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置いてけぼり

息子が小さい頃、家の中で一緒に出来る遊びは色々あったが、クラシエの知育菓子には本当にお世話になった。初めての知育菓子は明治の手作りアポロ。確かきのこの山とのコラボバージョンだったと記憶している。
大人のやっていることに興味を持ったら、危ないこと以外はどんどんやらせていた。拭き掃除だとか、ミシンで縫い物とか、餃子包んだり、ハムを切ったりの簡単な料理だとか。息子は特に料理には興味津々だったので、知育菓子は作るのも食べるのもとても楽しそうだった。

それまで全く気にしていなかったが、スーパーのお菓子コーナーにはさまざまな知育菓子が並んでいる。ねるねるねるねを見つけた時はまだあるのか⁈と嬉しい驚きだった。たのしいおすしやさんでは、イクラの製造工程に感心し、ハンバーガーやさんは見た目だけでなく、味の再現度の高さに感動した。新しいシリーズを見つけたら必ず試していた。小学生になってからもスーパーでお菓子を選ぶ時にに、これがいいとカゴに入れてくることがよくあった。

つい最近まで一緒に楽しんでいたはずだった。

お菓子を保管するケースに画像のピザパーティーが残っていた。これは確か私が、ぉお!これは初見だ!と思って買ってきたものだ。でも、それは一体いつのことだったのか…。賞味期限はまだ切れてない。でもいつ買ったのかは思い出せない。今日までの間、息子は何度もお菓子ケースを開けているだろうが、これ作ろう!とは言わなかった。飽きたというよりも、もうそんな歳ではなくなっていたのだ。

私の好きな漫画に、お爺ちゃんが久しぶりに会った孫に食事をご馳走すると一緒にレストランに行き、お前ポテトフライ好きだったろ?頼もうか。と嬉しそうにメニューを眺める。うん。と笑顔で応じながらも、そりゃ昔は好きだったけど、今は普通だよ。と孫が心の中で呟くシーンがあった。
今の状況と同じだなと思った。うちの子これ好きなんだよね!のアップデートが追いついていなかったことにふと気付き、それは私自身が息子と一緒に作ることが楽しかったからなのかも知れないと少し寂しくなった。

ピザパーティーのパッケージ画像をリビングで撮っていたら、息子が、あー、それ今度作ろうか。と言ってきた。そして、懐かしいね。とも。息子にとって知育菓子は思い出の品に変わりつつあるのだ。

#子育て
#育児
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