朝焼けを待っている。
明けない夜はない、止まない雨をない、なんて苦しんでる人に他人は言うけれど、極夜の様にずっと夜のまま続いてしまうことだってあるはずだ。なんならそのまま心が根を上げて終わってしまう、ことだってある。傘を差す前に風邪ひいてぶっ倒れたり、凍え死んでしまうことだって。
なんとなく嫌、が積もりに積もって逃げ出して、その先でもまた積み重ねてしまって、また逃げて、を何度繰り返したことだろう。
暗い夜に生きていると光がどうも苦手になってしまうらしい。前を向いて頑張っている人を見ると羨ましくも疎ましくも思えてしまう。他者ならず、自分が頑張ることに対してもその眼差しは向けられる。自分で自分を苦しめるのだ。
苦しんでもがき続けていると窓の外の季節が幾つも移ろっていることに気付けず、たいせつなこと、人が手からこぼれていって、そっと消えて忘れてしまうのだ。
そうならないために、繋ぎ止めておかなきゃいけないのに、それがどうしても出来ず、そんな自分が嫌になってどんどん暗い底のない穴に落ちていく。
そんな暗闇の中でも手を差し伸べてくれる人の優しさと光に安らぎを覚えて、また前を向いて進むしかないのだろう。見えない様な微かな光でも、必死に見失わない様に目を凝らして、大切に守って進むのだ。きっと暗ければ暗いほど光は見えやすいはずなのだから。
そう思いながら、今日も暗い部屋の布団の中で窓から朝焼けが差し込むを待っている。