記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

今更ミリアニ感想 刺さりきらず70点で止まってしまった人の感想(ネガ注意)

まずはこの記事を開いていただいたことに感謝を。
私自身はアケマスからプレイ、DS含むコンシューマ作品はプレイしていますがソシャゲはポプマス以外全てノータッチ。
デレ~シャニ迄は大まかには把握。
アニメも全て視聴済(シャニアニは6話まで)
アイマス以外のアニメはほぼ見ない。
コミカライズも大体は読んでいます。

※以下一個人の主観による感想です
※多量のネタバレを含みます
※アイドルは全て敬称略なので注意
※下書きはありますが約半年前のことなので間違いや認識違いがある可能性があります(指摘いただけると助かります)

大前提として
・ミリアニは面白いし人に薦めやすい作品
・私自身が知識はあるが特別な感情が無い

ミリPなら原作再現や作品愛に繋がる部分ではあったと思うのですが、なまじ知識がある分「理解はできるが納得はできない」となってしまう部分が多く、「面白いが刺さらない」作品となってしまいました。
アイナナ交流や異次元フェス、たまたまニチアサでやっていたのを観た完全新規の方だとまた変わって来ると思います。



良かった点


1.春日未来

ミリアニの魅力は彼女にあると言っても過言ではないです。
特に1.2話の静香との絡みとオーディションの流れは歴代アニマスの中でもトップクラスの完成度。
全編を通すと主役は静香だったように思えますが、主人公は未来だった。
決して主人公補正ではない魅力が彼女にはあり、最後まで軸がぶれる事無くしっかり描かれ、彼女がセンターである事の説得力が見事に表現されていました。
なので最後まで面白さの導線がはっきりとしていたのは非常に良かったです。

未来の両親を描いたのも彼女の魅力を伝えるのに重要な要素。
未来が何を何故そう考えるかの下地を両親によって説得力を持たせるのは憎い演出。

2.全編通して明るい成長譚

勿論悩むシーンや落ち着いた場面もありますが、全編通して明るい空気で纏められているので安心してみられました。
ギスってもその週のうちに解決するというのは精神衛生上ありがたい。

3.52人全員を登場させた

尺の都合上全員平等は不可能だし、特に新規だと「この子誰?」となる場面は多いです。
それでも全員を出そうとした心意気は尊重したいし、可能な限り見せ場や印象的な場面を出す事でフォローはされています。
特に5話の麗花「普通に至福を肥やしているんだね」の切れ味、12話の美也は想像力を掻き立てられる良いシーン。

4.ASの存在

文字通り存在感だけで表現した1話。
絡みと出番は最小限、なのに効果は最大限。
特に9話の雪歩はムビマスを彷彿とさせる印象的なシーン。


70点止まりの理由(※微ネガ注意)

小見出しもつけないので、飛ばす方は目次からまとめへ飛ばしてください。











①アニメ(フィクション)だからで済ませるには無理があるシーンが特に5話以降散見された
具体的な部分はネガ要素を含むので後述します。
リアルに寄せれば面白いという訳ではなく、むしろフィクションの世界では一定量のフィクションを含まないと物語として面白みを感じにくいです。
しかしフィクションが多すぎるとギャグになったり物語としての説得力を欠いてしまいます。
ミリアニは他のアイマスアニメと比べると話の展開にフィクション面が強い印象。

放送時間やターゲット層を考えればミリアニのフィクション部分の多さは正解に作用しているので「細けぇ事は気にすんな!」の精神で見れば十分面白いく、85点くらいは取れる作品です。
ただ私にはどうしても小さな疑問がスッキリしないまま積もりに積もって楽しみきれず、70点になってしまいました。

②新曲がイマイチ効果的ではない
AS曲を中心とした既存曲に比べ、意味を持って流された新曲が少ない。
1stは文句なし、2ndも苦労の末のエンディング曲なので問題なし。
ただしライブが無いのはうーん…。
8thも12話の流れなのでいいのですが、問題は残りチーム。
なんとなく歌唱シーンが流れておしまい、なので感情移入ができなかったです。
新曲は10話が一番効果的でした。

具体的に何が私に刺さりきらなかったのか(ネガ注意)


ここからはネガ要素を多く含むので注意。
小見出しもつけないので、飛ばす方は目次からまとめへ飛ばしてください。












■考える程?が増える
まず良い点でも挙げた通り未来視点で面白さの導線ができあがっています。
ただ良くも悪くも大味で、考えれば考える程ツッコミ所が目立ってきます。

先述した通り、フィクションには良し悪し、あるいは目を瞑るべき物があると思います。
一例を挙げると
良い→2話のオデ最中に背中を押す、「大丈夫」の声が聞こえる
リアルに考えたらありえないですが、フィクションだからこそできる表現。
その後の静香の覚醒と歌詞のコンボで感動を生み出している。
悪い→11話の客席でカレーを食べる
明日こけら落としなのに客席でこぼしたらどうするんだ。
琴葉や大人組が何故止めないのか不思議で仕方がない。
・瞑る→モブ観客の女性比率が異常に高い
アイマスの客層なんてもっとキモオタだらけなのにニチアサされた
差分が無い訳じゃないし、重要な要素でもないので瞑れます。

こうやっていくつかある演出面を振り分けていくと、どうしても私には悪いは言い過ぎにしても目を瞑りきれない場面が多々出てきます。
難癖と言われればそれまでだし、私が目を瞑れなかった部分が「つまんない!」となる程の傷にはならないのは確かです。
どんなに点数を下げても総合60点を切る事はない、けれど80点を超えるのも難しい作品になってしまいました。

具体的な気になった点(※ネガ注意)

・5話
テントを作る必要
1つの大きなものを作り上げる事が纏まりになるしグリマス時代のテントを作りたいのは理解できますが、7人がダンスできる舞台&観客20人以上?が入れるテントをあの短期間で作るの?しかも前日完成で組み立て?
流石に現実離れしすぎて「別の事に時間を割け」と思ってしまいました。
その時間をお揃いの衣装を作るとか、経験の少ない未来たちが歌うのだからレッスンに充てるとか。
野外ステージにした方が他の観客も気軽に観られるし、テントを作るメリットが見いだせなかったです。
最後の「Thank You!」も野外ステージで全員で歌えば違和感がないのに。
テントの周りで歌う方が可憐の成長がわかりやすいのは確かですが、それ以上の違和感のせいで感動の為の舞台装置にしか見えず置いてけぼりでした。

39人全員登場みたいに制作側がやりたいことは尊重したいのですが、テントを作る事、登場させることが目的となってしまうのは違うのではないか。
ミリアニでは別に「手作りのぶどーかん」にこだわる理由が一切ないので、ここは既存向けの悪い内輪ネタと化しています。
むしろ「原っぱ」や「シアター」にこだわる方が自然では?

寝る時の未来の髪型も気にはなりましたが、大人の事情で目を瞑ります。

・6話
紬の勘違いは流石に勘違いで済ませられない
引っ越し先の住所がわからないまま引っ越してくるのはあり得ない。
紬よりも両親に不安をおぼえてしまう。
入居日を紬が勘違いした、にしておけば違和感がないのに。

・7話
安全観念の無さ
私はギャグ回として観ていたので悪いフィクションとは思っていないです。
というかチュパが出た時点でリアルに見るのは野暮
ただ今までがリアル寄りだったので、それが素直にできるかは人次第。

・8話
アイドル以外の大人たち
一番の問題回、70点になった最大の理由。
アイドルだけで仕事をこなす事はあるでしょう。
でもデビューイベントでそれは流石にどうなのか。
人手不足以前に4th売る気ないじゃん、となってしまいます。
それに前回の話で事務員が何故か司会していたのだから引率位はしてくれてもいいのでは?(外部?の車両さんはいた)
舞台が使えない、はまだ理解ができますが、代替先が穴の開いた舞台。
7話がクソ現場オブザイヤーだと思ったらまさか次の回で越えてきたでござるの巻、しかも笑えない。
穴を塞いだからヨシッ!って現場猫案件。

仮にもデビューイベントなのに遊園地側のスタッフが1人出てきただけ。
衣装や髪型の差分が無い、「子役探偵桃子ちゃん」の権利問題、音響や照明等一部裏方の省略は大人の事情で目を瞑れます。
ですが遊園地側やイベンター等の運営スタッフ、マスコミまで削ってしまっては意味が無い。
しかもそれなりに注目が集まってきたのにファンも来ない、同日開催の意味が完全に破綻している。
遊園地スタッフも案内が雑過ぎ、961案件を願ってしまった。
無印Fランクのドサ回りより扱いが酷いのでは…?

この回をギャグ回と呼ぶことがギャグに対して失礼。
このみと桃子のパーソナリティとドラマ性は良かったですが、それだけに舞台のリアリティが無さが残念です。

・10話
あっさり解決した静香問題
ここに関しては好みの差であり、悪い展開だったとは思わないです。
でも尺が足りていないんだからこの話は無くても良かったのでは?
パパを説得するのは最終回でも、なんなら解決しないで2期に期待でも問題ないですし。

こう思ってしまったのは静香はずっと掘り下げがあったとはいえ、7.8話で時間が空いてしまい、行と行が開いてしまったのが要因。
アニマス14~19話の千早のようにワンシーンで良いから差し込みが欲しかったです。

Pが唯一カッコイイなと思った回。

・11話
客席でカレーを食べてはいけません!
先述の通り。
目を瞑る要素を言えば、イベント前日の割に舞台が静かすぎる。
常設劇場とはいえこけら落としなんだからフェチ川イベントスタッフたちが何かやっているものじゃないの?とは思いますが。
舞台も広いのにわざわざチーム毎別の部屋で寝る必要があったのか、というか舞台上で寝るのは寒くないのか。
6thが「Unknown Boxの開き方」でなく「Dreaming!」を歌ったのは正直謎でしたが、そういえば6thの子は3rdライブでは全員別の会場に出演だったなーとぼんやり。

・12話
「Sentimental Venus」と「REFRAIN REL@TION」
これは私に知識がある事が悪影響しています。
「Sentimental Venus」事件をアニメに落とし込む事は許容できるのですが、トラブルが発生した時のPがダメでした。
勿論新人だからテンパる事も感情的になる事もあるでしょう。
その中での決断や対応が成長なのに、そういうのが無いままなんかふわっと解決してしまいモヤモヤ。
何かができる訳ではないけれど立ち止まってはいられない、そういう青い感情は未来や千早に任せて欲しかった。

「REFRAIN REL@TION」は新人アイドルがデビューする曲としてはいささか重たすぎる印象、勿論重いデビュー曲が悪い訳ではないですが。
ただ1stから繋いだバトンと言われても、正直1st以外があまり印象に残っておらず、目の前のファンよりも10年間の感謝をPに伝えている印象。
チーム2.3.4はある程度描かれているけれどチーム5.6.7はほぼ描かれていないので、なんかエモい曲調と最終回のノリと全員歌唱の勢いで乗り切ったとしか思えず、5話の「Thank You!」と同じで、感動から置いてけぼりにされてしまいました。
8th曲→全体曲の流れでも良かったのでは。
8thのデビューは今日だったと思うのですが、ソロ→8thデビュー曲の流れって8th(特に紬に)負担かけすぎな気も。














まとめ

  • 7.8話を除き一定のリアリティが担保されており大筋で破綻はしていない

  • 疑問を「フィクションだから」で流せない人は向かないかも

  • 既存向け要素が多いが新規でも楽しめる(感情移入しにくい場面はある)

  • 私には一部の既存向け要素が楽しめなかった

  • もっと8th中心にするか5.6.7thの出番を増やした方が私には合ったかも


    映画館で見ていたら評価がもう少し上がった可能性があります。
    1話1話単独で観て評価すると気になる所も1幕4話構成で観た方が気にならない可能性が高いし、そこに音響のバフもかかるので少なくとも12話は今より評価が上がっていた可能性が高いです。

再度言いますが決してつまらない作品ではないです。
少なくとも歴代アイマスアニメの中では勧めやすい作品だと言えます。
私が疑問に思った部分を作風として捉えることは十分可能だし実際既存ファンはそこをあまり疑問視されていないです。
私のように刺さりきらなかった人でも「時間を損した!」とはなり難いはずです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


いいなと思ったら応援しよう!