今日の夢日記 (12)
それからというもの私があの夢を見ることはなかった。
夢を見なくなってから4年の月日が経とうとしている
わたしは高校生となり
入学当初から仲良くしてくれているクラスメイト達と楽しい日々を過ごしていた
あんなに衝撃的な最後だったのに
あんなに印象的な仲間達だったのに
気に入り始めていた癖に
時の流れとは残酷なもので
夏になれば思い出す。
夢の世界の不思議なお話。
程度の記憶になってしまっていた。
5月も終わりを迎えようとする頃
「糸!!!おはよー!!!」
「おはよう。神宮寺。今日も元気だねえ。
課題ちゃんとやってきた?」
「げ!!やっべえ忘れてた!!尾代〜!!」
「そんなに毎度課題見せて〜!
とか言ってるとビビ君に嫌われるよ(笑)」
「忘れたもんは仕方ねえだろ!
大体お前が昨日のうちに俺にメールをよこさないのが悪い!!!」
「は?!私のせいなの?!」
「2人とも、今日も仲良しい〜!!」
「尾代!」「ビビ君!」
「朝からハモっちゃうもんなあ〜!」
「うっせえ!」「からかわないで!」
課題を忘れてクラスメイトに泣きついている彼は、
神宮寺 太一(ジングウジ タイチ)
毎日元気。そして何かと私につっかかってくる
がしかし優しいところもあったり
情に厚い人だったりと憎めない奴である。
みんなからは名前を略してジンタと呼ばれている
いつもヘラヘラ笑っている、ゆる〜い彼は、
尾代 龍也(ビシロ リュウヤ)
身長が高くてチャラそうな見た目に反してゆるゆるな癒し系キャラというギャップが可愛いとクラスのみんなからペット的な意味でビビ君と呼ばれている
「ちょっと、うちの糸が可愛いからってちょっかい出すのやめてもらっていいですか?ジンタさん?」
「あー?!?!誰の!どこが!可愛いってんだよ!」
「はいはい。こんなやつほっといて僕と一緒におトイレ行こうね、糸ちゃん。」
「梓あとでしめる、、、!まじで、、、!」
「みんな仲良しだねえ〜!」
この梓こと、鈴谷 梓(スズタニ アズサ)は
中性的な顔立ちの女の子で同性からの人気も高い
女子的には一人称が僕なのも高得点らしい
「アズ〜!!でももうボス来ちゃうよ!」
「いいんです。ボスはゆるゆるなので。それとも糸ちゃんはあのバカジンタと一緒にいたいの?」
ボスこと
志摩 裕貴 (シマ ヒロキ)先生は
私たち2年4組の担任である。
化学担当の先生でいつも白衣を着ている。
担任ということもあり、あだ名はボス。
陽気で少し不思議な先生だ。おネエ疑惑がある(笑)
「みんなおっはよ〜♪
あれれ?鈴谷と藤村は?」
「梓も糸もうんこでーーーす!」
「ジン君、糸ちゃん連れ去られて拗ねてるのお〜??」
「ちっげーよ!馬鹿!そんなんじゃねーし!」
「そっか、鈴谷と藤村はうんちかあ〜♪
健康的な若者だね♡
じゃ、お先に朝礼しちゃおっか!」
私の中でこの4人には共通点があった。
それは、入学してから初めて会った時、
何故か懐かしい気がした。
理由はわからない。
でも、どこかで会った事があるようなそんな気がしていた。
もちろんそんな訳はないのだけれど。
みんな住んでいる場所も違えば、卒業した中学も違った。
受験日に見かけて印象に残っていたんだろうなあくらいに思っていた。
毎日お昼休みになると神宮寺、ビビ君、梓と4人でお昼を食べるのが暗黙のルールとなっており
昼食後は
女子2人で動画を見てワイワイすることもあったし
4人で楽しく他愛無い話をすることもあったし
それぞれがふらっと好きなことをしたりする日もあった
わたしにとって一緒に居て気を使わない居心地のいい場所だった
わたしはその日なんだか日向ぼっこがしたくなり
1人屋上へと向かった
屋上にはベンチがあり
そこに座ってブログを更新しようと文章を打ち込んでいた。
あの不思議な夢の世界をどうにか記録しておく方法はないかと思い
始めたブログだった
タイトルは" 今日の夢日記"
購読者は数人しかおらず
100%ただの自己満ブログだった
そしてあの夢を見なくなってからというもの本当にただの日々の夢日記と化していた。
ブログを開設した当初は
どうにかあの夢を記憶しておきたいと必死に更新していたものの
夢を見なくなってから当初の目的を失い
だんだんと更新頻度も減っていた
この記事を投稿してもうこのブログは辞めてしまおうと思っていた
このブログを開設した経緯や
ブログを閉鎖する理由などを説明し
過去のブログを引っ張り出して
リンクを貼り付ける
この夢が最後となり
私はこの不思議な夢を見ることはなくりました。
今まで購読して頂いた皆様、ありがとうございました!
と打ち込んでブログの更新ボタンを押そうとしたその時
空間が歪んだ