ツイステッドワンダーランドのエース・トラッポラ(5章時点)
あの最大手ディズニーが乙女向けスマホゲームを出してきたことで話題のツイステ、主人公のクラスメイトであり行動を多く共にする友人エース(CV: 山下誠一郎)についての初見感想を綴りたい。
前置き
これまで完結したアニメのキャラクターについて感想や考察を書いてきたが、今回は「未完」かつ「ゲーム」のキャラクターの話になるので、これまで以上に主観に頼った考察が予想される。これはほんと仕方ないけど感想を書きたいからしょうがない。
あなたと一緒に学校生活を送っているエース君もエースだし、私の学校にいるエースもエース。未プレイのあなたのエースもナイトレイブンカレッジであなたが来るのを待っている。この記事はあくまで「私が見てきたエース」に基づいて書くってだけで、それぞれの体験、それぞれのエースは同時に存在してます。
【未プレイ向け】エースはこんな役どころ
若い(高校生)/飄々/優秀/好奇心旺盛/意地悪/バカは見下すが先輩は敬う/弟(兄の弟)/運動得意/陽キャ/ライバルいる
5章読了時点での感想ツイート↓
公式サイトのキャラ紹介はこちら↓(声も聞ける)
各種体験方法
現時点での自分の場合です。
iOSアプリ
https://apps.apple.com/jp/app/ディズニー-ツイステッドワンダーランド/id1477455989
書籍:『ディズニー ツイステッドワンダーランド』FAN BOOK
https://www.amazon.co.jp/dp/4065186412/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_E9GN9WZXQCWG1A5A8ZQ9
4章まで。声優陣のインタビューがある(!)。元作品や名前の意味の解説はこちらの方が多い。カード別サブストーリーの一部も垣間見れる。
書籍:ディズニー ツイステッドワンダーランド 公式ガイド+設定資料集 Magical Archives
https://www.amazon.co.jp/dp/4757567812/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_73E74FK76SJMFTW0ASSG?_encoding=UTF8&psc=1
分厚い。こちらも4章までストーリーごとの主な登場キャラまでまとまっていて助かる。付録はキャラ同士の呼称表。コンシューマーで出てる設定資料付き攻略本と同じと思っていい。設定資料のイラスト通りにグラフィックが作られていてなんだか感動する。枢やな先生へのインタビューがある。
映画:不思議の国のアリス(ディズニープラス)
エース所属のハーツラビュル寮のモチーフであるハートの女王が出てくる原作的位置付け。
【未プレイ向け】ストーリー完走までのプレイ感想
スタミナ制のアプリゲームはとにかく長い時間プレイさせて課金や関連商品でマネタイズするスタイルなので、メインストーリー読み終わるまでにはアニメやドラマCDの比でない時間がかかる。
私の場合、山下誠一郎さん目当てに12/29に始めて1/18までかかった。検証してみたくて無課金で走ってみた結果(SSR1枚1凸)なので、課金して強いカードをゲットしたりスタミナ回復(厳密には所謂スタミナとは少し違う)のようなことをしていくとストーリー読了までの時間はもっと短縮できるだろう。
メインストーリーはフルボイスで、『黒執事』の枢やな先生が担当しているので、クオリティは申し分ない。しんどいノリみたいなものは見あたらない。
ノベルゲーにあまり触れてこなかったので基準があっているかわからないが、ストーリー中の選択肢は若干多めな気がする。ゆえにストーリーをBGMに作業とかはしづらい。そして選択肢でストーリーが大きく分岐することはない。
節目となるストーリーに関所のように簡易的な戦闘が付属していて、ストーリー自体を読むのにスタミナ消費はしないところは優しい。音ゲー要素もあるがプレイヤースキルはそんなに必要とされない。
手持ちのカードのレベルや種類が先の戦闘に関わってくるので、カード強化のためにスタミナやドロップアイテムを消費していく形式だ。
ガチャは服装別でカードがあり、モブやアイテムは出ない。スタート時にキャラを選んでSR式典服がもらえる。
SSR排出の天井がある(300回)。恒常ガチャのSSRエースは1種類なのでリセマラで出せば終わりだ。過去に誕生日とゴースト・マリッジイベントでSSRが出ているが2021年2月現在取得できない。来年とかに恒常入りか。
例によってカードごとにサブストーリーがあるのでできれば全部揃えたいやつ(ストーリーのボイスはなし)。
イベントは未経験なので省略するが、2020年9月までは1ヶ月半ごとにやっていたようだ。現在はメインストーリーの更新時期だったのかな。12日からまたイベントが始まる。あんまり忙しくならないイメージではある。
Abema TVで定期的に情報発信の番組(収録)があり、エース役の山下さんとデュース役の小林千晃さんがMCを務めている。
ツイステはかなり情報統制されているらしく、基本的にこの番組で山下さんのツイステの話が聞ける。ただ過去の放送は見れない……。
資本が大きくジャンルもどんどん大きくなっているし、山下さんの出番も主役級で、他のキャラも大沢男子会の皆さんを筆頭として魅力的なので、未プレイのせいちファンは序章ストーリーだけでも読んでみることをオススメする(エースは9話から登場)。
【ネタバレあり】メインストーリー5章まで感想
ここからはネタバレありで初見(公式以外の情報や感想をなるべく見ていない)感想を書いていく。
ディズニーも童話もイケメンも好きなので好きにならないはずがなかった。
まだ7つ寮があるうちの5つまでしかフィーチャーされていないが、思春期の頃に抱えるアイデンティティ形成の葛藤が魔法で彩られた楽しい作品だ。
とにかくデザインがおしゃれでグッズも欲しくなるようにできている(グッズもすごいたくさん出ている)。今度出る棺型のミニキャラのアクスタ欲しい。
各章で各寮のメインヴィランに対応する生徒がオーバーブロットし、自分自身と向きあう流れだが、特に印象深かったのは自分の追い求める美しい姿に近づけないヴィル様の5章だった。
映画などでの主人公役の割合や、「美しい」メンション数で調べているだけなのでネージュにヴィル様は常に負けているのか本当のところはわからないが、ずっと負けていると思い続けるのは非常に辛いだろう。お互いないものねだりなんだろうけど。
ルークが評したように「美しくあろうとする姿が美しい」キャラクターなのだが、そんなの本人には当たり前すぎて褒め言葉でもなんでもないところがしんどい。
ヴィランがモチーフのキャラクターたちのお話なので基本的にハッピーエンド(彼らの思惑通りになる)にはなかなかならないだろうけど、これからどうなっていくのか楽しみだ。
エースの気になる立ち位置
山下さん演じるエースはキャラクター順だと寮長のリドルに次ぐ2番。設定資料集などにも二番目に書かれていて、監督生が初めて出会うナイトレイブンカレッジの生徒だ。
ハートの女王の厳格な精神に基づくハーツラビュル寮に振り分けられた。ハーツラビュルは陽キャ集団で、設定資料集の枢先生のインタビューによるとハートの女王に仕えるトランプ兵がテーマらしい。
規律に従う者、というよりは自分のルールがあってそれを楽しむ者が集っているような気もする。あとは出身地薔薇の国か。(ケイトは輝石の国だが。)
ルールとは個別の事象に対して深く考慮せずに(心を乱さずに)判断を下すための思考のショートカットなので、自分ルールを持っている人は恐れや心配事が多い人なのだと思っている。
エースも「夢に向かって努力…うげえ オレには合わないって」(制服ホーム画面)のセリフもあるように、ダサいことはしたくない/(スマートなダークヒーローよりの)カッコよくありたい基準で動いているようである。「オレには合わない」は自分で自分を型にはめている。
この価値観に至った背景がメインストーリーで語られたらいいなあ。ナイトレイブンカレッジOBの兄がすごく関わってると思うんですがどうでしょう……。兄と同じ寮に振り分けられて喜んでたし。
『不思議の国のアリス』の白うさぎの服装もハートのAだったが、設定資料集のインタビューでリリース前は白うさぎモチーフのキャラクターもいたことが語られていたので、今はいないとするとエースとの関係は薄いだろう。
ツイステッドワンダーランドに迷い込んだ監督生をアリスとした時の、”初めに出会うナイトレイブンカレッジ生”の意味くらいか。
監督生とグリムが騒ぎを起こしたのを面白いと思って(バカにしようと)近づいてきた男で、かなりの行動派意地悪である。
男兄弟の弟なのもあってか先輩には従う小物なところもある。成り行きで協力して敵を倒してからは監督生たちを友人と認めたようで、甘えた態度を取ってくる。これは年上キラーですわ。
先輩に対してだろうと自分がおかしいと思ったことはおかしいと言えるやつで、エースが言葉にしてくれたことで救われたモブが今までもたくさんいただろうと思う。逆にそのポジションだから言える言葉に傷ついたモブもいただろう。先輩にはモテるが同期や後輩からは一定数苦手に思われてるタイプ。
努力や才能で優秀なのはリドルやマレウスで、エースは要領が良くこなせる(たいていの問題は認知し対処できる)だけなので、その違いも今後フィーチャーされると良いな。
いまははつらつとした1年ボウズだけど病みポイントは結構潜んでいるぞ。
生牡蠣が嫌いとは
エースのプロフィールで気になったのは嫌いな食べ物「生牡蠣」。
明らかに不思議の国のアリスの『セイウチと大工の話』に出てくる牡蠣の子供たちを連想させてくる。悪い大人の口車に乗せられ、親の言うことを聞かずについて行った結果、命を落とす話だ。好奇心が身を滅ぼすの教訓が込められている。
この嫌いな食べ物が単なるアリスモチーフの小ネタというだけでないと深読みすれば、この話を聞いて生牡蠣が食べられなくなったと想像できる。(実際に子供の頃に不思議の国のアリスの映画を見て牡蠣がトラウマになった人もいただろう。)
生牡蠣を食べるセイウチ(悪人)ではないと取ることもできるか。単純な食べ物としてとらえるのでなく、好奇心だけで騙されるバカにはなりたくないと読むこともできる。嫌いなこととして挙げられているのは優柔不断なので、当たって砕けるよりも尻込みすることの方が好ましくないと感じているようだ。
エース自身は好奇心旺盛なやつなので『セイウチと大工の話』そのものでなくても、その教訓に似た小言は言われたかもしれない。アズールにまんまとイソギンチャクにされたあたり気をつける気は全くないようだが。
エースのファミリーネーム「トラッポラ」の意味
あとやっぱり気になるのはその名前。ファミリーネームの「トラッポラ」である。
ハーツラビュル寮メインの5人の名前はトランプから取られているが、リドルはハートの女王で特別としてもエースだけ揃っていない。
エース・トラッポラ:トランプの1 イタリア語で罠 ゲームの名前
デュース・スペード:トランプの2 スペード♠️ 剣 騎士
トレイ・クローバー:トランプの3 クローバー♣️ 棍棒 農民
ケイト・ダイヤモンド:トランプの4 ダイヤ♦️ 硬貨 商人
リドル・ローズハート:謎 アリスのモデル「アリス・リデル」 薔薇🌹ハート♥️ 心臓 カップ 聖職者
エースのメイクはハートだしゲーム内アイテムやアイコンの小物もハートのAなのでその印象が強いが、名前からするとハートとは限らない可能性がある。ゲームのトラッポラにおけるエースである可能性だ。
トラッポラにはハートのスートはなく、対応するのはカップである。カップのA。
Aが一番強く、2が一番弱い。1対1での勝負を何回か続けて300点を先に得た方が勝利のゲームだ(間違っていたらご指摘ください……)。A、絵札と2は、それを持っている宣言をするとボーナス点になり、2はそれで勝つと得点が増える特別なカードとなっている。
この通りトラッポラにおけるAは一番強いカードで、2は一番弱いが特別なカードであるため、要領の良いエースと悪い(けど光るものがある)デュースの関係性を表しているようだ。
2であるデュースが勝つことがエースにとって大きな影響になるのだろう。
5章時点ではデュースがユニーク魔法をエースより先に会得し、ライバル視していたエースが肩を落とすシーンがあり、このシーンがそれに当たるのかもしれない。(そのシーンを描いたってことはエースのユニーク魔法会得までのエモい話もメインストーリーで来ると期待できるぞ!)
一方トラッポラに3と4とQ(女王)は存在しない(王ならある)のが若干不穏でもある。
この先エースが劣等感を抱きすぎることなくハーツラビュル(トランプ)の世界に自分の居場所を見つけることができれば良いが……、そううまくも行かなそうではある。
エースのベストシーン
最後に現在私が見てきたエースの中で最高のエースを紹介したい。
1章26話 五月雨オネスティー リドルへ「絶対許してやらねー!」からの
「……そしたら、許してやらないことも、ない」
もっと指定するとデレが絞り出された「そしたら」の「そ」が最高。「らぁ」の息の抜き方、「許してやらない」のリズム崩して言い淀むところ、「ことも、」の手を差し伸べ感、「ない」のいじっぱりでありつつ優しさ、おちゃめさ、エースのかわいさが詰まっている。
甘えたなセリフももちろん胸にくるし、5章でルークにしたようなツッコミの絶叫も毎度良い。1章も十分見せ場なのだが、エース個人の内面に焦点が当たる話がくるとまだまだいろんな面が見れそうなので、本当にここからが楽しみだ。
それでは、イベント頑張っていきましょう!
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