Work Delight Picks by TalentA vol.4_2022/04/20
4月22日は「アースデイ 地球の日」です。地球環境のために自分ができることを考え、日ごろから行動できるように少しずつ習慣化したいですね。私はまず農薬や化学肥料を使っていない有機野菜を農家から直接購入し始めました。フードマイレージが短く、新鮮な野菜やめずらしい野菜が食卓を彩っています。-Work Delight Picks編集室より-
ー目次ーーーーーーーーーーーーーーー
・HR最前線
オンボーディングと組織社会化におけるプロアクティブ行動について
・”Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報
心の整え方~心の健康はセルフケアの時代へ~
・今月のPick Book!
「お金のいらない国」(ネットワーク地球村) 長島 龍人(著)
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HR最前線
オンボーディングと組織社会化におけるプロアクティブ行動について
4月は入社や転職などで、新たな組織で迎える方々も多くいらっしゃるかと思います。この4月スタートというのは世界の中でも日本独自の文化であり、国の会計年度の開始時期が数度の試行錯誤を経て1886年に4月に定まり、企業や学校がそれに倣って定着化しました。当時は主な納税者が稲作農家であり、秋の収穫後に換金をし、納税を受けた後に翌年度の予算編成を行う期間を踏まえ4月スタートになったと言われています。
さて日本の人材マネジメントにおいて「オンボーディング」という言葉が徐々に普及してきました。弊社が「オンボーディング」という言葉を知ったのは今から12年前の2010年のことでした。北米では当時から新入社員の早期戦力化を目的とした一連の取り組みをそのように呼んでいました。人材マネジメントにおける北米発祥の横文字ワードが日本に輸入される際に、内容によっては曲解されて定着化するものもありますが、「オンボーディング」はそのままの意味合いで用いられています。
組織行動学の世界では、個人が新しい組織に適応するプロセスのことを「組織社会化」と呼びます。組織社会化研究は1960年代に、キャリア理論の創始者であり組織心理学の父とも呼ばれるエドガー・シャイン博士が論文執筆したのが始まりのようで、以降日本では1990年代より研究がなされ、近年は日本でも特に注目を浴びている領域です。
そのプロセスの中で、組織の期待に応えるために自ら積極的に考えたり行動を起こしたりする自律的な行動のことを「組織社会化におけるプロアクティブ行動」と呼びます。プロアクティブ行動の例として「必要な情報を積極的に収集する」「フィードバックを積極的に求める」「周囲との関係性を積極的に収集する」などが研究論文に提示されていますが、それ以外に「ポジティブフレーミング」が挙げられています。
同じ情報であっても、焦点の当て方によって人はまったく別の意思決定を行うという認知バイアスのことを認知心理学の世界では「フレーミング効果」と呼びますが、「ポジティブフレーミング」は、例えば「あと半分しかない」ではなく「あと半分残っている」、「80%の確率で失敗する」ではなく「20%の確率で成功する」、「やる事がまだ一つ残っている」ではなく「やる事がもう一つで終わる」といったポジティブな捉え方をすることであり、これが自律性の発揮そのものであるということです。
今まで「自律性の発揮」と「物事をポジティブに捉えること」との関連を意識することはありませんでしたが、確かに言われてみれば分かる気がしますね。新入社員の早期戦力化はもとより、自律人材の育成については近年の人材マネジメント上の大きなテーマでありますが、皆様におきましても「ポジティブフレーミング」を、新入社員に利用を勧めるのと併せて、皆様の仕事における日常の会話で今まで以上に意識して使ってみてはいかがでしょうか?
”Work Happy!”を実現する最新ウェルネス情報
米国の最新ホリスティック栄養学に基づく心と体の健康情報をお伝えします。
心の整え方
~心の健康はセルフケアの時代へ~
4月は季節の変わり目、人事異動や転職などで新しい環境での仕事が始まるなど変化が多い月です。知らず知らずのうちに心と体を張り詰めてませんか。Work Delight Picks Vol.2のPick Bookでご紹介した「働き方の哲学」のPart 6にも心の健康について書かれているように長い人生を健やかに歩むためには心のケアを日頃から習慣化し、心の負荷を軽減するテクニックが必要です。
今日の生活でストレスを完全になくすことは不可能であり、働く上でのストレスはある程度必要ではあるものの同じ出来事でも人それぞれ捉え方が異なります。その捉え方=無意識な心は過去の体験によってプログラムされた思考(潜在意識)によって湧き上がってくる感情、考え方になります。潜在意識はデルタ波の0歳からシータ波の12歳までの時期に親や周りの言葉使い、考え方、しぐさや環境をひたすら観察し、インストールし蓄積して出来上がったプログラム(心のくせ)となります。多くの人はマイナスの感情になった時、その感情に気づく前に頭の中で過去の経験(心のくせ)を総動員して理性的に処理して、他人にわからないように振る舞っています。
インストールされてしまった心のくせは変えられないのか…アメリカの細胞生物学者ブルース・リプトン著の「思考のすごい力」では「思考が行動や遺伝子の活動をコントロールしている。思考を変えれば人生を変えられる」と言っています。シータ波によるトランス状態になるとプログラムの上書きは可能であるとされており、瞑想でシータ波の状態となると言います。いきなり瞑想を始めるには躊躇する場合は、まず呼吸の安定、呼吸を整えてただ静かにして過ごす時間を1日の中で少しでも取り、自分が今、どんな感情か確認してみてください。
自分を客観的にチェックする方法としてタレンタHPリソース「心を整える」をご参照ください。人それぞれ最適な方法がありますので、自分が心穏やかになる方法を色々試してみてはいかがでしょうか。しかし1人で抱え込まず、周りに話す・相談することも大切です。
今月のPick Book!
未来を変えるヒントとなる書籍を、編集室のお薦めを解説交えてお伝えします。
「お金のいらない国」(ネットワーク地球村)
長島 龍人(著)
今突然、世の中に貨幣制度がなくなれば、どうなるだろうか?人々は今の仕事を続けるのだろうか?この斬新な問いかけを前提に進んでいく物語は、実に目から鱗のような発想が詰まっています。主人公はお金の存在しない世界に迷い込み、そこで何不自由なく幸せに暮らす住人から「お金」という価値観について根本から覆されます。
「要するに、あなたの国では、お金というものがないと、人々が欲望をコントロールできないというわけですか」
「お金がいっせいにパッと消えてしまったとしても、皆がそのまま仕事を続けていけば社会は回っていくはずなんですよ。」
考えてみると、私達の仕事の動機は食べていくこと、が前提となっていますが、お金を稼ぐ必要性がなくなったとしたら、どんな仕事をしたいと考えるでしょうか。「お金のいらない国」ではパーパスこそが仕事の前提となり、信頼が組織を作ります。
「多分、そのお金というものを得ることが仕事の目的だと多くの人が思っているうちは、あなたの国の、本当の意味での進歩はないでしょうね。・・・報酬を目的にしていると、必ずどこかにゆがみが生じてきます。」
お金があるからこそ無駄な仕事を生み、無用な争いが生まれる。痛烈に突き刺さる言葉の数々は、私達に仕事の意味を根本から問いかけてくれます。一度、自由になってこの「お金のいらない国」を旅してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。