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10 三流大学出身でも研究者になれる

 自分は、いわゆる旧帝国大学の出身ではありません。関東の某県西部に位置する、とあるマンモス私立大学の卒業です。まあ、ネットでは「三流大学」のレッテルが張られていますが、お世辞にもものすごく優秀な大学ではありません。「優秀」の定義づけは難しいのですが、偏差値で言えば私の出た学部は50から55前後といったところでしょうか。
 私はかつての国公立の共通一次試験で失敗し、そのすべり止めとしてこの大学に入学しました。両親に比較的財力があったので、それに甘える形でこの学校で学部から大学院の博士後期まで在学しました。約8年ほど在学したのですが、今までの自分の人生でこの8年間ほど熱心に勉強した時期はありませんでした。一流大学での入学を果たした同世代の友人たちは、入学と同時にほとんど遊ぶ毎日。自分は、この三流大学で勉学三昧の日々を過ごしました。
 そこでとある学会でも著名な先生と出会いました。出会ってから、自分なりに試行錯誤して研究方法を体得していきました。修士課程を修了し、博士課程に在学中、国費でとある東南アジアの途上国へ留学しました。そこで学位を取得し、帰国後紆余曲折はありましたが、研究業績を蓄積し、ついに大学にポストを得るようになりました。
 研究者になるには、出身大学は関係ない、というのが私の持論です。どれだけの研究上の蓄積があるかが重要なのです。

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