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#白山
山に登る舟(3)- 女将と師匠と雀 -
時は少し遡って、私がムラックと出会う前のことである。何の練習もなくあの壮大な山に登るのはさすがの私も躊躇っていた。そこで私は山登りが好き、もしくは好きそうな友人二人に一緒に山登りをしないかと声をかけたのであった。
一人は和菓子屋の主人である。私はすずめやさんと呼んでいる。この和菓子屋は都内に店を構えてはいるのだが、近郊の山の中にも別宅と畑を持っている。別宅付近の山を少し歩ければ、と私は軽い気持
時は少し遡って、私がムラックと出会う前のことである。何の練習もなくあの壮大な山に登るのはさすがの私も躊躇っていた。そこで私は山登りが好き、もしくは好きそうな友人二人に一緒に山登りをしないかと声をかけたのであった。
一人は和菓子屋の主人である。私はすずめやさんと呼んでいる。この和菓子屋は都内に店を構えてはいるのだが、近郊の山の中にも別宅と畑を持っている。別宅付近の山を少し歩ければ、と私は軽い気持