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ここ掘れわんわん【埴輪紹介所その61】
右目の切り口が甘い。
そして
お腹が
ない。
しっぽも
ない。
したあごも
ない。
窯跡から出土、ということは?
完成品を置きっぱなしにしたのか。それとも。
解説員さんによれば
「どちらかというと失敗作です」
「成功した完成品はどこかに運びだされたようです」
ああ… やっぱり…
いや、失敗したから窯に放置されたとは限らない。
他に考えられる理由。
乾燥が十分でなかったので焼成時に壊れた、
折れた・欠けた・ヒビが入った、
単に形に満足できなかった、
予備用にいっぱい作ったら余っちゃった、とか。
なんにせよ、埴輪のステージである墳墓にたどり着けなかった。
だからこそ思う。
それでもかわいいって、すごい。
ところでモデルは何犬でしょうね。
いわゆる日本犬なのでしょうけども。
失敗作だけが見つかって、未来人の前に展示されている。
成功したものは未だ出土していない。
この不思議。
人に運命があるように、埴輪にも運命があるらしい。
成功した犬形埴輪がどこかにあるかも。そっくりだったりして。
もし成功作が見つかって、失敗作と比較したら、出来不出来の基準がわかるかも。
どこにいるんでしょうね。
教えておくれ
ここ掘れわんわん。
佐賀県唐津市の仁田埴輪窯跡出土の犬形埴輪。
所蔵は佐賀県教育委員会。
撮影は『発掘された日本列島2012』(江戸東京博物館)にて。
またね。
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