「誠意系野菜」という価値観を提示します(その1)
本日の投稿は自己満足のため前置きが長くなります。何卒ご容赦ください。
私は高校生の頃に考古学を志して、家庭の事情や受験が大の苦手ということもあって、不憫な2浪の末に大学に入りました。
大学以降、発掘調査や考古学研究にたずさわっていたのですが、
同時に二足の草鞋で植物学や環境科学の教授に師事していたこともあり、
在学中は植生調査や緑化活動、1997年12月開催のCOP3京都会議(気候変動枠組条約第3回締約国会議)の時は会議場周辺でNPOのグッズ販売の手伝いをしていたという、比較的先駆、というよりは欲張りな学生をしていました。
この欲張りな体質が後に「損切りができない」体質へと変わってしまうのですが、
時は「就職氷河期」発現の頃、2浪と大学院の2年間で計4年のハンデを内包して、激動の社会へ歩き出します。
2002年に岡山県で発掘行政に就いた後、その頃ではまだ珍しいスカウトの形で2003年に奈良県の行政研究職に嘱託として転職します。
ただ、計6年務めたものの、当時は正職員への道があまりに狭かったため、民間企業への転職を決意します。
民間企業への転職は、それまでの就職難が嘘のようで、2回目面談で社長即決、残務処理のため入社も半年待ってもらえるという厚遇ぶりでした。
それはただ考古学業界しか知らなかっただけ、なのかもしれませんが、世界は広いのだろうと感じた時でした。
会社ではCSR(企業の社会的責任)コミュニケーション事業と生協支援事業にたずさわります。
東京本社企業の関西オフィスに勤務したこと、入社時に与えられた社長命令による2事業同時進行に加え、新規顧客開拓業務から始まったことで、想像以上の多岐にわたる業務に携わることになりました。
本当にたくさんの業務をしました。
結果的には、遊撃だったのですが、いろいろな機会を探り、先駆的先行投資的に動きました。
取引先のCSR(企業の社会的責任)支援では、経営層が考える先行投資がどんなものかを垣間見せてもらいました。
企業の性格、社風は千差万別。面白かった、と思います。
10年後の未来を当てに行く、という「目に見えない物」の業務性格上、売上は厳しいのですが、非常に多くの経験をさせてもらいました。
ただ、当時危惧されていた「環境問題」、「ISO26000」(人権関連)、「ESG」などは、2010年の東日本大震災ですべて頓挫します。
国家の一大事で、社会は大きく傷つきました。
そして私も東京本社異動を断って家族を優先し、無職になります。
1歳の娘がいた、というのは言い訳だと言われるかもしれません。
妻が東京には行きたくない、と言ったことを理由にするもの言い訳だと言われるかもしれません。
後先考えない人生の選択だったのかもしれません。
脱サラしてからの10年、ありえないほどの赤字を続けています。
娘には「一杯のかけそば」的な場面ばかり見せてしまいました。
ビニールハウスの暖房機用の灯油が本当に美味そうに見えるほど追い詰められたこともあります。
果ては過労の末に、心肺停止までなってしまいました。
それはひとえに「損切りができない」欲張りな体質のせいだとも理解はしているのですが、
自分の人生でどこまで粘るのか、10年先におそらく来るかもと信じて待つのか、
格好悪い自分をさらしながらの10年だったと思います。
10年待つことは本当に辛いのですが、それができたのはただただ運が良かったことと、
実家の母が支援してくれたおかげ、それに尽きるのです。
育児に燃える私を、実家の母は支援してくれました。
私が育児に燃えるのは、幼少の頃から見ている母の姿からなのでしょう。
それを娘に伝えたい。
私は「三つ子の魂百まで」を信じています。
そうした10年間でいろいろなものが見えたような気がします。
その中でたどり着いた大切なキーワードは「誠意」「誠実」。
「私欲を離れて正直にまじめに物事に対する気持」。
9割の人々には共感を得られないことだとは理解しています。
鼻で笑われることも分かっています。
それでもこれがとても戦略的だと、思ってしまうのです。
前置きが非常に長くなってしまいました。
10年前のサラリーマンの時に思った、
「自分で作ったものを自分で売りたい」という気持ちと、
「赤字で格好悪くても誠実さだけは失いたくない」というこだわりがゆえの、
とっても欲張りな商品がこちら、
「えひめAIで育てる誠意系野菜」(カンパリトマトとフルティカ)
作り手の「誠意」をのせた野菜です。
カンパリトマトは、オランダのエンザ社の作った、加熱するとうま味が増す調理向きトマトで玄人向きの独特の味のするトマトです。
フルティカは、京都のタキイ種苗が作った、生食向きの甘さとうま味に定評があるトマトです。
いずれのトマトもリコピンやグルタミン酸などの機能性成分が一般的なトマトの数倍になる高機能な中玉トマトです。
味はもちろんのこと、
従来の「えひめAIで育てる高機能野菜」シリーズに、「誠意」を表面化させ、
私の10年を集大成させた、未来の価値観へ挑戦する逸品です。
従来の除草剤不使用、農薬半減、ネオニコチノイド系農薬不使用で、
食物由来の環境浄化微生物「えひめAI」による土づくりにこだわった圃場で育てた、高機能で誠意を込めた野菜です。
もちろん農薬の素晴らしさ、便利さは知っています。殺虫剤を使わなかった場合、ハウスの中がどんなことになるのかも知っています。
大切に育てている作物がなすすべなく食害され、無残な姿になるのを黙って見ていることはできません。
ただ、可能な限り使用を減らす努力はしていきたい。
農薬への恐怖心ではなく、戦略的な選択なのです。
農作業が厳しくても、売上が伸びなくても、可能な限り作り手の「悪意」を除き、真摯に向き合い育てた野菜。
それを「誠意系野菜」と呼ぶことにしました。
1割の人々に分かってもらえればそれでいいと思っていたのですが、
世界の価値観は急速に変化しています。
その急速な変化の端緒かもと思える事象がありました。
その感想も含めて、続きの投稿にて。
キーワードは「垂直農法」。
「誠意のある野菜」とは、作り手自身の「誠実さ」が乗っている、という、作り手のこれまで積み重ねた誠実な努力(理念)が報われ、かつ、食文化を体現する、料理関係者に使ってもらいたいと考える農産物です。
人の口に入るものだからこそ、安心・安全だけでなく、誠意(作り手の誠実な思い)も含んだ野菜を作る、という新しい理念を生産者に持ってもらうためにも、消費者への共通認識形成を狙いとしています。(誠意の具体例:悪意の除去、薄利多売の否定、環境・人権配慮など)
百果葉商品の、東日本大震災後から考えた10年後の、「高機能」という側面の食文化の価値観への先駆的アプローチ(商品開発時の2013年以降)を、成し得たことから、今回は、念願のCSV【共通価値の創造(Creating Shared Value)※】実現のための新しい挑戦です。
※2011年にマイケル・ポーター教授らによって提唱されたCSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)は、営利企業が社会ニーズ(社会課題の解決)に対応することで経済的価値と社会的価値をともに創造しようとする概念。
百果葉(HYAKUKAYO)
安永周平
URL: https://hyakukayo.com/