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名札

息子が中学生になった。5年6年は不登校気味だったけど、部活が始まり好きな陸上が思い切り出来る場所となった学校は嫌な場所ではなくなった様だ。

6年生の1年間で身長は10センチ以上伸びて、いつの間にやら追い越されていた。制服のブレザーを着て迎えた入学式。友達との記念写真を見た私の友人は、ハト君(仮名)だけ高校生みたいやなって驚いていた。身長が飛び抜けて高かったからだ。

そう言えばハトは行く場所行く場所で、落ち着いた大人っぽい子供さんですねと言われた。しっかりしてますねとも言われた。そんなハトを私は知らない。でも私の知らないハトもハトなんである。

私自身が子供の頃、両親からあんたはしっかりしているから…と言われて育った。放っておいても大丈夫だという意味だったと今になると分かる。兄は手が掛かる子供だった。お前まで手が掛かる子供でいるなよ?という、言葉を変えた要求だったのだと思う。親から大人扱いしてもらえている、褒められていると勘違いした私は、人に甘えるのが下手な、上目遣いで人の顔色を伺う大人になった。

ハトが生まれた時、この子は私の様には育てまいと心に決めた。自分の都合と決めつけでハトに余計な名札を付けることはすまいと心に決めた。しっかりした子、優しい子、嫌な子、冷たい子、狡い子。これらは全て私が両親から貰った名札だ。重くて多分一生外れない。共存する所存である。
ハトにはハトという名前がある。それ以外は必要ない。人には色んな面があって当たり前だ。全部ひっくるめてその人なのだ。

#育児
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