80歳のセンパイと暮らす。(14)
久しぶりにセンパイから名言が生まれた。
連休後半、1年ぶりにセンパイが出品している書道展へ。
自分の書を見ながらセンパイは言った。
「私は今、踊り場にいるのよ」
「は?どういうこと?」
「緩くなってるの。成長が止まってる」
「思うように書けなくなったってこと?」
「何となくは書けちゃうの。それもまわりに許されてるし、自分も許しちゃってる」
「5年前だっけ?あの頃は頑張ったから、成長したって言ってたもんね。あれから変わってないってこと?」
「そうなの。次への踊り場にいるのよ、私は。どうやって次に行けるのかしらね」
ほぉ、「踊り場」だって。
80歳になった自分をそんな風に思える日が私には来るのだろうか。まだまだ成長しようとしてるよ、この人は。
ホントに敵わないわんなぁ。
突然咲き狂った庭のクレマチスのように、突然踊り場から抜け出したセンパイに会えるのだろうか。
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