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なにも作る気がしない日は #うちの瞬殺飯

今日、ご飯つくりたくない……

という日がある。生きていれば必ず通る、もはや自然現象みたいなものだ。

作りたくないといっても、我が家には6歳の育ち盛りの子が一人。夫は自立した38歳児だから放っておいても良いとして、娘を空腹にするわけにはいかない。

そんなときの選択肢は3つ。

1. 外食

お金の力で解決する力技。

しかし残念なことに、私が住んでいるのはニュージーンランドの地方都市。外食の選択肢が少ないうえに、高い。それなりに流行っている中華料理屋さんは、大皿が$30~$40(2100円~2800円)。まあ、おいしい。でも、餃子の王将に行きたい。

おまけに、夫はデイリーフリー&グルテンフリー。食べ物によっては、お腹が痛くなる。結果、お金を払った割りには得られる満足感が足りない。よって、我が家では外食を選択することは少ない。

2. 夫が作る

私が作りたくなければ、夫が作ればいいじゃない」の理論で夫がキッチンに立つこともある。

夫は職業:シェフなので料理の腕は問題なし。昨日は豚フィレ肉600gの前で、私が「なにつくろう……」と頭を空白にしていたら、いくつかのスパイスを混ぜておいしいカレー味の豚肉に変身させてくれた。

夫が料理する間、私は娘と遊んだり部屋を片付けたりする。家庭内の配置は適材適所で。みんながハッピーになれる選択肢。

3.「デリ」にたよる

夫が作ればいいじゃないと言っても、仕事の時間だったり、疲れていたり、お互いに「作りたくないね」という日がある。わざわざ外に食べに行く気にもならない。そんなとき、我が家が頼るのがスーパーの「デリ」だ。

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ただ、ニュージーランドのデリは私たちの味覚と合わない

オリーブはしょっぱすぎるし、カボチャのラザニアはクリームチーズの味が濃すぎる。ライスサラダにいたっては、米に芯がある。食文化の違いをひしひしと感じる瞬間だ。もちろん、味の好みは人それぞれなので、これが好きという人がいるのは承知している。

私がデリコーナーで頼りにしているのは、チキンの丸ごとローストだ。

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日本でも、コストコでロティサリーチキンというおしゃれな名前で売られているやつ。クリスマスの食卓に登場しそうなアレは、ここでは日常アイテム。

中くらいサイズで$12ぐらい。未調理のチキンが安くて$8前後なので、手間と電気代を考えると、お買い得である

専用オーブンで焼き上げられているからか、肉があまりパサパサしない。おまけに、塩と胡椒少々のハーブのみというシンプル調理だから、安心して食べられる。物足りなければ、冷蔵庫にあるBBQソースやマスタードを足せばいい。

ミニトマトと、洗って使えるベイビースピナッチ(ほうれん草)を買えば、サラダの完成。

娘のリクエストがあれば、スーパーでピザも買う。オーブンに突っ込むだけで完成する大きなピザが$6。

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私のお気に入りは、チキンとクランベリーのピザ。クランベリージャムの酸味と甘さがおいしい。

グルテンフリーの夫はピザを食べられないので、家にある冷凍ご飯をあたためる。ご飯のストックがない日は、冷凍ポテトをオーブンで焼く。

これに冷えた白ワインかロゼがつけば、気分はもうパーティーだ。


帰宅して30分、オーブンにピザとポテトをつっこみ、ミニトマトとほうれん草を洗ってボウルにいれ、チキンを切り分けてお皿に出す。気力が残っていれば、味噌汁をつくる。娘がシャワーを浴びている間に、夕飯が完成。

労力がほぼゼロで、家計にもやさしく、しかもおいしい。完璧だ。

娘がいまよりも小さい頃は、大変でも時間をかけて料理していた。

アジをおろして南蛮漬けにしたり、手作りおからからチキンナゲットをつくったり。なぜ、そんなに手間をかけていたのか。振り返ると、「育児で疲弊した自分のメンタルを、手間暇かけた手料理で癒したい」欲求があったと思う。

あの頃は、料理や掃除が自己を肯定する場になっていた。

いまだって、時間をかけて料理を作るのは好きだ。「おいしい」って言葉が聞けるのはうれしい。

料理というスキルが、生きていくための基本スキルで、一緒に暮らす人を幸せにするなあという考えは変わりがない。

ただ、なんかちょっと肩の力が抜けたなというか。家族が笑顔になるなら、そこまで手段はこだわらなくてもいいな、みたいな。手作りでも、外食でも、出来合いでも、おいしく食べられるなら何でもいいな。そんな風に思いながら、今日は何を食べるかなあと考える。


▼ちなみに、タイトルにある「瞬殺飯」とは……

・作るのが瞬殺(すぐできる)
・食べるのが瞬殺(家族が喜んで食べる)
という2つの瞬殺を叶えるもの。
30分で作って、30分以内に食べ終わることを目指したい。by ありのすさん

▼本記事は、ありのすさんの #うちの瞬殺飯 企画に乗っかったもの。


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