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【ひと言】今日(9/4)の日本株の下落は、8/2と同じパターン!

本日(9/4)、日本株が大きく下落しましたが、その下落パターンは8/2と同じなので、そのあたりのことについて感じたことを書いてみようと思います。

ポイントは、アメリカの景気後退で最も影響を受けるのは日本株(のよう)だ! という点です。

8/5(月)、日本株を含め世界中の株価が大暴落しましたが、その前週の金曜日(8/2)もそこそこ大きな株価下落になっていました。

日経平均株価の推移 - 2024年6月5日~同年9月4日

8/2の日本株の下落パターンは、①前日のアメリカ市場で発表されたISM製造業景況感指数(以下、ISM指数)が弱く、「アメリカの景気後退懸念」が台頭、②それにマイクロソフトやインテルなどのテクノロジー企業の決算が悪かったことが加わり、アメリカ株が大きく下げる、③それを受けて日本株が大きく下落した、といった流れでした - あわせて、④円高が進んだことも日本株には大きな逆風でした。

今回(9/4)の日本株の大きな下落も同じパターンです - ①ISM指数が弱かった、②AIに関する厳しい見方が出てきてエヌビディアが大きく売られる、③それを受けて日本株が大きく下げる - ④円高も同時進行で進んだ。

日本経済の主要なエンジンは4つで、①国内の個人消費(=現在、とても弱い)、②国内企業の設備投資(=緩やかな回復)、③中国の需要(=弱い)、④アメリカの需要(=強いのが”前提”)です。

「強いのが“前提”」になっている④アメリカの需要が「腰折れする」というのが、日本経済にとっては大きなリスクと見られているのだろうと思っています。

以下は、日経平均、ダウ工業株平均、S&P500、ナスダックの7/1、8/5、9/4の数値です - 比較しやすいように「7/1=100」と指数化しています。それから、日経平均だけは9/4終値ですが、アメリカの指数は現地時間の9/3終値です。

日米の主要株価指数の推移

グラフの通り、一番下がっているのは日経平均 - 7/1のレベルを回復していません。

ナスダックも同じ感じです - バリュエーションの高いテクノロジー企業に、やや慎重な見方が広がっている感じでしょうか・・・。

ダウとSP500は7/1の価格を上回っています。(高いバリュエーションのテクノロジー銘柄は別として)アメリカ企業への収益期待は引き続き強いということだろうと思っています。

ちなみに、先月と今月で震源地になったISM指数の推移をグラフ化しています。

ISM製造業景況感指数の推移 - 2020年1月~2024年8月

ポイントは2つで、①2022年11月から「50割れ」が続いている(=50が好況・不況の分かれ目)、②直近5ヶ月は下落トレンドになっている - 8月は対前月比で若干上昇(7月46.8 → 8月47.2)しましたが、事前の市場予想(47.5)は下回りました。

ISM指数とは、製造業の景況感を表す指数です(詳細は以下)。グラフの通り、2022年から下落トレンドで、2022年11月からは好況・不況の分かれ目となる50を下回っています。FEDによる利上げが2022年3月から始まったので、その影響を大きく受けているのだろうと考えます。

<ISM製造業景況感指数>
製造業の受注、生産、雇用の状況を調査している指標。製造業(300社以上)の購買・供給管理責任者を対象に、現在の業況は「良くなっている」、「同じ」、「悪くなっている」の三者択一の調査で、数値が50以上だと全体として「良くなっている」、50だと「同じ」、50未満だと「悪くなっている」となる。

野村證券のHPから引用

ただ、ISM指数は、FEDの利下げが始まれば、再び回復してくるのではないかと思います。

アメリカの金利は現在、短期金利が5.5%、10年債の金利が3%台後半です。一般企業が資金調達する場合、それに数%のスプレッドを乗せた金利になります。景気にブレーキがかかるのも当然だと思います。なので、金利の低下は大きな追い風になると思います - それにアメリカの最終消費は引き続き強いので、そこが牽引するのではないかとも思っています。

実際、8月のISM指数でも、数値自体は(前述の通り)若干ですが上向いています。また、ISM指数の中には「雇用」という項目もあるのですが、それが7月の43.4から8月は46.0へと上昇しています - 製造業に雇用を増やす雰囲気が出てきたということかと。

と、いうことで、「アメリカの景気が後退するかも?」という懸念は、日本株に増幅したカタチで伝播しているようです。今後も同じようなことはあると思いますので、その度に「日本株が大きく下落する」という局面があるかもしれません - 個人的には、業績が良い企業を安く買うチャンスだろうと思っています。

こんな感じです。

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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