君は全てだったんだよ。
好きだった人が結婚した。
それ以上でもそれ以下でもない。ただそれだけ。
なのに自分の心はなぜこうも締め付けられているのだろうか。
あの人にはしっかりとフラれて何年も経つというのに。
締め付けられて初めて知る。あなたをまだ好きだったと。
あの頃に戻れたとしたら。いや、せめて昨日にでも戻れたとしたら、私の魅力を見せつけて引き止めたい、そう思ってしまった。
今日も定時で帰れそうにない私はコンビニ弁当を見てため息をつく。
あの時あなたと恋仲になれなかったのだから、どうせ戻ったところで何も起きない、それどころか惨めになるだけなのだろう。
君が教えてくれたあの曲は私のファイトソングになっているんだよ、知ってた?
知らないだろうね、だって誰にも言ってないのだから。
君と見たあの映画。半券は今でも大事に取ってある。
捨てられないたいせつなものを抱きしめて今日もパソコンに向かう。
終わりは予想してたよりも残酷で、でもどこか予想通りで、そっちの方が残酷だった。
幸せになってね、なんて君に伝えたらどんな顔をするんだろうか。
やけに今日はタバコの煙が目に染みる。
さよなら愛しかった人よ、明日もお元気で。
君は私の青春全てだったんだよ。