白い空
無敵の少年がいる。
名前はマキノ。
年齢は5才。
彼の好きな時間。
それは寝る時だ。
マキノは寝る時に見る天井が大好きだった。あの白い空を見上げながら、今日はどんな夢を見ようかと考えるのだ。
恐竜の上に乗って世界を旅する夢、博士になってロボットを発明しお母さんを助ける夢、勇者になって魔王を倒す冒険に出る夢、たくさんの夢をいつも見てきた。
この白い空はマキノのものだ。
好きに描いて、知らぬ間にいつも寝ている。
起きるとみんなは夢を覚えてないと言うが、マキノは違う。昨日何を見たかはこの白い空を見れば、何を描いたかしっかり思い出せる。
マキノは魔物だって倒せるし、発明家にもなれる、恐竜だって仲良くなれるのだ。だからマキノは強い。
今日だってこの白い天井を眺めて、キャンバスのように物語を進めていく。
そうして、明日になる度にマキノは強くなる。
マキノの腕にはいつも点滴の管がついていた。彼の生活は病院の中だけだった。お昼に読んだ絵本たちを思い出し、いつも夢でたくさんの旅をしている。
朝になり、ちゃんと生きていることを感じ今日をいきながらもマキノは夜に楽しみをいつも置いている。
マキノは今日も白い空にたくさんの物語を描く。