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【ななれん】アタッカーのパッシブ2つ採用について考える(1/2)

前回は「パッシブスキル+攻撃アビリティ」のビルドの想定で、アタッカーのパッシブスキルについて考察した。
アタッカーのビルドとして主流なのは前回のパッシブ+攻撃アビリティのビルドではあるが、それとは別にパッシブスキルを2つ(ヒート+メテオ等)採用するアタッカーの話を聞くことがある。
今回はこのパッシブアビリティ2つ積みのビルドが実際どうなのかというのを考えていきたい。

前回記事は以下⇒

■対象のアビリティ組み合わせ

まず、本記事で比較するパッシブアビリティの組み合わせを決める。
前回記事で言及した7つのアビリティを想定すると、その中から2つを選ぶ組み合わせは 21 通りであり(一部は重複不可のため実際はもう少し減るが)すべてのパターンを見るのは冗長になる。
そのため、今回は採用可能性がありそうな特に気になる組み合わせをピックアップして見ていくこととする。
以下、今回確認する組み合わせと選出理由を記載する。

・ヒートブレイブ+メテオブレイズ
アビリティ実装順的なものもありそうだが、一番よく聞く組み合わせのため選出。
初動安定のヒートにメテオで先制効果を加えて前半に重い一撃を喰らわせるようなイメージか。
地味に〆ゼロストライクで部大祭通常討伐の最大ダメージ部門最適になる可能性がある構成でもある。

・ヒートブレイブ+コールザイン
「アタッカーに積むパッシブスキルについて考える」の回の後編(下記記事)のダメージ計算にて、ヒートとザインが優秀で前半性能重視ならヒート、長期戦想定ならザインという結果が出ていた。
この2つを組み合わせれば前半中盤後半隙が無くなるのでは?という構成案として選出。

・コールザイン+ムーンボルテージ
条件付きのリミットハウル、レイド向けのセットアクトを除いて、バフ総量が最大になる組み合わせ。
汎用性を失わない範囲で長期戦想定で最大バフ量を得られる構成案として選出。

・リミットハウル+セットアクト(8体編成)
条件付きだがバフ量としては執筆時点の最大になる組み合わせ。
使い勝手としては正直首を傾げるところではあるが、浪漫編成・理論上最大バフ量の参考値の構成案として選出

・コールザイン+バックアゲイン
前回記事の前半で解説したように、バックアゲインは他に攻撃バフがあるほどダメージが伸びることが分かっている。
これに条件なしの中では最大のバフ量を持つコールザインを組み合わせることでバックアゲインの強みを最大限活かせるのではないかという構成案として選出。

もちろん、各々の考えでその他アビリティどうしを組み合わせる可能性があることは承知している。
しかし、今回は紙面の都合により対象を絞り、上記構成案を対象とさせていただきたい。

本 Note の記事で使用しているシミュレータを下記で公開しているため、もし気になる構成があればぜひダメージ計算してみてほしい。

■シミュレーションによるダメージ比較

それでは実際に1万回の疑似戦闘シミュレーションによりダメージを比較していく。

◆条件

以下の条件を使用して各構成のダメージ期待値を比較する。
 ・自分の攻撃力は 15000
 ・敵の防御力は 0
 ・刻印ラッキーライン3
 ・味方にアライブシップ持ちアニマがいる
 ・属性相性は等倍

◆シミュレーション結果

今回は各構成のダメージ期待値に加えて、比較対象としてヒート+パワブラ、アゲイン+パワブラの結果も算出する。
各構成の10ターンでのダメージ期待値の結果が以下である。(表が横長になるため2表に分けている)

ご覧の通りであるが、リミットアクトでさえヒートパワブラの 0.6 倍と割と話にならない結果になっている
この状態で各組合せの話をしてもあまり意義がないように思うため、一旦こうなった原因を考える。

本結果となる要因として以下の内容が考えられる。
1.攻撃アビリティが存在しないことで「アビリティ倍率枠」の数値が著しく低くなること。
2.パッシブスキルによる「攻撃バフ枠」の加算量が多くないこと。
3.敵防御が 0 で計算しているため、攻撃力が高くなることによる恩恵を最も受けられる状況にはなっていないこと。

以降の内容は下記ダメージ計算式の記事を前提として記載するため、未読の方はぜひご一読いただきたい。

1.攻撃アビリティが存在しないことで「アビリティ倍率枠」の数値が著しく低くなること。

今回のシミュレーション結果では、パッシブ2つ搭載の構成は攻撃アビリティを搭載せず、通常攻撃を行う想定になっている。
これは、下記ダメージ計算式でいうところの「④アビリティ倍率」が常に 100%(1.0倍)であることを示しており、1ターンでのアビリティ倍率枠の数字は1.0倍(増幅なし)になる。

ダメージ計算式

一方でパワーブラストを積んだ場合、80% の確率で倍率が 200%(2.0倍)になるため、期待値でいえば 1ターンでのアビリティ倍率枠の数値は1.6倍になる。つまりこの時点ですでに1.6 倍の差が出ているのである。

枠が別であるが、コールザインによる「②攻撃バフ」枠の1ターンでの増幅率は 125 %(1.25倍)であることを考えると 1.6 倍 という数字は非常に大きく、アクティブアビリティの有無が最終ダメージに大きな影響を与えることが理解できる。(実際には敵防御の影響を考えると攻撃バフ枠とアビリティ倍率枠の価値は同じではないが)

さらに言えばパワーブラストを使用してる場合、クリティカル率アップ効果も存在するため「⑤クリティカル倍率」の期待値も上昇することになる。(細かい話は省くが通常 1.3 倍のところがパワブラの場合は 1.66 倍になる)

これらのことより、アビリティ倍率枠とクリティカル倍率枠を同時に増強できるパワーブラストを使用できないというのがパッシブ2つ積みのダメージが伸び悩む原因となっていると考えられる。

2.パッシブスキルによる「攻撃バフ」枠の加算量が多くないこと。

これは1とセットの話になるのだが、1でアビリティ倍率枠を捨てた代わりに得たものが見合っていないという話である。
前述したとおり、コールザインを積んだ場合の「②攻撃バフ」枠の数値は 1.25 倍であり、ここに例えば追加でヒートブレイブを積んだ場合、1ターン平均の数字は 1.4 倍となる。

これを前述の他枠の数字も併せてヒートパワブラとの比較を整理すると、以下のようになる。
 ・ヒートザイン
   攻撃バフ枠    :1.4 倍
   アビリティ倍率枠 :1.0 倍
   クリティカル倍率枠:1.3 倍
 ・ヒートパワブラ
   攻撃バフ枠    :1.15 倍
   アビリティ倍率枠 :1.6 倍
   クリティカル倍率枠:1.66 倍

上記通り、そもそもパッシブ+攻撃アビリティの方が各枠の数字合計自体が高いうえに、別枠掛け算となる要素がまんべんなく上がっているため、よりダメージが大きくなっているものと考えられる。

3.敵防御が 0 で計算しているため、攻撃力が高くなることによる恩恵を最も受けられる状況にはなっていないこと。

これは、今回の条件が一部、パッシブ+アクティブアビリティ構成に有利な状況になっているということである。
ダメージ計算式において、下記赤字部分で「味方の攻撃力から敵防御力を減算した値」が掛け算の要素になっていることが分かる。

ダメージ計算式

これは敵の防御力が高ければ高いほど、味方の攻撃力の影響が大きくなることを示している。
例えば、味方の攻撃力15,000、敵防御力が 0 の場合、赤字部分の値は
 ・ヒートのみ :15,000 × 2.372 × 1.5   - 0 = 53,370
 ・ヒートザイン:15,000 × 2.372 × 1.75 - 0 = 62,265
となり、その比は 62,265 / 53,370 ≒ 1.17 倍となる。
これに対して敵防御力がバフ込み 10,000 であった場合、赤字部分の値は
 ・ヒートのみ :15,000 × 2.372 × 1.5   - 10,000 = 43,370
 ・ヒートザイン:15,000 × 2.372 × 1.75 - 10,000 = 52,265
で、その比は 52,265 / 43,370 ≒ 1.21 倍となり、差が大きくなっていることが分かる。

このように、敵の防御力が大きくなるほど味方の攻撃バフが増えたときの最終ダメージの伸び率が大きくなる。
すなわち、今回のシミュレーションは敵の防御力が 0 の条件で計算したため、パッシブを2つ積むことによる攻撃力増加効果のメリットを完全に享受できていないということである。
※ただ、先に言ってしまうと敵防御力を多少上げた程度では結果に劇的な変化はない。

ではどうするか

前述の解説を踏まえて、以下の変更を加えることでパッシブ2つ採用構成のヒートパワブラ比が改善しそうである。
 ・パッシブ2つ搭載の構成にも攻撃アビリティを搭載する。
 ・敵の防御力が高い場合のダメージを比較する。

以降では上記を踏まえてどの程度ダメージが変動するかダメージ計算を再度実施していくが、すでにかなり長くなってしまっているため、前半の内容は以上として後半記事に続ける。

前半のまとめ

前半の内容において、パッシブ2つ採用構成は単純に使用すると、パッシブ+攻撃アビリティ構成と比べて大きくダメージが劣ることが分かった。
後半記事では前半の内容を踏まえた条件変更を行うことによって、パッシブ2つ採用構成のダメージがどの程度改善するかを確認していく。

後半記事はこちら⇒

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