見出し画像

【日本経済】5月の全国消費者物価指数を振り返る。

先週の金曜日(6/21)、全国の消費者物価指数(5月)が発表されましたので、その結果を(簡単に)まとめておきたいと思います。

言いたいことは、少し前に書いた「東京都区部の消費者物価指数(5月)」と同じです。

全国の消費者物価指数(5月)は対前年比の伸び率で、総合2.8%、コア2.5%、コアコア2.1%。

対前月比だと、0.5%、0.5%、0.1%でした。

生鮮食品とエネルギー(電気料金)の上昇が大きく、それが総合とコアを引き上げました - 生鮮食品は(対前年比)+8.8%、光熱・水道は(同)+6.6%。

一方、それらを除いたコアコアは確実に上昇率の鈍化が鮮明になっています。

よって、やはり「国内経済は弱く、国内発の物価上昇はほとんど鎮静化している」という感じです。

以下で、消費者物価指数(CPI)の詳細をグラフでおさらいしています。

まずは、過去2年間のCPI指数の動向です。「2020年=100」とした指数になっていますので、3年半の間に6.6%~8.1%の物価上昇です - 結構、大きいですよね。

総務省発表の全国消費者物価指数(5月)より数字を抜粋

過去2年間の消費者物価の上昇率を「6ヶ月毎」に分解したのが下記のグラフです - CPIの基調が見やすくなります。尚、上昇率は「6ヶ月の上昇率」です(年換算していません)。

総務省発表の全国消費者物価指数(5月)より数字を抜粋
総務省発表の全国消費者物価指数(5月)より数字を抜粋
総務省発表の全国消費者物価指数(5月)より数字を抜粋

コアコアで見ると、上昇トレンドが鈍化しているのがよくわかります。

以下は、CPIを構成する各項目の上昇率です。「上」のグラフは各項目の単純な上昇率。「下」のグラフはCPIの構成比率を掛けて、CPIへの寄与度といった感じになっています。

総務省発表の全国消費者物価指数(5月)より数字を抜粋

値上りが大きいのは、食料、光熱・水道、家具・家事用品(家具・家電・台所用品など)、被服及び履物(服・靴など)、娯楽教養(テレビ・パソコン・ゲーム機・ホテル代・塾など)になっていますね。

総務省発表の全国消費者物価指数(5月)より数字を抜粋

CPIの構成比率を掛けると、食料のインパクトが大きくなりますね - 年金世帯や低所得世帯には大きな負担になりますね。

値上りの大きかった食料と光熱・水道の「6ヶ月毎」の変動です。

総務省発表の全国消費者物価指数(5月)より数字を抜粋
総務省発表の全国消費者物価指数(5月)より数字を抜粋
総務省発表の全国消費者物価指数(5月)より数字を抜粋
総務省発表の全国消費者物価指数(5月)より数字を抜粋

生鮮食品は上昇が高止まりしています。一方、光熱・水道は政府の補助金があったため、凸凹が激しいですね。

こんな感じです。

この note は、特段、すごい結論があったわけではないのですが、「消費者物価は生鮮食品やエネルギーといった凸凹が激しい数値によってややかさ上げされているが、それらを除いたコアコアだと上昇率の鈍化が鮮明だ」という点がお伝えしたかったポイントです。

そして、そのコアコアは「個人消費の実力」を反映するのですが、「あまり強くなさそうだ」という点と。

よって、現在、利上げ議論が活発ですが、無理に利上げをすると国内経済の落ち込みは結構厳しいものになるのではないか、とも - デフレに逆戻りするのが大きなリスクのように感じます。

こんなところです。

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?