ピック病介護覚え書〜過去の記事まとめ
ピック病の対応覚書。
行動抑制をしない。
行動抑制=言動抑制。
代替えの提案や時間稼ぎも行動抑制。
ちょっと待ってても行動抑制。
倫理的にダメとかではなく病気の特性としてダメ。
全肯定で相槌が基本。うんうん効果。
うなずけない場合には、沈黙。
すると自分で答えを見つけてくれる。
見つけたらまた全力で頷く。
何回も繰り返すと全肯定が伝わり落ち着く。
自分が動くか周りが動いてると落ち着く。
ずっと喋ってるのは、身体ではなく脳と口を動かして自身で落ち着こうとしている行為。
それを止めてはいけない。黙ってて!は行動抑制。
後輩キャラオススメ。いいっすね。
ラップしてきた相手にラップで返して戦うのではなくビートで返す。気持ちよくラップして貰う。ビート=相槌。普通はビートにラップ合わせるんだけどビートがラップに合わせる逆スタイル。すると自分から寝る。うまくラップできないと悔しくて眠れないし落ち着かない。介護職はヒューマンビートボックス
明けスタッフが夜帰宅願望が強いピック病婆様の対応方法を教えてくれた。
何で私家に帰らせてくれないの!
俺だって明日の朝まで帰れないんだよ!
あんたも?
そうだよ。
職員かと思ってた。
職員ならパジャマ着てないだろ!
たしかに。じゃあ明日の朝一緒に帰ろ。
うん。おやすみ。
天才かよ
職員を叩くピック病の婆様。唯一叩かれない若い男性職員を観察。答えが見えてきた。婆様の心は乙女。(大丈夫?俺が守るから)と手を握ったり安心するような声をかけ(一緒にうまいもん食べに行こう)婆様キュンキュン。行動抑制せずに常同行動を促し安心感を与え貴方だけを見つめてる。イケメン介護。
彼は無資格未経験。入社4ヶ月。資格や経験があると婆様を正しい方へ無意識に誘導してしまう。それが反感を買う。わからないからこそ婆様の今ここに付き合えるのかもしれない。80過ぎた婆様を女子高生のように接する彼をマジ尊敬。(私きっと先生に怒られると思う)(怖がらなくて大丈夫。俺を信じて)
目を瞑りやりとりを耳だけで聞いてると若いカップルのように聞こえてきた。そうか。行動抑制せずに全てを受け入れる彼氏になれば叩かれなくて済むんだ。よしやってみよう。ゆっくりと目を開ける。ダメだ。やっぱり僕には80過ぎた婆さんにしか見えねえ。でもビンタだけはどうしても避けたい。研究は続く。
ピック病の人は運動神経抜群。身体は若さが保たれ過ぎている為、自分の老いを認めたり付き合うのが難しいのではないか。元甲子園球児、かけっこNo. 1、毎日10キロ散歩。運動して若さを保っても認知症になれる幸せ。いずれくる認知症にそなえない。何で白いの!自分の白髪に怒ってる。至急美容院予約。
3分に1回外に出ていくピック病のおじいさんがいる。
おじいさんに対して、フラフラしてないで、そこに座っていなさい。といつも注意する認知症のおばあさんがいる。
ある日、おじいさんが通院で、デイサービスを休んだ。
すると、おばあさんだけが気づき
あれ?今日はおじいさん来ないの?
と僕に尋ねる。
フラフラしてるおじいさんがいなくて、注意しなくてすむから嬉しいんじゃないの?
とおばあさんに言うと
そんなことないよ。いなきゃいないで、寂しいのよ。
具合悪くなったんじゃないよね?
と心配していた。
おじいさんもおばあさんも週に6日、同じ日に、はいこんちょに来ている。
僕らにはわからない2人だけの関係があるのだろう。
愛の反対は憎しみではなく無関心だ。
と言ったのはマザーテレサだが、
僕に教えてくれたのは、
認知症のおじいさんとおばあさんだ。
だから、僕の結論はこうだ。
介護を教えてくれるのは、
マザーテレサなんかじゃない。
グランドマザーの照れさ。
話してる相手と同世代になっちゃう82歳ピック病婆様。僕と話してる時に年齢を尋ねたら40歳と答えた。でも今日尋ねると80歳と答える。僕の年齢を尋ねてみると(私よりだいぶ若いよ)だよねえ(だから70歳でしょ)誰が70やねん。相手の年齢に近づいたり自分の年齢に近づけたり年齢も動き回ってるんだなあ。
ピック病婆様が朝4時にご飯炊くと言い出した。夜勤者は行動抑制すると怒るのを知っているので「ですよねえ」とご飯を炊いてもらう。ピック病は前頭葉が萎縮してる為行動や情動が抑制できない。だから僕らは問題行動に対して正さず流さず受けとめてボケで返す。ちなみにこの婆様、朝はパンしか食べない。
医療的人間観への抵抗。ピック病婆様。夜中にマスク姿の僕を誘拐犯だと勘違いし猛烈に叩く。身の危険を感じマスクを外し丸腰だと両手をアピール。あなたの敵ではない。私は味方だ。依頼、夜勤者のマスクは廃止に。いつかなるコロナ感染よりも今日の夜勤者の安全を優先。長生きしたら認知症になりたい。
ピック病の婆様の困難事例を相談したら有名な仙台の在宅医療チームがzoomケース検討会を急遽開催してくれた。医師やケースワーカーが関わり方や薬の助言以外にも共感や継続支援の言葉をくれて心強かった。介護と医療連携最前線。目の前にいる1人のお年寄りが接着剤。苦労話のシェア。責任の分有。
第1会議開催。最後に全員がアウトプット。機能訓練士がピック病の婆様とドライブで公園の駐車場に停めたら窓あけて地域の人に、助けてー!誘拐されてる!と叫ばれて気まずいから車出そうとしたらバッテリーが上がって大ピンチ。早く出せと婆様から座席蹴られて超大変だったと話をしたら全員が大爆笑。
ピック病婆様が出かけたいって言うから車用意したのに、やっぱり行かないと言い出し、行かなくていいよと中に入るとやっぱり行くと外に出てやっぱり行かないと中に入る。これを30分繰り返す。結局やっぱり行くとドライブへ。職員が当たり前に行動抑制せずに付き合い続ける姿に感動。認知症介護の最前線。
ピック病ケア最前線介護職が贈るブルースへの手紙①自分が動いてるか周りが動いていないと落ち着かない。昨日はピック婆様にアイス投げられムカついたからティッシュ20枚を1枚ずつ投げ返してやったぜ。ユラユラ落ちていくティッシュが気になり全部拾ってるうちに落ち着いた。僕らの介護はダイハード。
食欲なかったピック病爺様にあの手この手使ったら2週間で食事量が復活した。介護職すご。
お泊まりのピック病の爺様。明らかに飲み込みが悪くなり状態低下。お迎えが来るかも。職員家族ケアマネ医師に伝える。過去に出逢ったピックの人達は頭も身体も他者の倍以上動いて人生を謳歌してるので一度状態が落ちると一気に亡くなる可能性が高い。毎日見て触れて嗅いで喋って聴いてきた者の実感。
ピック病介護覚え書12
ドライブ中怒り出す婆様の対応方法を、いつも楽勝で介護してる男性職員に助言貰う。全部うなずくとトラップかけてキレるのでスルーしながら適度に頷くと楽勝ですよと。言われた通りにやってみる。楽勝だった。すげえ。薬や受容よりスルー&レスポンス。反応しないという反応。
ピック病介護覚え書10
ピック病は医師が診断するのは難しい様子。僕らがピック病と呼んでいる人達の半分以上は診断されていない。生活行為を観察しピック病介護が向いてると現場判断。病名が合ってるかどうかよりも落ち着いてるかどうかの方が重要。認知症全体の1割程度の理由は診断が難しいからかも。
ピック病ケア覚え書8
常同行動を好む為、常同行動を好む介護職とは逆に相性が合わない。なぜなら互いにいつもと違う行動をしたくない為行動抑制してしまう。前頭葉が萎縮し我慢ができずカットなり反射で手が出る。社会性が欠如しお金を払わずに万引きしてしまう場合も。お経は目を瞑っても唱えられる。
ピック病介護覚え書14
トイレの前で待ってるから大丈夫と婆様。絶対どこにも行かないでよと念を押して用を足しすぐ戻るとどこにもいない。やられた。大声で叫び見回すとトイレの裏でバッグ持ち隠れてる。大声で泣き真似したら、もっと大きな声で、みんな見てるんだから泣くんじゃないわよ!とガチギレ。
スタッフに尋ねたら、ちょっとでも機嫌悪い時は機嫌良くなるまで絶対に車から降ろしません。自分からトイレしたいと言わなければ絶対トイレに誘いません。人の出入りが少ないトイレへ連れて行きます。籠城しても人がいなければ大丈夫。人がいると、あの人が誘拐犯ですと他人を味方につけ警察呼ばれます。まじ凄え。婆様もスタッフも。
ピック病介護覚え書11
怒って暴れたりして対応できない場合は抑制系の薬を医師に相談する。アリセプトやメマリーは余計に怒りっぽくなったり混乱する人が多い。薬は緊急時に必要だが、結局、常同行動を変えない生活習慣や行動抑制しない関係を長い時間かけて作りその環境を守り続ける方が効果は高い。
ピック病介護覚え書9
ドライブ中コンビニによるとトイレに立て籠ったりレジの中に入って誘拐犯に狙われてると店員を味方につける婆様。こうなると同じ職員はダメで違う職員と交代。人が沢山動いている場所は落ち着かないのか煙草もすぐ消す。身体が元気で見た目も若く見える為認知症だと思われにくい。
ピック病介護覚え書13
ドライブはスルー&レスポンスで楽勝になったのだがトイレ休憩に失敗。公園に人がいて急に不穏増す。トイレも行けず。スタッフに尋ねたら、祝日は人多いからあの公園使わないですよと。知らない人いると混乱して怒って走り出しちゃいますから。まじか。個別ケアが凄すぎてひく笑
ケアする人をケアする30
ピック病は常同行動という特徴があり毎日同じだと落ち着く。場所変わると混乱。認知症ない爺様でも他施設利用したら発熱と嘔吐。職場変えると扁桃腺が腫れる介護職。生存競争は強い者でなく環境適応した者が勝つ。に否。偶然生き残った側の後づけ。ダーウィンよりルーティン。
ピック病介護覚え書15
ドライブ中ずっと話をして口を動かしてる婆様だが、僕が会話に参加しないでスルーしてると、だんだん喋らなくなり落ち着いてくる。フロントミラーで僕の表情も見るので角度調節。ラジオで人の声を流す。米をトランクに積むと不穏。いつもはないわよねと。常同行動が変わると不安。
週刊小林 敏志 第36話(ぐらい)
ドライブのガソリン代と個別ケアの人件費稼ぐ為、noteにピック病のAさんのケアレポートを有料で書いてます。
12月31日の投稿を会員さんに限定公開。
デリケートな内容なので、ここだけで共有よろしく。
ちなみに次の夜勤明けでしっかりリベンジして朝方落ち着かせることに成功しました。その内容が読みたい方はnote購入してね。笑
それではどーぞ。
(今日荒ぶってしまった理由〜僕が総理大臣になったら)
夜勤明けの朝方、ピック病の方が怒ってしまった。
怒るのはまだいいんだけど、荒ぶりが大になると手がつけられなくなる。中ぐらいで抑えときたい。
おそらく寝起きですぐに対応せずに違う利用者さんの対応をしてしまったからだ。
ピック病の方は、不安な時そばにいてほしい。
今がいつここはどこ私はだれかわからなくて不安だからだ。
一瞬そばを離れたから荒ぶりが大になってしまった。
一回大になると戻すのに時間がめちゃくちゃかかる。
周りの人にも怒り出してしまう為、2人っきりになったほうがよい。
しかも常同行動だから、フロアにはいたい。
だから、他の利用者さんを別の場所で食べさせなければいけなかった。
ああ難しい。
みんなと一緒にいたいけどいれない。
苦しいだろうなあ。
怒りながら涙流してた。
こんな難しい利用者さんをみてくれてるスタッフ達に感謝。
僕がもし国民栄誉賞あげられるなら、うちのスタッフと見守ってくれてるご近所さん達に渡したい。
ピック病の人が地域で暮らし続けるのは本当に難しい。
ドライブのガソリン代とマンツーマン対応の人件費を稼ぐためにこれからも毎日ブログを続けていきます。
読んでくれてサポートしてくれてありがとう。
ちなみにもう一つ荒ぶった理由があるのを忘れてた。
僕の事を旦那だと思っていて、ホッペにチューしてと言われて、行動抑制(言動抑制)はピックの人にはダメなのに、断ったからだ。
何で夫婦なのにダメなの?と尋ねられ、コロナになったからうつしちゃ悪いと思ってと答えたら
口じゃないんだからうつるわけないじゃない!と怒ってしまった。あまりにも真っ当なこというから認知症じゃない気がしてきた。笑
これも、ピック病の特徴の一つ。
記憶力にムラがあり、さも真っ当な答えを返してくる場合がある。
難しすぎるぜ。ピック病。
でもチューだけは免れたぜ。
代わりに違う男性スタッフがチュウしてくれたぜ。
マジでありがとう😭
はいこんちょはピック病のケアにむチュウだぜ。
明日の為に今ここを犠牲にしない。
今日もまた試行錯誤を繰り返す。
ピック病ケア覚え書②
ピックの人は自分が動いているか周りが動いていると落ち着く為、散歩やドライブが落ち着く確率高い。レクでも玉入れなどでボールが動くゲームを好む。動かない爺様は動かない為気になる対象から外れて怒られたり叩かれたりしないのかも。逆に相性が良い。
夜勤なう。ピック病婆様は触覚聴覚視覚に鋭く雀の鳴き声やエアコンの風や朝日で起きるから夏大変。晩秋最高。静か暖かい夜明け遅い。同じパジャマ毎日着れる。歯磨きは寝る前3回。1回10秒。遅番職員に、私達付き合ってないからねと取り繕う。付き合ってないように僕も振る舞う。付き合ってないのに。
ピック病ケア覚え書8
常同行動を好む為、常同行動を好む介護職とは逆に相性が合わない。なぜなら互いにいつもと違う行動をしたくない為行動抑制してしまう。前頭葉が萎縮し我慢ができずカットなり反射で手が出る。社会性が欠如しお金を払わずに万引きしてしまう場合も。お経は目を瞑っても唱えられる。
初めてピック病の婆様のノーモーション平手チョップをかわす事ができた。かわせた理由は、僕の動体視力が上がったわけではないし婆様の力が衰えたわけでもない。婆様の機嫌がよかったから。投薬でもパンチスピードは落ちないが機嫌が良ければ優しくパンチ。良い介護は薬に頼るより仲良い職員に頼む。
ピック病婆様が怒って外に飛び出したのでピック病爺様連れて一緒にドライブ。急に出かけたから職員に謝りたいと言うので、婆さんは謝らなくていい。俺が謝るよと伝え、デイに戻り職員に、勝手に連れ出してごめんねと謝ったら、そうよ。この人に誘拐されたの。と婆様。長生きしたら認知症になりたい。
ピック病爺様のGPS腕時計紛失。充電も切れて万事休す。諦めの悪い僕は再度家族に確認。最後の検索が13時に寺町付近。ドライブ車の中に山を張り遅番スタッフに再度捜索願い。助手席と運転席の間の隙間奥から発見。ゴラッソ!ブラボー!そういえば昔ガム食べたゴミよく挟んでたな。発見手当を遅番に。
ピック病婆様に叩かれた職員を心配し電話。痛かったのではなくイラっとしただけ怒り返したから大丈夫笑
そん時私、行動抑制しちゃったんですよね。正面に立っちゃったし、いつもの席に違う人が座っていて常同行動できない環境にしたり担当職員と連携取れずに準備が足りなくて焦ったのもあるかなって。
僕は話をただ聞くだけで4年目職員にアドバイスは必要なかった。
叩かれ手当てつけとくね。なんすかそれ?会社から危険手当千円つくの。マジ?ウケる。あざーす。こちらこそ自己分析と評価、次回への試行錯誤と弱さの情報公開に感謝。
目の前にいる認知症のお年寄りから学び続けていく。
ここは最前線。
ピック病婆様。毎回布パンツに便がチョイ漏れ。二度とはかないと怒って窓から捨てちゃう。もったいないので紙パンツ勧めてみたら「まだそんな歳じゃねーわ!」と怒る。何歳か尋ねると「26歳」とのこと。それじゃあと生理用ナプキンをつけてもらうようにお願いしたら「もうとっくにあがってるわ!」
退職スタッフの出勤最終日に必ずお年寄りと一緒にお別れ会を開催します。お年寄りに隠さない。一緒に生活を作ってきた仲間だから。ピック病爺様ドライブ班が午前中に花束を買ってきて、所長が感謝状、管理者が写真を作って渡す。そんな文化風土。おやつも豪華に。働いてくれてありがとう。またね。
ピック病ケア研究会発足。ドライブ中に婆様が怒り出したら1度安全な場所に停車し車を降りる。見えない場所で深呼吸し気持ちを整えたら、こんにちはー!どうしました?と場面転換。すると「運転手どこか行って困ってたのよ」と怒り消失「私が代わりに運転しましょうか?」「助かるわ」一人二役ケア。
車から降りるか降りないか
ピック病のお爺さんが悩んでる。
するとピック病のお婆さんが誘ってくれる。
私も降りるから一緒に降りよ。ね。
それをただただ眺める介護職。
何もしないでただそばにいる。
何もしないでそばに居れる?
絶対に居れないよ
意味のある世界にしかいないのなら居れない。
目的や計画をぶち壊してくれるお年寄りと一緒に過ごさないと絶対にわからない世界
我思う故に我あり
いや
あなた思う故に我ありだ
ピック病のお年寄りはドライブが大好き。ドライブマイカーなみに運転好きな介護職募集中。車の中が安心するので、車の中で一緒にご飯食べてます。いつもお年寄りに合わせてくれるスタッフ達に感謝です。
ということで
認知症介護の最前線を体験してみたい方
ご応募お待ちしてます\(^o^)/
合同会社はいこんちょ
僕らと一緒に介護しません課
課長補佐 小林
TEL09055487236
メッセージやダイレクトメールでも受け付けてます。
ピック病のおじいさんが昼休み30分落ち着く方法を看護師のおばちゃんが考えてくれた。なんとマッサージチェア。職員の福利厚生で置いたんだけど、勧めてみたら喜んでたみたいでジッとしてた。モミ玉が常に動いてるのも落ち着くんだろうな。
お泊まりのピック病のお婆さんが常同行動的に毎朝ハムマヨパンじゃないと食べないので、というか怒るので、そんなにうまいのかと思い、自宅でも朝作って家族に出してみたら、小林家も毎朝同じ時間に食べるようになってしまった。
#二者性
#大して美味くないのに癖になる
#前頭側頭型認知症
ピック病婆様とお蕎麦を食べに行ったら「私こんなにたくさん食べられないからアナタ食べて」とセイロを僕の方に寄せるので「いいよ」と言い、もりそばを食べる婆様の箸が止まるのを隣りで待っていたら、そのまま完食して蕎麦湯まで飲んでた。
ピック病のおじいさん。ドライブ大好き。だけど夜は対応できない。歩き回るのをずっとそばには着いていられない。どうしよう。
20代のスタッフが出した回答は
テレビでドライブレコーダーのYouTubeを流した。
すると車に乗ってドライブしてる感覚になりおじいさん落ち着いた。
天才かよ。
信じてもらえないかもしれないけど
お泊まりのピック病の婆様が朝方抜け出したら
説得して連れて来てくれる地域の新聞屋さんがいます。
僕にできることは、新聞の契約更新ぐらいです。
攻撃性が凄く今しんどいっすとピック病婆様の個別ケア中職員から連絡入る。すぐにチェンジ。その日の自分や相手の状態によって良い時も悪い時もあるだろう。状況を受け入れ、弱さの情報公開をし助けを求める。大したものです。自分でも自分をコントロールできないと認められる人を介護のプロと呼ぶ。
他の利用者がトイレ流してないと怒るピック病の爺様がいて、トラブルにならないようにいつも間に入るんだけど、さっき流し忘れたのは僕だった。
閉塞感漂う時代に介護職はなぜ絶望しないのか。それは大変な認知症高齢者と一緒に居るから。平日朝通学時間帯ピック病婆様が外へ飛び出す。通勤車と小学生と補導員がいる中、婆様とスタッフで叩き叩かれ車に乗り込む。何で飛び出したの?私の家で若い女達が勝手にお婆ちゃん介護してたのよ!知らんがな。
今日はピック病のおじいさんが凄い勢いで外へ歩いていくので、おじいさんの気が済むまで一緒に歩いてみた。軽く2キロは歩いた。
まだまだ全然気が済まなかった。
股関節が痛くなり職員に電話して車の迎えを頼んだ。
もちろん痛いのは、僕だ。
ピック病婆様。デイに到着して30分後には、出かけたいと言い出す。仕方がないから一緒に10分出かけたら今度はデイ戻りたいと言い出す。この10分をしっかり振り回されてくれるスタッフ達に感謝。その後落ち着いて過ごしたらしい。行動抑制しない認知症介護の極み。コレを365日続けてる。プロ中のプロ。
ピック病のお婆さん。行動抑制すると瞬間的に怒り出す為、相性良い職員中心に後輩キャラで対応。いいっすねえが合言葉。今はいつここはどこわたしはだれ、がわからず不安。そして周りと自分との関係がわからないためキャラ設定がうまくいかない。そっとサポート。怒りと悲しみは表裏一体。と言いたい。
夜勤明け早朝、ピック病婆様が怒って外に飛び出す。追いかけるとご近所さんがあっち行ったと教えてくれる。草むらを歩く婆様。近づくと(来ないで!)(どこいくの?)(家に帰りたいの)(家帰ろ)(嘘でしょ)(本当だよ)(信じていいの?)(当たり前だろ)とドラマチックですが僕はパジャマ姿です。
ピック病のお爺さん。突然外に歩いて行ってしまう。スタッフが止めると怒るか、そのまま歩いて行くのにボランティアの男性に言われると納得して戻ってくる。仕事でも利用者でもない存在の重要性。上でも下でもない横の繋がり。スキルではなく関係と環境。自発的な。
ハグはセロトニンという幸せホルモンが増えるというので、泣いたり怒ったり激しいピック病婆様にハグする。幸せホルモンが溢れて凄く嬉しそう。脳科学凄いやんと感心した瞬間、長いわよ!とめっちゃ怒られた。脳がガク。
信じてもらえないかもしれないけど、はいこんちょの業務の中で唯一、時間過ぎるのが遅い業務がある。他者と過ごすと喧嘩しちゃうピック病爺様とドライブ。やることないと時間が永遠に感じるしやることありすぎると怒り出しちゃうし。師走関係ない。2人の車内だけはゆっくりゆっくり流れてる。流れてく。
ピック病ケア覚え書①
ピックの人は常同行動という特性があり認知症でも人や場所の記憶力が残っている人が多い為、他者がいつもと違う席に座っていると気になって注意してしまう。1人だけ絡まれない爺様がいるとスタッフが気づき考察。爺様が絡まれない理由は、介助が必要で自分から「動かない」から。
ピック病ケア最前線介護職が贈るブルースへの手紙②行動抑制するとカッとなり手が出る。ピック婆様は他者と喧嘩する為1日中ドライブ。昼だけデイに戻るがいつもの席と事務所2ヶ所用意。本人が選んだ方に職員が合わせる。止めたり誘導するとキレる。食べ終わり本人が行きたいタイミングで担当と外出。
僕は大晦日もハイボール呑み22時には入眠。朝起きたら年が明けてた。常同行動ばかりで行動抑制が嫌いなピック病老人にそっくり。夜勤者曰くお泊まりさん達も20時には全員寝てたらしい。年越しだろうと生活を変えない生き様に哲学を感じる。地震後も介護現場は日常だった。長生きしたら認知症になりたい。
車に乗り込むのは大好きだけど自宅以外は車から降りたがらないピック病のお爺さん。機能訓練スタッフが楽勝で降ろしているとの噂をゲット。どうやっているのか尋ねたら、先に足を少し降ろすと、降りないようと言いながら降りてくれます。だってさ。すげえ。
ピック病婆様お泊まり13日目。夜あんなに怒ってたのに落ち着いてきた。婆様と職員がお互いに慣れてきたから。帰りたい婆様と一緒に遅番夜勤が鍵屋に電話しまくって仲間になろうとした劇団はいこんちょ。喧嘩して飛び出して一緒に散歩した夕暮れ散歩。各々が各々の関係の中で一回性の答えを見つけていく。
ピック病の婆様。職員や壁叩き過ぎてハンドバック壊れる。家族には柔らかい素材のハンドバックを依頼。常同行動的に新しいバック使わないでしょ?と職員に尋ねると、毎回新しいハンドバックプレゼントだよ♡と伝えて渡すと喜んで使ってくれるらしい。慣れてくるまで毎回初めてのように渡す。すげえ。
ピック病のお爺さん達が落ち着いて居られるように、ボールレクを考えてくれたスタッフ達天才。そうなんだよね。ピックの人は自分が動いてるか周りが動いてるかが落ち着く要因だからボールを使ったレクはボールが動くので嬉しくて集中してくれる。
赤ちゃんが寝なくて車でドライブ。行くあてもなくチンタラ運転してると、はいこんちょのドライブ班とすれ違う。ピック病のお年寄り達と介護職が行くあてもなくドライブしてる。予定や時間に追われて忙しなく走る車や人の雑踏の中、目的もない僕らがシンクロすると希望で胸が高鳴ってくる。
うちのスタッフ、ピック病のお年寄り達のケアがもっと上手くなりたいからと地域の障害児施設へ自分が仕事休みの日にボランティア行って他業種からケアのヒントを学んでるらしい。偉いねって言ったら、本当に癒されて楽しいんです。だってさ。結局、どんなに努力しても楽しんでる奴には勝てん。感謝。
トイレに座ってもすぐ立ち上がり失禁するピック病の爺さん。それでもスタッフは諦めず毎日トイレに連れて行くと少しずつトイレで排泄できるようになってきた。普通なら諦めちゃう。食事排泄入浴に拘るのが僕らの介護だけど、それにしても凄い。介護職はお年寄りの生理的欲求の自己実現を叶える魔法使い。
第101回はいこんちょ会議。ピック病爺様のケース検討会。うちの特色①(爺様が)困っていることだけでなく(職員が)困っていることもネガ出し。弱さの情報公開。利用者主体とは自己決定ではなく共同決定。(爺様が)困っているのか(わたしが)困っているのかわからなくなってくる。そこからはじまる。
特色②
爺様が喜んでること。したそうなこと。と職員が爺様にしてあげたい事や爺様の好きなところを出していく。ポジネガ両方で100個ぐらい出た。それが希望。新人職員が「僕は床屋の後の爺様の頭が好きでよく撫で撫でさせて貰ってる」にみんな共感。爺様も嬉しそう。存在自体が介護職を癒している。
特色③
生活歴を語り合う。
爺様がどこから来てどこへ向かうのか。
「あんな穏やかそうな爺様が激しい人生歩んできてたんですね」とか「だから女性スタッフ好きなんだあ」とか過去の生活歴から今の介護の答え合わせ。
過去のピック病爺様達の最期の様子も伝え今後の看取りの準備を伝える。
特色④
食事形態を決めない。
飲み込みが弱くなり咽せがある。超刻みがいいかミキサーがいいか割れる。固形物の方がよい。飲み口良い方が食べてくれる。皆が爺様の為に意見出す。爺様は全ての意見に頷く。笑
どれも魅力的な為、決めないことを決める。ただし毎日申し送り。タイトルは今日の爺様と食事。
特色⑤
会議後にピック病の婆様に叩かれて困っている職員に先輩がアイデアをシェア。怒り返さないと叩かれっぱなしになるよ。とか突然トイレ行きたいって言い出して3分も我慢できずに叩き出すからトイレ拒否あっても何度もお願いして30分に1回はトイレ誘ってるとか、教科書に載っていない対応が満載。
特色⑥
相談に乗っていた先輩の中には、3ヶ月前に婆様から叩かれて困っていて同じように相談に乗って貰っていた職員がいる。それが今では飄々と介護してる。すぐには答えの出ない事態に耐えるチカラは相談できる場と弱さの情報公開が重要。全員好き勝手に話をして終了。大体うまくいく。知らんけど。