控えめでオープンな大統領リンカーン
人間は生きていくためには前進し続け、他者を味方につけるために楽観主義と自信を必要とします。しかし、問題点を見つけて改善するためには、否定的な考え方と悲観主義が必要です。つまり、成功するには、楽観主義と悲観主義の両方が欠かせないということなのです。
エイブラハム・リンカーンがその良い例です。彼こそは、控えめな自信の長所を体現している。彼は自分と異なる考え方に対してオープンで、提案される戦略内容に精通していられるように、膨大な時間を費やして陸軍省に入る電報に目を通しました。事実、リンカーンは新しいアイデアに非常に関心が高く、特許を持つ唯一の大統領でもあります。
リンカーンは誰に対してもオープンでした。そのリーダーシップに焦点をあてた研究によると、おそらくリンカーンはアメリカ史上、最も近づきやすい大統領であったかもしれないとされています。その時間の75%以上を人と会うことに費やし、また、南北戦争初期に志願したすべての北軍兵士と会ったとされています。
もしリンカーンが現代に生きていたとしたならば、きっとネットワークづくりは友だちづくりという考え方に共鳴していたと思います。「諸君よ、もしあなたが誰かを味方につけたいのならば、まずはあなたが彼の誠実な友であることを納得させよ」とは本人の言葉です。それでは、完全に敵対的な相手には、どのように対応したのだろうか?「友人になることによって、私は敵を滅ぼす」とも言っていたそうです。
リンカーンははたして謙虚だったのだろうか?彼は、何のためらいもなく自分の過失を認めていたので間違いがないでしょう。北軍総司令官、ユリシーズ・S・グラントに充てた書簡でも、素直に自分の非を認めています。「貴殿が正しく、私が間違っていたことを、ここに個人として認めたいと存じます」と送ったそうです。調査によれば、こうした謙虚さは報われます。弱みを示し、自分を過小評価する上司は最も人気があるのです。スタンフォード大学ビジネススクールのフランク・フリンによると、自責の念を抱く人は、同業者から好ましいリーダーとして見られるそうです。また、アメリカ海軍での調査では、人望あるリーダーは、民主的で、話をきちんと聴く技能に優れている人物だとしています。乗員たちは、緊急時を除いて、上官が意思決定に際し自分たちの意見を聞いてくれることを望んでいます。
私たちは、リーダーにナルシシズムの傾向があると勘違いしがちです。また、確かに、ナルシストや自信家がリーダーに選ばれやすい面もあります。ですが、彼らは結局リーダーとして成功はしません。ナルシストの仕事ぶりは、彼らがかっこよく見える機会がどれくらいあるかに左右されます。これは、リーダーとして致命的な欠点です。事態が悪化し、今こそリーダーが求められるというときに、彼らが熱心に仕事をする可能性は低いからです。
実は、人格に問題があってもCEOとして業績をあげる者を選ぶのであれば、ナルシストより依存症の人を選ぶほうが適切な場合もあります。ジョンズ・ポプキンス大学医学部教授で神経科学者のデイヴィッド・J・リンデンによると、常習性のある人間は、ここぞというとき、とことん仕事に打ち込むことを説いています。依存症の人に多く見られる、リスクを恐れず、新奇なものを求める特性や強迫的性格は、職場で業績をあげるのに役に立つことがあります。多くのリーダーの場合、依存症があるにもかかわらず成功しているという見方は間違いで、むしろ彼らを中毒者にしている脳の回路や化学反応自体が、彼らに、仕事で秀でる行動特性を与えているのではないでしょうか。
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