「Barの女の子」⑹
あなたは何でも聞いてくれるのね。
でも酔っ払った女の発言にしっかりと耳を傾ける必要なんてないわ。
その時の感情がどれほど強くてもね、数時間後にはこれっぽっちも覚えてないんだから。
私の言葉も、生きている中の風景の一つくらいに思ってちょうだい。
真剣に聞いても、あなたの人生を彩りはしないわよ。
でもその風景がいつの日か、ふとした瞬間に思い出すような、少しでもあなたの脳裏に残せるようなものであったら、それはなんだか幸せね。
矛盾してるわね。
ごめんなさい。
でもきっと、その"矛盾"自体が"正しい"。それが女だと思うの。
きっとそういう生き物なのよ。