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オランダのLGBTQ+への向き合い方【プライドマーチ】

Hoi! みなさんこんにちは!
前回の記事では、オランダの学校での性教育のありかたについてお話ししました。今回は、そこからもう一歩踏み込んで、オランダのLGBTQA+、ジェンダー多様性の理解についてお話しします。

オランダはLGBTQA+の世界的な平等の権利のために市民社会組織と協力して活動する35か国で形成されたEqual Rights Coalitionの共同設立者をしていることをはじめ、その他国際舞台においてもLGBTQA+の理解推進に関して中心的な立場で活動しています。

オランダ政府のレポートによると、同性愛に対する捉え方の国別ランキングではアイスランドを抑えてオランダは2位にランクインしています。

1を完全に同意、5を完全に不合意、とする5段階評価で1、2を選択した人を表示)
https://www.government.nl/documents/leaflets/2018/06/01/lgbti-equality-in-the-netherlands

そもそもLGBTQA+とは

ニュースや記事などでよく見るLGBTQA+、それぞれが何を表しているかを説明します。

L: Lesbian (レズビアン:女性同性愛者)
G: Gay
(ゲイ:男性同性愛者)
B: Bisexual (バイセクシャル: 両性愛者)
T: Trans-gender (トランスジェンダー:生まれたときの生物的な性別と、自分の認識している性別が一致していない人)
Q: Questioning (クエスチョニング:性自認や性的指向を決められない、迷っている)
I: Intersex (インターセックス:身体的性において男性と女性の両方の性別を有している)
A: Asexual (アセクシャル:どの性にも恋愛感情を抱かない)

これらはLGBTQ、LGBTQA+と総称されることが多い印象です。

以前の記事にも書いたとおり、オランダは同性婚を初めて合法化したり、多くの移民を受け入れたりしていることから多様性への理解が進んでいる国としてよく名があがります。

そして、その印象を形作るのに大きな役割を果たしているのが、アムステルダムで行われるプライドパレードでしょう。

Amsterdam Pride

プライドパレードは1969年のストーンウォール事件以降のゲイ解放デモ行進から始まったニューヨークのものがはじまりとされていて、世界各地、日本でも行われています。

アムステルダムのパレードは運河の上でフロート船に乗りながら行われるのが特徴の自由と多様性を祝うお祭りで、1996年の開始以降動員数は増え、近年では50万人ほどが参加しているそうです。


こちらは主催団体による2022年のアフタームービーです。

ボートに乗る人々だけではなく、沿岸に溢れる慣習も虹色に着飾り音楽に乗って盛り上がっているのがわかりますね。

毎年、Prideのお祭りは8月の初週に行われており、2024年は7月27日ー8月4日の予定です。(運河パレードは3日。)
次回の記事で詳しくお伝えしますが、パレードのほか、野外ライブやアート展、野外シネマなど見どころが盛りだくさんで、これに参加するために来る観光客もたくさんいます。

Prideが抱える問題

このプライドパレードは盛大なお祭りとして注目を集めていますが、実は「プライドの商業化」という問題も抱えていると伝える記事もあります。
運河パレードに参加する船の多くはスポンサー企業のものであるし、パーティーのようなイメージが強く、訴えとしての役割を果たしていないという声もあるそう。

Hufpostの取材で関係者は

プライドイベントに対する批判の中には、多くの企業が参入し、ゲイの当事者をあくまで“市場のターゲット”として捉える「ゲイ・ブランド(Brand Gay)」や、LGBTQ+コミュニティの資本を利用するだけだという「レインボー資本主義(Rainbow Capitalism)」、そこで稼いだ利益をコミュニティに還元せず、あくまでコミュニティを利用するだけではないかという「ピンク・ウォッシング」などのポイントが挙げられる。

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_633e562de4b0e376dbfe16f3

と話しており、本質的な目的以外に、商業的なプロモーションとして利用されている事実もあるといいます。

参加者の本意とは

しかし、そもそもこのアムステルダムのパレードの発端は、商業的意図なのです。実はアムスにあるゲイの飲食店のオーナー達が集まって2年後に行われるゲイ・オリンピック(現ゲイ・ゲームズ)に向けて同性愛者に対する寛容性を高めるために始まったのです。

また、資金の問題もあります。イベントの運営には多額を必要とするが行政からの援助金が多いわけではなく、基本的には費用を主催団体側が支払わなければなりません。そのため、この規模を確保するにはスポンサーの存在は必須なのでしょう。

ただ、実際に自由や多様性の理解を求めて参加している人が多いのは紛れもない事実。そしてそれを見たひとりひとりの観衆へのミクロの影響力も大きいはず。
未だ差別が完全になくなっているわけではありませんが、このような話題についてオープンに話せる場が増えていることは、平等で差別のない社会の実現に近づいていることは間違いないでしょう。

まとめ

いかかでしたか。
次回は、途中話題に上がったアムステルダムのプライドマーチのテーマや内容について詳しくご紹介します。
それではまた次回!Tot Zienz!

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参考文献


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