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開運力で転職を成功に導けるのか!#31

この物語は「失敗を繰り返した後に成功を価値とる」と言ったいわゆる成功物語ではありません。いろいろな人間関係に出会って翻弄された結果、自己が成長していく過程を書いたノンフィクションです。母の死を経て16回の転職後に起業し25年間、経営者として生きて還暦を迎え開運アドバイサーとして生きて行く道を選んだ物語となっています。苦しい時、何かの判断に役立つことを願っております。興味のある方は是非最後までお付き合いをお願いしたいと思っております。 

          
第三章 何にが何んでも海外

<列車を止めた男>

実際に数回か恐ろしい目にあいました。

一度目はパリからスペインのマドリッドに向かう列車のコンパーメント席の中で起こりました。私は進行方向に向かって座っていました。前の席にはスペイン人の夫婦がいてその隣に中年の男性が、私の横には30才位の男性がいました。車窓から長閑な畑に陽が沈んで行くのを眺めていました。

スペイン語しか話さない老夫婦と英語が通じず意志の疎通は難しく思えたが得意のジェスチャーで何となくお互いに気を使いながら判り合おうとしていました。

すると私の横にいる男が何やら目を瞑りながら指揮者のようにゆっくり手を振りだしたのだ、老夫婦と私は呆気にとられ、彼の手の振る姿を凝視していたのですが、急に首も振り出したのです。

そして段々と首を前後に大きく振出したと思ったらカッと目を開き、全身に引きつけを起こしました。そして突然、口から泡を吹きだしましたので全員がただことではないと思ったのです。

あまりにも衝撃だったので茫然として見とれていました。そして数秒立ったでしょうか、泡を吹きながら硬直しつつ倒れるのです。良く映画で毒殺をされたシーンのようなことが目の前で起きているのです。

隣の彼がぶっ倒れ、それと同時に前にいた中年の男が私に何か強い口調のスペイン語で何か言っていした。理解は全くできませんので見ていました。そして、彼は泡を吹いている男の口にハンカチを入れようとしてました。

彼のジェスチャーで私に彼の額を抑えるようにと命令してるのを察知して、私は脂ぎった汗でヌルヌルした魚を触った感に似ていた額を懸命に両手で動かないよう固定しました。

そして彼は口の中にハンカチを入れることができたのです。そして誰かが車掌に伝えたのでしょう。列車は急停車して救急車が駆けつけ彼を運んで行きました。興奮が冷めないまま朝になりマドリッドに着きました。

とんでもない夜行でした。そしてマドリッドから別の列車に乗り換えアルへシラスに向かい航路でセウタに向う予定を立てていました。その間、列車でおこったことは何だったのか思い出していた。覚せい剤を打ったのか?それともテンカン?まあ、そんなことを考えても判らないのが当たり前です、次のフェリーの乗り方を調べ出したのです。そして夕方にアルへシラスに着いた。

アルへシラスからジブラルタル海峡を渡りアフリカ大陸のスペイン領セウタに向かうのですが、運が悪く就航は翌日であったので一晩だけアルへシラスに宿泊しなければならかったのです。

私はユースホステルに泊まることにしましたが、そこでひと悶着がありました。私の指定された部屋は二段ベッドが4つあり、今夜の滞在者は私を入れて2人でした。国籍が分からないのですが英語を話すメガネをかけ金髪で天然パーな若いウッディアレンのような奴が先客にいて、彼が素っ裸で私に話しかけてよってきます。「あれま~、なんだこいつ!」と瞬間、ゲイかホモと思ってしまった。実際はどうかわかりませんが・・・

「どこの国から来たのか、何歳」だとか聞いてきます。それもチンチンを振りながらですからとっさにやばいと思いました。つい日本語で「あっち行ってろ、俺に近づくな!」と大声で叫びました。日本語が分からないはずですが私の剣幕が伝わったようで「なんで?どうした?」などとブツブツ言い始めましたが完全無視し、私は彼から一番遠い二段ベッドを占領しました。

彼は相変わらず裸でうろついています。私は恐怖を感じ寝たら襲われるって勝手に思い込み防御策を考えました。それはベッドの上に寝袋を敷きその中で寝ることにしましが気が張っていたのでしょうかなり眠りは浅かったのでした。

翌日セウタに向けて出港しました。私はトイレットペパーが必需品だと聞いていたのですが用意していませんでしたので、悪ことと知りながらトイレで拝借しようと男のトイレに行こうとしたら警備員に留められました。

ちょっとビビッって緊張しました。まだ何もしていないの感づかれたかと思ったのです。すると私の顔をじっくり見て、警備員は女子用トイレに指をさします。「え!」と思いましたが、私が髪がロングでしたので女性に見られたのでしょうね、「NON」と言い男子用に向かいました。振り返ってみると不思議そうな顔をしていました。そういえば周りを見回しても男性は短髪しかいませんでした。

アフリカ大陸のセウタが見えてきます。アルへシラスとは全く違う景色です。アフリカ大陸は白一色に見えました。白い家がたくさん目に写ってきて、それが美しく、本当に異国の地に来ているんだなと思ったのでした。エキゾチックと言っていいでしょう。

本当はタンジェに向かった方が早くマラケシュに行けるのですがタンジェ港は危険が多いと聞いて田舎のセウタにしたのです。当時は今のような高速艇もなくゆっくりとした感じて港に着いたものです。セウタからテトウアンにバスで移動するのですが東洋人が珍しいと見えてジロジロ見られましたが、怖い目にはあいませんでした。

無事にテトウアンに着き、列車に乗り換え今度はマラケシュに向かうことにしました。その列車に驚かされたのです。たぶん今ではそんなことは無いと思います。40年まえですからね~。「カオス」「カオス」です。インドの列車を思い出してくれれば似ているのです。列車に乗る前に私は全容を2等を探すために一番最後尾から前に歩いて行き、印象は貨物車かなと思いました。

列車は一等から4等まである感じでした。私はユーレルパスなので2等席に座れました。2等席は普通の席です。しかし3等となると窓ではなく小屋の感じ、4等なると家畜と一緒の貨物室のようだったです。そこに沢山のモロッコ人が乗り込んでギュウギュウづめでした。

そして、トンネルが近づくと一斉に車内にだれが叫ぶのです。すると車窓の窓を一斉に「バタン」「バタン」と閉めはじめます。合図だったのです。私の席も窓際の人が閉めてくれました。トンネルに入り始めると物凄い真っ黒な煙が窓にへばりつきます。車内には焦げたすすの匂い充満します。

そう、機関車だったのです。2等までは少し煙は充満するが、3,4等はこれをかぶるのです。顔がすすで黒くなるのは当たり前だな~なんて思いました。トンネルを抜ければ何もなったように窓をあける言った感じでこれからも刺激的な経験が続くのです。


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