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マイケル ジャクソン その落日の始まり

彼の落日の始まりは、インシンクのライブに

サプライズ登場した、2001年のビデオ

ミュージックアワードにまで遡ります。

この時の、パフォーマンス映像を見た私は

かつてないほどの衝撃を受けました。

この日、永遠の輝きを持つと信じていた

私の神が死んでしまったのだから。

インシンクが、立体的なステージを駆使しての

見事なライブパフォーマンスを終えたと思った瞬間、

バックスクリーンに、マイケル・ジャクソンの

代名詞である king of popの文字が現れました。

「うおっ、マジか?!マイケル出んのか!」

私の期待通り、颯爽と登場したマイケルは、

インシンクのヒット曲popに合わせて踊り始めました。

「popと king of popを掛けたのか~洒落てやがる!!」

っと思ったのも束の間、何かがいつもと違うのです。

見終えた感想は「何やコレ??」でした。

この日、マイケルが披露したのは彼が傾倒していた

poppin'という、LA発祥のストリートダンスでした。

世界中のダンサーの憧れ 天才児マイケル・ジャクソンは

昔から poppin' があまり上手じゃないのです。

つーか、どっちかと言えば、ちょっと残念なレベル。。。

ここまで pop に拘らんでも ええやんか!

オマケに、曲のENDも間違えて、決めのポーズも中途半端。

周りにいたインシンクのメンバーが、下手なダンサー顔負けの

リズムを刻んでいたのとは好対照で、まさに公開処刑状態。

マイケル自身の表情も、やってもうた感満載に

見えたのは気のせいでしょうか?

かつては、ステージの上が一番リラックスすると言った、

マイケルのオドオドした姿は絶対に見たくなかった。

これじゃ、まるで、プロに囲まれたシロートじゃないか!!

私のマイケル・ジャクソン幻想は、この瞬間に吹っ飛び

跡形もなく砕け散りました。

マイケル・ジャクソンは一連のスキャンダルで

失速したのではなく、彼のパフォーマーとしての

スキルの低下が一番の原因だと思います。

彼は、広い音域を持つ歌声、

各ジャンルのフレイバーを抽出して

創り上げた独創的なダンス、

そしてステージ上での圧倒的な存在感、

この3つが絶妙にブレンドされ

唯一無二の存在となりました。

その二つが、若く才能溢れるインシンクに蹂躙されたのです。

私は、彼の死後に公開された映画も見ていませんし、

アルバムも聞いていません。

信仰の終わりとは、そういうものなのでしょう。


ご支援賜れば、とても喜びます。 そして、どんどん創作するでしょう。たぶn