Work Delight Picks by TalentA Vol.1_2022/1/21
この度、タレンタ株式会社ではメールマガジン【Work Delight Picks】を創刊し、弊社の基本理念”Work Happy!”を実現するためのHR領域のグローバル・日本での最先端情報やホリスティック栄養学に基づくウェルネスPicksを月1回お届けいたします。どうぞ宜しくお願い致します。
-Work Delight Picks編集室より-
HR最前線
人材マネジメントに関するグローバルの最新動向をお伝えします。
米国AI動画面接規制法について
人工知能(AI)の社会実装が普及期を迎えています。人材獲得領域についても複数のAI面接ソリューションが開発・提供され、日本の主要企業も次々にAI面接の活用に踏み切っておりますが、テクノロジー活用先進国である米国では、AI面接のアルゴリズムに対して人種差別の懸念を訴える動きがあり、これを規制する法律が各州で既に成立・施行されています。
世界初のAI動画面接規制法は2020年1月、米国イリノイ州で施行されました。AI面接が従来分析してきた要素は「顔の表情」「声のトーン」「単語」「文章」「文脈」などでしたが、この中で「顔の表情」に基づく視覚分析機能が規制対象となりました。
またこの流れは既に欧州に波及しており、2021年4月に欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会が、人材獲得領域を含めたAIの社会実装に対する規則案を公表し、2022年後半の発効を目指しています。日本では2021年7月に経済産業省が「我が国のAIガバナンスの在り方」を、また2021年8月に経団連が「欧州AI規制法案に対する意見」を公表し、今後は日本においてもガイドライン化または法規制化が検討されるでしょう。
AI倫理問題をクリアするために、AI面接ソリューション提供企業は「説明可能なAI」の開発が求められます。具体的に実施すべき対策は、米国の動向を踏まえると「視覚分析機能の削除」に加えて「言語分析機能の高度化」「AIアルゴリズム監査の受審」「AIモデル開発指針の情報開示」「第三者倫理委員会の設置」などが上げられます。
日本市場におけるテクノロジー活用については、概ね5年遅れで米国の潮流が押し寄せるという経験則がありますが、AI選考導入済または導入を検討している企業においては、グローバルの動向や、日本の当局における動向を注視・留意する必要があります。
※米国の動向について更に知りたい方は、「米国動画面接規制法の概要とAI面接の倫理・法務リスク ~HRテクノロジー時代におけるAI倫理的進歩~」 もご参照下さい。
”Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報
米国の最新ホリスティック栄養学に基づく心と体の健康情報をお伝えします。
●企業が目指すウェルビーイングは「幸せな状態の社員を増やす」こと
ウェルビーイングとは、幸福で精神的、身体的、社会的に満たされている状態であることです。身体的な状態は健康診断で把握することができますが、精神的な幸福感は人それぞれで、正解もありませんし、測ることもできません。コロナウィルス感染が始まって2年、弊社ではリモートワークが続いています。リモートワークが良い・働きやすいと感じている社員がいる一方、オフィスに行って周りとコミュニケーションを取りたい、どちらでもないと千差万別です。働く場所・働き方の選択肢が増えたことで、今、働きやすさや心地良いと感じているか否かを社員が自分に問いかけ、周りとコミュニケーションを取ることで、それぞれの”Work Happy!”を実現させるために改善策を見出しています。
ここで大事なことは、”今、自分はどういう心の状態なのかどうかを自分自身にチェックする”ということです。多くの日本人は、周りの空気を読み、怒りやイライラなどのネガティブな感情が沸き起こっても周囲に悟られまいと大人の対応することができます。それはその場をやり過ごしたにすぎず、繰り返していく毎に心のコップにネガティブな感情が溜まっていきます。そのコップの大きさも溜まるスピードも人それぞれです。ポジティブでも、フラットでも、ネガティブでも、今の自分がどういう状態なのかを確認するだけで心のコップに溜まった水があふれる前に少しずつ掃き出すことができます。アメリカの研究で、感情の状態は体に大きな影響を与えることが分かり始めています。感情の捉え方次第で幸せな状態になるとしたら、あなたはどうしますか?
まずご自身がどんな状態か確認することから始めましょう。時間に追われてやることがたくさんあっても、悩み事があっても、一旦離れて自分に問いかけてみてください。
「今、私はどう感じていますか?」
今月のPick Book!
人事・心理学などの書籍・記事から、編集室のお薦めを解説交えてお伝えします。
坪谷邦生著 図解人材マネジメント入門
~人事の基礎をゼロから抑えておきたい人のための「理論と実践」100のツボ~
(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
98番目のツボ「Q. 師から何を学ぶべきか?」
Q. 師から何を学ぶべきか?
田坂広志は著作『仕事の報酬とは何か』において、能力を身に着けるために一番必要なのは「師匠をみつけることだ」と言っています。ここでは「師から学ぶ」ことについて考えてみましょう。技術や知識であれば、本やマニュアルを読めば分かることです。師という生きた人間から得るべきものは一体何でしょうか。それはニュアンス、立ち振る舞い、言葉にして伝えることができない「暗黙知」と呼ばれる領域です。
■師弟関係という構造
心理学者河合隼雄は、既になくなっている師ユングとの関係をこう説明しています。
”自分の独善性や安易さを防ぐため、自分の信じる方法や考えを全面的にぶっつけて検証する相手として、C・G・ユングを選び、そのことに積極的意義を見出す。”
何かを具体的に教えてもらうわけではなく、師が存在し、それに自分を照らして、自ら学び続ける、その構造自体に価値があるのです。しかし多くの人は自分の上司を「師」だとは感じていないことでしょう。師匠は一体どこにいるのか?田坂広志はこういっています。
”師匠とは、与えられるものではない。自身が自ら見つけ出すものです。(中略)自身の心が、本当に謙虚であるならば、周りに「師匠」と仰ぐべき人物は、必ず、いる。”
「謙虚」であることは学ぶために最も必要な要素です。それは自分の考え方、ものの見方を疑い、自分を正し、バージョンアップさせるために相手から何かを得る「構え」のことです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。