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【日本株】円安ストーリーは修正するべき? それとも、引き続き健在なの?

少し前に「円安」を想定した note を書きました - とても「マヌケ」だったなと思っています。

「後編」を投稿した前後から、ドル円は大きく円高に振れ、日本株は急落しています。

よって、そのレビュー(振り返り)をしておくべきだろうと思い、この note を書いています - 再び、外す可能性がありますので、「そんな風に考えている人もいるんだ・・・」程度に読んでいただけると嬉しいです。

では、早速。


1.相場急落の原因と、今後。

まず、この2週間の相場急落の原因分析をした上で、「じゃあ、今後はどうなりそうか?」について考えてみます。

今回の日本株急落の原因は、(直接的には)① 米国のハイテク株の下落と、② 円高の進行です。

問題は、どうして①と②が起こったのか? と、今後はどうなりそうか? です。

①ですが、7/11に少し下げているのと、7/17以降に大きく下げています。7/11の下げについては、正直、原因はよくわかりません。一方、7/17以降の下げは、バイデン政権が新たに打ち出した対中貿易政策の影響です。

②については、7/11は政府・日銀の為替介入。それ以降は、(河野大臣や茂木幹事長の発言と言われていますが、それよりも)資産クラス全体のボラティリティが上がったため、多くのヘッジ・ファンドが(リスク管理のために)保有するポジション(円ショート)を減らす必要があったためではないかと思っています - そのために、多くの円ショートのポジションがアンワインド(巻き戻し)され、急激な円高になった、と。

以下は、直近1ヶ月のVIX指数(S&P500をベースにしたオプションのインプライド・ボラティリティ)と、日経平均のボラティリティです。どちらも、直近、急速に高くなっています。

VIX指数の推移 - 過去1ヶ月
日経平均のボラティリティ - 過去1ヶ月

ボラティリティが高くなると、「その分、万一の場合の損失の額」が大きくなってしまいます。なので、ボラティリティの上昇にあわせて、保有するポジションを縮小して、「想定される損失額」を一定以下に抑える作業が必要になります。グラフのように、急速にボラティリティが上昇したので、保有ポジションも急速に縮小されたのではないかと考えます。

以下は、シカゴ・マーカンタイル取引所に上場している通貨先物(International Monetary Market, or IMM)の建玉の推移です。

シカゴ・マーカンタイル取引所のドル円の建玉

緑色の棒グラフが「ドル円」の建玉で、「下向き=円ショート」です - かなり大きな円ショートが積み上がっていたところに、上記の「ボラティリティの上昇」があり、円ショートのポジションが手仕舞いされたのが直近の1週間だったと考えます - この手仕舞いの量が大きいために、円高が一気に進んだ、と。

と、いうことで、①については「半導体企業の業績を、継続的に抑える可能性がある」内容。一方、②は「一時的な要因」だろうと解釈しています。しかも、「円安になりやすい土台」はまったく変わっていません。

よって、(ドル円については)引き続き「円安」基調は変わらないため、「円安で恩恵を受ける日本企業」には投資妙味があると思います - むしろ、この1~2週間で大きく下げたので「買いのチャンス」のように感じます。

※ 繰り返しになりますが、外れる可能性がありますので、ご注意ください。

2.2週間の騰落率を整理します。

以下、「後編」でご紹介した銘柄について、投稿日(7/12)から7/26までの騰落率をグラフにしてみました。

騰落率 - 7/12 → 7/26

日経平均が▲8.6%、TOPIXが▲6.7%。銘柄の中で最大の下落はアルバックで▲17.4%、最小は三菱重工業で▲3.6%です。

ドル円は▲2.1%の円高ですが、7/12は前日に為替介入があったタイミングでしたので、為替介入による円高分も含めると▲4.0%ほどになると思います。

上記のように、「円安の基調は変わらない」が個人的な考えです。

但し、「いつ、160円の円安に戻っていくのか?」「160円を超えていくのは、いつになるのか?」といったタイミングは(残念ながら)わかりません。特に、政治的な発言や(大統領選挙という)大きな政治イベントもありますので、一筋縄ではいかないもしれません。

ですので、上にも下にも、ある程度の振れ幅を想定しておくのと、それに耐えられる範囲でポジションを取ることが大切なように思います - それに、万一の時の「損切りポイント」を決めておくことも。

ちなみに、グラフの下落率は「万一、相場が崩れた場合、どの銘柄が、どれくらい下落するのか?」の参考になると思います - 但し、異なる理由で相場が崩れた場合には、また異なる下落率になる可能性がありますので、あくまでも「ひとつの事例」としてご理解ください。

こんな感じです。

引き続き、「ドル円」や「投資妙味がありそうな企業」などについて書いていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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