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第一回平波亘映画まつりを終えて

第一回平波亘映画まつりが終わりました。

おかげさまで『サーチライト-遊星散歩-』『餓鬼が笑う』と合わせて200名近いお客さまにご来場いただけました。本当に、本当にありがとうございました。

自分にとって創る映画はどれもこれも全部大切なものに決まっているのですが、この2本の映画はコロナ禍の中で企画・製作されたということで、とても大きな意味を持つ作品でした。世界中をパンデミックが覆い尽くす中、自分のような東京の片隅で暮らす映画業界の底辺にいる男でも「こんな世界になってしまって娯楽や芸術は一体どうしたらいいのか」なんてことを考えるようになりました。そんな中、この2本の企画とほぼ同時に出逢い、暗中模索だった日々に可能性のような光明が差したかのように思えたのを憶えています。
どちらの作品も、そこにはどうしようもない現実の檻に閉じ込めらている青年と少女がいました。彼らが如何にしてその現実に抗い、檻を壊して更なる困難の道を歩んでいくのか、自分はそんな彼らのすべての言動や行動、選択と結果にとことん付き合っていこうと心に決めました。その辿り着いた先に、自分がわからなくなっていたことへの答えがあるような気がしたからです。
コロナ禍での準備や撮影は本当に大変なものでしたが、作品のために集ってくれた信頼でき過ぎるスタッフと、物語に誠心誠意向き合ってくれる素敵すぎる俳優部たちのおかげで何とか2作とも完成して、公開に漕ぎつけることができました。
この2本の映画を公開してくれた映画館の皆さまや、劇場まで足を運んでくださったお客さまにも本当に頭が上がりません。SNSで投稿される賛否入り混じったご感想にも何度も救われました。自分も出来る限り上映劇場に赴くようにしていましたが、そこで直にお客さんや劇場スタッフの方と交流することができて本当に幸せでしたし、そういう時間の中でやはり自分の中で映画館文化をずっと守っていきたいという気持ちがどんどん育っていきました。

ありがたいことに『サーチライト-遊星散歩-』のソフト化がこの春に決まりまして、その頃から何とか『餓鬼が笑う』と一緒に上映できないか?と思ったのが今回の上映会の始まりです。どちらも2022年の暮れから劇場公開やイベント上映が始まってこの1年半、この2本と駆け抜けていく中で自分にとっての次のフェーズというものを凄く考えていて、その「次」へ進むためにこの2作品に対しての僕なりのけじめをつけたくなったのです。そして何とか第一回平波亘映画まつりの開催をするに至りました。結果、多くの方にお越しいただいたと同時に多くの人に助けられることになりましたが…。己の詰めの甘さとか不手際を猛省しながらも、自分が今こうして立っていられるのは本当に多くの人たちに支えられているからだという幸福な実感を得ることができました。これに甘えずに自己満足で終わらせてはいけない、いろんな課題も見えました。何度も何度も言いますが、本当に本当に感謝してもしきれないくらい感謝しています…!

第二回平波亘映画まつりがあるかはまだわからないですが、この先も変幻自在にいろんな作品を上映したり、何かと楽しい企みを続けていけたらと思うっています!
また長々と取り留めのない文章になってしまいましたが、これにて第一回平波亘映画まつりはおしまい!また映画館でお会い出来るのを楽しみにしています!愛。

平波 亘

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