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私と、ポケモンが宗教になった話

こんにちは、七瀬です。
ポケモンとの付き合いは、今年で22年になります。

ポケモン好きのみなさんは、「君にとってポケモンとは?」と聞かれたら何と答えますか?私の周りでは「人生」と答えるフォロワーさんが多くいました。
私の答えは「宗教」です。

今回は、ポケモンへの「好き」という感情が昂りすぎて「好き」が「執着」や「宗教」といった類になってしまった、拗らせ女(=私)の話をしようと思います。

発端はこちら。

拗らせた女

発端というか、これが全てですね。

以前から、ポケモンへの感情を拗らせていた私は「七瀬さんの拗らせた話聞きたい!」というありがたい要望をいただき、もくりで「私と、ポケモンが宗教の話」講演会を開きました。
そこで大盛況を受け(当社比)、「これはnoteにまとめなければ…!」と今回の記事に至った次第です。

ちなみに、イラストのキャラクターは、「フォロワーさんから私のイメージをもらってトレーナー化」した、オリジナルポケモントレーナーです。
名前はナノカと言います。度々私のアバターとなってくれます。


私について

まず、私についてお話ししようと思います。
私は、既存作品のキャラクターと自分のつくったオリジナルキャラクターを絡ませた作品を見たりつくったりする、所謂夢女子です。(夢女子にもいろんな定義がありますが……)

私のホームジャンルはアニメポケモンであり、サトシの夢女子をかれこれ17年やっております。
ホームジャンルであるアニポケの他にも幅広い作品に手を出しており、夢創作というカタチで関わっています。
ちなみに、NLやBLも嗜みます。雑食です。
基本なんでも選り好みせず同担ウェルカムの私ですが、アニポケ関連、特にサトシに関しては同担拒否のきらいがあります。
そこら辺に関しては、フォロワーに「ここまで拗らせていて、逆に同担拒否じゃなかったら人格破綻している」と言われました。
※同担拒否と言っても、夢創作においての同担拒否でして、他の方のサトシ解釈を聞いたり、ファンとしてサトシについて語ったりすることは大好きです。

さて、そろそろ本題に移ろうかと思います。

第一章「ポケモンとの出会い」

私とポケモンの出会いは、私が5歳の頃。
サトシがハナダジムへと挑戦する回でした。
それまで、親の方針で禁止されていたアニメ。それが、幼稚園入学と同時に解禁され、初めて触れたアニメがポケモンです。

あれですね。ひよこが初めて見たものを親と思い込む習性みたいなものだったのかな、と今では思います。
私のポケモンへの執着は完全に刷り込みですね。

とにかく、初めて触れたアニメ、初めて見たポケモンに、私は夢中になります。
クリスマスプレゼントにはピカチュウのぬいぐるみを買ってもらい、毎晩抱きしめながら眠りました。
今は亡き祖父に、ポケモンセンターに連れて行ってもらったことは、今でも特別な思い出です。

幼稚園の頃からお絵描きが好きだった私は、夢中になってポケモンの絵を描きました。リビングの壁に、大きな画用紙に私がクレヨンで描いたピカチュウの絵が飾ってあったことを覚えています。

幼年期、私は年相応に、ポケモンと至って純粋に微笑ましい付き合いをしていたのです。

第二章「私とポケモンと光の時代」

幼稚園入学と共に出会い、夢中になったポケモンとの付き合いは、小学生になっても続きます。

時には当時大人気だったハム太郎にも浮気をしましたが。
(ミニハムズど世代です)

それでも、ポケモンを愛することは辞めず、毎日のようにポケモンとハム太郎のイラストを描いていた小学3年生。
ついに、それまで禁止されていた「ゲーム」が解禁されます。

みなさんの初めてのポケモンゲームは何でしたか?
私の初めてのゲームは、「ポケットモンスタールビー」でした。

しかし、元々ゲームがそこまで得意ではなかったこともあり、相変わらず私はゲームよりもアニメに夢中でした。

第三章「夢女子爆誕」

小学三年生。我が家のゲーム解禁と時を同じくして、アニメポケットモンスターの新シリーズ「アドバンスジェネレーション(以下AG)」が始まります。

初めて(ポケモンの)シリーズの初めからアニメを観ることができるという喜び。さらに、AGのヒロイン、ハルカのキャラデザがドンピシャで好みだったことから、私はAGが始まる前から友人とポケモンごっこを繰り返し、ハルカ役を取り合いしていました。

実際に始まったAG。面白かった。歌が良かった。ハルカも可愛かった。
そんな、それまでに増してアニポケに夢中の中、私に転機が訪れます。

それは、ある晩に見た夢のことです。
その夢の中で私は、サトシたちやハルカ、タケシ、マサトたちと旅をしていました。
ポケモンの映画の時期が近かったこともあり、ジラーチが絡んでくる内容でした。

それまでも、幼稚園の時代から度々ポケモンの夢を見て来た私ですが、その時の夢はあまりにも楽しく、あまりにも鮮やかで、私はサトシ達とポケモンの世界で旅をすることに猛烈な憧れを持つこととなります。

そうして、想像と妄想の末生まれたのが、今でも夢創作の中心として描いている、とある夢主です。
夢創作という概念を知らなかった時代でした。
夢創作という概念を知らないまま、私は夢主をつくりだしてしまったのです。

今夢主にある「サトシに片想いをしている」という設定は、後から付随してできたのものですが、9歳にして、私はサトシの夢女子となったのです。

第四章「来たる暗黒時代」

時は流れ、大学時代。
中学、高校と、ポケモン好きをからかわれることもありましたが、それでも、「ポケモンが好き」という気持ちはずっと持っていました。

そして、大学入学と同時に、私はポケモンの商品も扱う、とあるショップでアルバイトスタッフをはじめます。
アルバイトスタッフと言えどポケモンの一部となり、今まで「提供される」側から「提供する」側へと回ったのです。

そこで見たのは、ポケモンの商品を手に取ったお客さんたちの、溢れんばかりの笑顔。「好き」「楽しい」「嬉しい」といった、全身全霊の好きという感情。
「あぁ。ポケモンというコンテンツは、こんなにも人を幸せにすることができる、素晴らしいコンテンツなんだ」
そう感じ、今までも人生をポケモンに費やしてきましたが、改めて自分の人生をポケモンに捧げようと思いました。

この先もずっとポケモンが好きなのだ、という確証が私の中にありました。

そんな中、時を同じくして、始まったアニメ新シリーズ。

「ポケットモンスターXY」

神作画でした。
ストーリーも、とてもよかった。

ところで、セレナちゃんというヒロインをご存じですか?
おしゃれが好きで、トライポカロンというポケモンとパフォーマンスをする大会に挑戦していて、そして、サトシが好きなヒロインです。

9歳の頃からサトシの夢女子をしていた私にとって、彼女の存在は青天の霹靂でした。
9歳の頃に生み出した夢主が、私は可愛いです。しかし、セレナちゃんは、私の夢主がしたくてもできないことを、当たり前のようにやってのける。
全てが夢主の上を行く。

大学生、お酒が飲める年齢です。
毎週、酒を飲み、嗚咽をこらえながらポケットモンスターXYを視聴しました。

そんな思いをしてまで何故アニメを観続けたのか。
それは「ポケモンが好き」だという思いを捨てたくなかったから。
そして、「セレナちゃんという公式の存在を否定してしまう自分を一番許せなかった」からです。

そしてやってきた、XY最終回。
セレナちゃんがサトシに行った行為とは。
私にはとても書くことができないので、これに関して知らないかたは、是非ご自分で調べていただければと思います。
私はその晩、我妻善逸ばりの汚い高音で叫び、酒を浴びるように飲み、枕を涙で濡らしながら眠りました。

第五章「アローラへ行ったサトシ」

ポケットモンスターXYが最終回を迎え、やっと心安らかな日々を送れると安心した数日。

その先に待っていたのは、

「ポケットモンスター サン&ムーン」

でした。

正直、予告映像から嫌な予感はしていました。
しかしその予感には蓋をして。楽しみに、楽しみに待っていました。
そしてやって来た放送日。

「………誰?」

公式を否定したくはありません。
いやしかし、本当あれ、誰?
いやいやでも、サンムンアニメのポケモンの動きは最高に可愛かった。
でも、あの、誰?

サトシ含めキャラクターデザインに何があったんですか…!!

ポケモンセンターのお姉さんお兄さんの「アローラ!」という挨拶、とてもよかったですね。
Twitterでも好評で、私も訪れる度にニコニコしていました。
「アローラ!」って笑顔で出迎えてくれるんですよ。
本当に、アローラ地方に来たみたいでした。

いやでも、本当キャラデザ……!

私は、無印の頃から、たくさんの人と出会って、いろんな仲間と冒険して、経験値を積んできたサトシが好きです。
それこそが私がずっと見て来たサトシであり、応援してきたサトシでした。
XYまでは、サトシが今までの旅の延長にいたと思います。サトシの成長がわかります。
けれどサン&ムーン。今までの成長を重ねて来たサトシはどこに行ったの…?

サトシ役の声優さん・松本梨香さんが、どこかでこんなことを述べていました(どこだったかは記憶が定かではないですが)。
「サン&ムーンのサトシは、無印~オレンジ諸島ぐらいのサトシの気持ちで演じている」
それは、今までの旅の延長線上に今のサトシはいないってこと…?

私達が今まで見て来た、ずっと応援してきたサトシは、もうどこにもいないの……?

その疑問が確証に変わる時がついに来ます。
次章へ続く。

第六章「ポケモン映画の新しい形」

映画『ポケットモンスター キミにきめた!』

大好評だった映画です。
「今ポケモンが好きな子供たち」も「小さい頃ポケモンが好きだった大人たち」も、みんなが楽しめる映画でした。
アルバイト先で、
「私、小さい頃からポケモンが好きなんです。そして今日、子供とはじめてポケモンの映画を観に行ったんです」
溢れんばかりの笑顔でそう伝えてくれた、小さいお子さんのお母さんもいました。
伝えてくれたのが嬉しくて、その後少し泣きました。

けれど、スクリーンに映っていたのは、カスミやタケシにも出会わず、一人で旅をし続ける、パラレルワールドのサトシでした。

完全に、「今まで私達が見て来た、応援してきたサトシではないサトシ」が確立されてしまったのです。

私がずっと応援してきたサトシは、今どこにいるんだろう。
もう見ることはできないのかな。
もう、会えないのかな。

悲しみと、むなしさと、やるせなさでいっぱいでした。
何より、公式にこんな負の感情を抱いてしまう自分が一番嫌でした。

何よりも、誰よりも公式を応援したい。
どこにいたって、ずっとサトシを応援したい。
でも、私の応援したいサトシって、誰だったのだろう。
もう、いないのかな。

今も胸は苦しいままです。

第七章「新無印ポケットモンスター」

「ポケットモンスター サン&ムーン」が終了し、はじまった「新無印ポケットモンスター」。

新しいシリーズでも、今アニメで見ているサトシが、私がずっと見て来たサトシなのかは、わかりません。

「新無印ポケットモンスター」では、シリーズ初のダブル主人公(って公式は言ってるけど、DPの時もサトシとヒカリのダブル主人公だったんだよ、ねぇ公式、覚えてる?)であり、
サトシがポケモンバトル
もう一人の主人公・ゴウがポケモンゲット
と、明確に目的がわかれています。

サトシは、バトルもゲットもして、そしてポケモンマスターになるんじゃなかったの…?
ずっとそう言っていたじゃない……。

また、ゴウがバトルもせずにポケモンを捕まえたり(無印第一話では、サトシはポッポも捕まえられず、「ポケモンはバトルをして捕まえるもの」と図鑑にはっきり怒られていました)、2話目にして簡単にルギアが現れたり、ついに先日、ゴウがスイクンをゲットしたり(ミナキさんに謝って)、新無印に対するもやもやは募ります。

ここまで、批判ばかりです。
なぜ、あんなに好きだったポケモンを批判をしているのか?
変わっても、好きでいられないのか。応援し続けられないのか。
自分を責め、苦しみ続けました。

ポケモンとの別れを考えたこともありました。
今までの自分では、とても考えられなかったことです。
ここで、私は気づきました。

私にとってポケモンは宗教になっている、と。

こんなに考えさせられ、人生を左右され、苦しみ、それでも執着し続けてしまう。これが宗教でなく、なんなのかと。
私にとって、ポケモンは神でした。
サトシの変化、アニメの変化といった、神の変化は、私に大きな戸惑いと深い悲しみを与えました。

実は、大学生活の最後を締めくくる大行事、就職活動で、私は株式会社ポケモンに応募しました。
結果は、ES落ち。
神に見放された気分でした。

ずっと苦しかった。
それでも離れられなかった。
ついて行かざるを得なかった。
執着し続けた。

私のポケモンへの想いは、「好き」や「愛」ではとても表しきれません。
そんな綺麗な言葉よりもっと大きく、重く、依存し、そしてドロドロしたものです。

これがきっと、宗教です。

終局「これからの私とポケモン」

一度、「ポケモンと別れるしかないのか」と考えた私でしたが、それでもやはり離れることが出来ませんでした。

映画『ポケットモンスター ココ』観に行きました。
正直面白かったです。
泣きました。
神作画でした。
神作画の顔をしているサトシは、私の見続けて来たサトシではなかったけれど。

ポケモンとの出会いは、私にたくさんの幸福をくれましたが、同じくらい重い苦しみも与えました。
それでも、やはりポケモンからは離れることが出来ません。

離れることが、出来ません。

これからも、何度もつらくなるのでしょう。苦しみ続けるのでしょう。
ポケモンとの出会いが、もはや幸福だったのか不幸だったのかもわかりません。
しかし、いつかその答えが出る時まで、ポケモンに付き合い続けようと今の私は、この話を語り終え、思います。

そして、現在私は、9歳の頃生み出した夢主の長編小説を書いています。
夢主とサトシたちの、出会いと別れの物語です。
それを書き終えたら、きっとまた違う景色が見られる。
少なくとも、夢主を生み出した9歳の自分と、酒を浴びるように飲んだXY最終回を見ていた自分が、「頑張ったね、お疲れ様」そう言って肩を叩いてくれる。

そう信じて、夢小説を書いていこうと、夢主とサトシたちの物語を書き切ろうと思います。

終わり。

MUSIC

もくりで講演会を開いた際に生まれた、「私とポケモンのイメソン」です。

アカシア/BUMP OF CHICKEN
「透明よりも綺麗な、あの輝きを確かめにいこう そうやって始まったんだよ たまに忘れるほど強い理由」

「ついに辿り着くその時 夢の正体に触れる時 必ず (近くで) 一番側で 君の目に映る 景色にいたい」

ゆるる/須田景凪
「緩やかに日々は焼け焦げていく
気付かないまま燃ゆる心だった
ならばいっそ手離してしまおうか
そんな事を考えてしまう
愚かな程に」

「その為に魔物でも獣にもなろう
下らない話でも君と続けたいんだ」

「ちゃんと目を見て言って 君の言葉で
最後の魔法は二度と解けないように
明日も君を思い出す 声が朽ちるまで
その頃に魔物にでもなってたら
あるがまま私をその手で触れておくれ」

No title/れをる
「ずっと夢見てた僕になれたかな
とうに帰れないとこまで来たみたい」

「幼い頃から気付いたら傍にいた
まるで空気のようだ
僕は君とぎゅっと手を繋いで
楽しいことも涙も
僕は君に話して聞かせた」

「いつか君に届くかな
いやそんな日はきっと来ないだろうな
声も体も持たぬ君に
救われた何億人の一人」

「緩やかに崩れ壊れてく
ゆるりゆるり首を絞めるように
昨日までの僕が殺されていく
緩やかに離れ離れ飽く
ぐらりんり君にきこえるのは
僕が知らない声になってく」

藍二乗/ヨルシカ
「白紙の人生に拍手の音が一つ鳴っている
空っぽな自分を今日も歌っていた」

「変わらないように
君が主役のプロットを書くノートの中
止まったガス水道 世間もニュースも所詮他人事
この人生さえほら、インクみたいだ」

「あの頃ずっと頭に描いた夢も大人になるほど事項になっていく」

「人生は妥協の連続なんだ
そんなこと疾うにわかってたんだ
エルマ、君なんだよ
君だけが僕の音楽なんだ」

「この詩はあと八十字
人生の価値は、終わり方だろうから」

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