山高帽は武具にならんだ【埴輪紹介所その98】
なんてシンプル。
この思い切りのよいあっさり感。
目的以外は大胆に省略するあたり、埴輪らしいかも。
しかしなぜ帽子だけ作ろうとしたのか。
冑は、甲と組み合わせられて埴輪となっている。あるいは武装した人物埴輪がかぶる。
帽子だけの埴輪。なぜなのか。
山高帽。だいぶ高さがある。
それをさらに円筒の上に乗せ、高く掲げる。
作りかたとしては、円筒につばを付けたのでしょう。
天辺は閉じてある。
つばの付け根に紐が巻かれている。
側面にまるく孔を開けている。
神奈川県横浜市保土ヶ谷区の瀬戸ヶ谷古墳出土の帽子形埴輪。高さ109.9cm。
所蔵は東京国立博物館。
撮影は東京国立博物館にて。2017、2020年その他。
瀬戸ヶ谷古墳からはユギ形埴輪も出土している。
大刀形埴輪と盾形埴輪も。
ユギ・大刀・盾ときたら、冑が来そうなものだ。
それにもかかわらず、意表を突いて帽子が選ばれた。
帽子は武具と並列される物だったのか?
中央奥のナナシ塚古墳出土の男子埴輪も山高帽をかぶっている。
またね。
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