのモノ作りって楽しい!と気持ちの高まりもあり、塗装ブースも自分達で作ることにしました。
結果論ですが、僕らが作った塗装ブースは、同等スペックの市販品と比べると、制作のために購入した工具なども含めると、費用的には高くなりました。
ただ、手作りの楽しみや、塗装ブースの仕組みが理解出来たことを考えると市販品を購入するより得るものが多かったと思っています。
以降は塗装ブースを入手する時の僕が思うスペック要件や自作する時のポイントを書きます。

サイズについて
市販ブースの多くもそうですがブース内は500㎜ x 500㎜ x 500㎜位がちょうど良いと思います。
先に書いた黒船は船体が700㎜程度になりますが、こんな大型キットを作る事は稀なので、作業性と場所の占有率のバランス考えるとこれくらいのサイズがベストと思います。

動作音について
動作音、騒音ですがファンの動作音が40Db以下なら特に気にしなくて良いレベルと思います。
互換ブースなど60Dbを超えるものは実物を確認して、近隣環境などを考慮して選んだ方が良いと思います。
コンプレッサーと違いファンは常に音を発生する上、耳に近い場所にあるので良く選んだ方がいいと思います。
僕が使っているパナソニックの換気扇FY-27CK8や自作の人達に人気なFY-24BM6Kなど、埋め込み用換気扇は元々住居環境に設置される物なので騒音への考慮もされているのではと素人ながら思います。

風量について
僕が使っているFY-27CK8は強340㎥/h、弱240㎥/hが切り替えられる仕様になります。
個人的な感想だと340㎥/hあれば十分、240㎥/hだとミストが溢れてる?って時がありました。
ただ、自作の塗装ブースなのでエアフローに関してはまだ改良の余地があり、換気扇のポテンシャルをただ引き出せていない可能性も高いので、そのまま市販品のスペックとは比べられない事は注意が必要です。
エアフロー設計の影響は後述します。

僕の換気性能推奨スペック
まとめです
◾️風量は240㎥/h以上、出来れば300㎥/h以上がお勧め
◾️騒音40Db以下
◾️ファン部分が簡単に取り外せる
◾️換気扇の材質は金属でも樹脂でもOK

まずファンはメンテナンス性が高くなるので簡単に外せるのがお勧めです。もちろん塗料をそのまま室外に出すのは絶対NGなので換気扇にはフィルターを着けますが、それでも換気扇内にはどうしても塗料の粉は溜まります。その時に分解洗浄出来ると良いです。
あと、溶剤は換気扇に来るまでに揮発してるので筐体が溶けるなども無いとおもうので、樹脂でも問題ないと思います。気になる人は金属製が良いと思いますが重量も重くなるのが難点ですかね。あと金属製の方が値段が高いと思います。
参考として僕が使っている換気扇のスペックシートのリンクです。

塗装ブース製作

ここからは塗装ブースの製作過程です。
今回、ブース部分は910㎜ x 1820㎜の木板をホームセンターでカットしてもらい使いました。
塗装ブースを自作してるしてる人たちはMDF材を使うのが多いみたいですが、なんとなく強度が心配だったので合板を利用しました。結果的にはMDF材で全然事足りると思います。

塗装ブースで一番大事なのがエアフローの調整です
ポイントは3つになります

①吹き返し防止に上部に板をつける
②吸い込み性能を上げるために負圧を利用する
③ファンの気流を整える

まず①ですが、ブースの箱上部に100㎜くらいフードをつけてください。それだけでエアブラシのミストがブース上部から溢れ出なくなります。僕はフードの裏にLEDライトを取り付けています(おすすめ)。

②の負圧ですが、要は吸い込み口を狭めると吸う力が上がるって話です。僕は2枚の板を使って上下、真ん中の3ヶ所から吸い込まれるようにしています。
この板の塩梅で全然吸い込み性能が変わるので試行錯誤が必要になります。僕はダイソーで売っている450㎜幅の発砲スチロール板にアルミテープを巻きつけたものを利用しています。
両脇にウレタンテープをつけて隙間の調整していますが、板を釘などで固定していないので位置調整も容易で、ファン掃除する時に板を外すのも簡単だし、汚れたら捨てればいいのでいい事だらけでした。

ファンの逆流対策

③のファンの気流を整えるですが、手入れの関係上塗装ブースの上部に換気扇の内径と同サイズの穴を開けて設置しています。ただ、このままだとファンで起きた気流が全てダクト側に流れずブース内に逆流しました。この逆流を抑えるために換気扇口を小さくすることでスムーズにダクト側に空気が流れるようになりました。
これは使う換気扇にもよると思いますが、吸い込みが悪い、空気吸うはずなのに逆に吹き出して来てる?とおもったら逆流の可能性が高いので、吸い込み口を小さくするなど調整を行なって下さい。

あとは機密性のためにブース内の隙間をパテで埋めるのと、換気扇とブースの間にゴムテープを挟んで密着性と振動対策をしています。

排気ダクト製作

塗装ブースを設置できるかの大きな判断材料に排気ダクトが設置できるかがあります。こればかりは住居環境に依存しますが、僕の環境では窓枠にピッタリはまる板を用意して換気用の穴を開けています。換気性能を極力落としたくないのでダクト長も2m以内にしてダクト径も絞らないようにしています。

排気ダクトは塗装する時だけ窓枠に設置していますが、外から虫が入ったりしないように網をつけています。さらに塗装カスが外に出ないようダクト中にスポンジ状のフィルタを設置しています。住居環境、近隣への配慮は十分する必要があります。

安全性への配慮

自作情報を発信する際に最後は自己責任になりますで締めくくると思いますし、当然この記事の内容も自己責任で参考にして下さいなのですが。
僕が行っている安全性に対する対策・対応を記載します。

換気扇の配線について
換気扇の配線は電気工事士の資格がいるとなっています。これは壁裏の電線から配線する場合の前提があるのかもしれませんが、コンセントから配線するから資格がなくてもOK、安全ですってのも違うと思っています。

僕の場合は、親族に電気工事士の有資格者がいたので、作業を見守ってもらいながら、圧着端子を付け、さらにハンダで固定、絶縁チューブ・テープをしました。皆さんも自作する際は街の電気屋さんに配線だけやってもらうなど安全への配慮はしていただければと思います。

あとは何か起きた時の備えとして、簡易消化具を塗装ブースの横には常備しています。元々、家庭用の換気扇は溶剤を排出するためのモノではないので引火が一番気になります。僕は消化具の設置と、使ってない時はコンセントから外すようにしています。

だいぶ長々書いてしまいましたが、僕の塗装ヒストリーでした。
ありがとうございます

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