娘の成人式
来月20歳になる娘とは、サラリーマン川柳ではないがコロナ禍前からソーシャルディスタンスであるw。実際笑えないが(TT)
父娘関係ではありがちなんだろうが中学生頃から疎遠になり、今でも必要最低限の会話しかない。
大学生になって少しは改善されるかと期待したものの相変わらずだ。
毎日、学校とサークルとバイトで忙しくしていらっしゃるのでほとんど顔を合わすこともないが、近頃、困っていることは、バイトがある日に帰宅するのが24時頃で直ぐ入浴するのだが、そのタイミングで私の帰宅が蜂会うと大変なことになる。入浴が兎に角長いのだ。脱衣所から入浴、そして脱衣所を出るまでにいつも2時間程度を要する。
私がその時間に帰宅するのは宴席だったり残業だったりだから早いとこひとっ風呂浴びて寝たいのだが、気づくと時計の針は深夜2時近くになっていることも多々あるのだ。妻からは「臭いからそのまま寝ないで」ときつく釘を刺されているし、自分自身も気持ち悪いので遅くなってもせめてシャワーくらいは浴びたいところである。「早くしてくれないかい?」と声を掛けると日頃、妻との会話や友人との電話の声とは別人のような「うっせぇ〜!」と尖った声が返ってくるので、結局は私が矛を収めるしかないのだが。
そんな未だに思春期真っ只中の娘も本日、成人式を迎えた。朝から美容室やなんだで妻と一緒に忙しそうである。式場に向かう前に美容室から一旦帰宅するらしい。私は生憎、午後から仕事に出ないといけないが、娘の晴れ着姿を一目見たくギリギリまで彼女の帰宅を待つことにした。待ったところで「お父さん、どう?」なんて正面から晴れ姿を魅せてくれることはないのだろうが親心として成長した娘を一目見たいのだ。うざったいくらいまとわりついてきた頃の娘では最早ないのだけど娘は娘、嫌われようが憎まれようが愛おしくてしょうがないのだ。
しかし、いっこうに帰ってこない。もうタイムリミットなので家を出てエレベーターを待っていると開いた扉の向こうに赤い着物を着た娘が立っている。予期せぬ出来事に恥ずかしかったのか、娘は私の視線を交わして部屋に向かって慣れない草履で駆けていった。一瞬のことだったが、私は彼女の背中に向かって「おめでとう」と一言だけ言うのが精一杯だったが、彼女は「うん」なのか又はそれに似た言葉を返したようだった。
式典が終わると一旦帰宅して着替えて同窓会に行く予定のようなので、私が仕事から帰宅する時間と重なってもう一度、晴れ着姿が拝めるかと思って期待したがもう既に出た後だったが、自室に入ると机の上に「ありがとうございます」のメモと3個のチョコレートが置いてあった。
なんとも可愛いものだ。
今夜はこれだけで何杯も酒が飲めそうだ。
「成人、おめでとう。素敵な女性になってください。」