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その美は一体化による【埴輪紹介所その9】

シルエットの美しさでは、ほかを寄せつけない。
しかも美しいだけではない。

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ほほえみかけてくる。

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上のほうだけ見たら二重口縁だし、壺のようにも見える。

だがこれは壺ではない。

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下のほうはただの円筒埴輪のようだが、単なる円筒埴輪とはちがう。

これは「朝顔形円筒埴輪」である。
といっても、朝顔がモデルではない。
大きく口をひらく壺とその台とが一体化したものと考えられている。

ところで、くびれの下に小さい孔あり。修復で埋めていないということは元からあったことになる。何のための孔?

語るべきことを多く持っている埴輪。

岡山県岡山市の金蔵山(かなくらやま)古墳出土の朝顔形円筒埴輪。高さ89.7㎝、口径47.1㎝。
所蔵は岡山市埋蔵文化財センター

金蔵山古墳からは、ほかにも多くの埴輪が出ています。

撮影は2019年、「発掘された日本列島2019」展(江戸東京博物館)で。

ちなみに「発掘された日本列島」展は毎年日本各地(5か所くらい)を巡回する文化庁による展示。

ではまた。

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