カーディガンをはおって踊る【埴輪紹介所その139】
埴輪の上衣はたいてい左前の一枚物だ。
ところが彼女は
三枚着ている。
上着の上に一枚重ねて、さらにもう一枚はおる。
三枚目は前を開けている。カーディガン?
新しいモードなのか。左右対称も珍しい。
ところで
美人ね。
美人の埴輪は大勢いると思うが、いまひとつ活用されていなくてもったいない。
ヒビが入ってたりするから使いにくいのか。
いや、埴輪の真髄が、美とはまた別のものだからか。
髷は板状だが輪郭は曲線を描く。
額に、というかおそらくは前髪に、櫛。
耳玉あり。耳環(じかん)は取れたか。
両手首に鈴らしきものあり。
腕飾りの残りか。
ほんとうに腕に鈴をつけていたとしたら、もう踊るしかないと思う。
群馬県藤岡市の神田(じんだ)・三本木(さんぼぎ)古墳群のK-10号墳出土の女子埴輪。
撮影は『発掘された日本列島2018』にて。
またね。
お読みいただきありがとうございます。サポートいただきましたら、埴輪活動に役立てたいと思います。