CoCゆめであえたら 後日談
探索者:御神楽 澪 http://charasheet.vampire-blood.net/655363
普段あまり来客が無いレッスンルーム兼自宅の階段に聞き慣れた足音が響いてくる。……澪さん、そんなに急いでは転んでしまうよ
「っ…都築さん!!!お尋ねしたいことがあるのですが!!」
いつもより乱暴に開け放たれた扉から息を切らせて神妙な顔をした澪さんが珍しく声を張り上げた。
「……?いいから、あがっておいで。今時期まだ外は寒いから…温かいココアをいれるから、ね?」
息を整えた澪さんが靴や身だしなみを整えてあがってくる。
「都築さん…その……」
「はい、ココアどうぞ。…で、聞きたい事って?」
ココアを一口飲んで、澪さんの口から言葉が紡がれる。
「都築さん……貴方はKei……なんですか」
なんだ、そんな事だったのか。僕にとっては瑣末な事だけれど、澪さんにとっては大事なこと…なのかな
「……うん。僕にとってKeiという名前はただの名前だよ。澪さんにとっては違うのかもしれないけれど」
「世界的にも有名で……素顔が知られていない作曲家……わたしはそのような方に教えを請うていたんですね……そうとはしらず、差し出がましい真似など……失礼ばかりで……」
「…畏まる必要は、無いよ。僕は、澪さんの魂が奏でる音色が聴きたかったんだ。本当は僕だけの秘密にしたいくらい、素敵な音色。…でも、澪さんの魂はまっすぐだから、僕が流れを歪めちゃいけないんだ。聴く人の魂を揺さぶる、心にまっすぐ響く澪さんの音……もっと奏でて欲しい。僕はそれのお手伝いをしているに過ぎない」
「…け……都築……さん」
「…なに?」
「これからも………レッスンをお願いしてもいいでしょうか」
「もちろん」
ああ、澪さんとの会話の一つ一つに新しい音が湧いてくる。透き通ったあのペンダントの石のように、澄んだ音色が降りてくる。
――澪さん、たくさんの贈り物をありがとう
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